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【教育】今は租税の授業があるようです。

 今や租税の授業が学校であるようなんです。

 学習指導要領に租税についての言及もあるんです。
  
 小学校,中学校,高校において,租税について考える授業を税理士会とか税務署とかが行っているんです。

 そこで使われている資料を見てみたのですが,社会人でも考えたことがないようなことを考えさせるようになっていました。

 例えば所得が700万円の人,250万円の人,50万円の人がいるとして,合計すると1000万円の所得になるのですが,仮に国民の所得1000万円から税金として300万円を課税するとした場合,誰からどれだけ納税してもらうのが「公平」なのか,というものです。

 なかなか普段使わない脳を使いそうな感じです。

 国の財政についても取り上げます。

 令和4年度の国の予算は一般会計で歳入が約107兆円,歳出も同じ107兆円としているという話もあります。

 歳入のうち約60%が税収です。公債つまり国の借金は約34%。残り5%はそのほかの収入です。

 収入の3割は借金です。

 国民一人が毎年収入の3割が借金だったら,果たして返済できるのか?となりますよね。

 自己破産を検討するレベルだと思います。

 歳出については,一番多いのは社会保障の費用で約33%。3割は社会保障のための支出です。

 約15%が地方交付税交付金等なので地方自治体へ分けている支出。

 あとは非常に大雑把にいうと公共事業,文教及び科学振興,防衛,新型コロナ対策予備費がそれぞれ5%です。

 国債費つまり借金返済が約20%。借りた分の返済はできていません。

 あとはその他という支出です。

 じゃあどうすんだという議論にもなります。

 その財源をどうするのか。

 国債で借金するのか,

 消費税の税率上げて貧困層からも等しく?負担させるのか,

 所得税の高所得者の税率を上げて累進課税を強化するのか,

 法人税はどうする?相続税は?など,いろんな考えがあり得ますね。

 さて,どんな政策の政党に票を入れますか?なんていう授業もあるようです。

 自分のことだけ考えるのか,将来の世代のことも考えるのか,など,多様な議論があり得ます。

 弁護士的には,公平を考える授業も大事ですが,自由を考える授業も大事かなと思っています。

 公平を念頭に置くと租税公平主義とか租税平等主義とかいう考え方で等しく課税するという方向の議論です。

 自由を念頭に置くと租税法律主義という考え方で,国民の代表者が国会で定めた法律によらなければ課税されないという方向の議論です。法律もないのに国の通達で課税することはあってはならないわけです。

 納税するという場面と納税後の国よる税金の使い道という場面とで租税のことを考える機会があるというのはとても将来を担う子供たちにとっていいことですね。

 本日はここまでとします。読んでいただきありがとうございました。

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