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Moon Sick

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月の不思議に取り憑かれている…。
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#連載小説

Moon sick Ep.17

Moon sick Ep.17

ひさしぶりに会った友人は、スーツを着ていた。少し緊張しながら、声を掛ける。友人は、帰りの飛行機の時間までを、俺と会えないかと思って連絡してきたらしかった。

「まさか、こっちに来てるとは思わなかったよ」と伝えると、
「こっちで仕事があったからな。ついでだ、ついで!」と、笑いながらそっけなさそうに答えた。 

「こっち来るんなら、前もって連絡くれれば良かったのに…」
「ああ、でもこういう方がサプライ

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Moon Sick Ep.16

Moon Sick Ep.16

夢を見ていた。
高校生の俺と姉が歩いている。

俺たちは、夜の散歩をしているようだった。

市街地から離れているせいか
この辺りは、この時間になると
めっきり人通りが少なくなる。

だが、今日に限って
さっきから
何人もの人とすれ違っていた。

姉は、すれ違う人たち全員に
まるで顔見知りのように挨拶をしている。

確かに、すれ違った人の中には
何人か、顔見知りの人もいたのだが…。

『知らない人に

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Moon Sick Ep.15

Moon Sick Ep.15

「つまり…それはどういうことなんですか?」
「あそこから来ている人がいるのかもしれないということですね」
顧問は、そう言って、天を指差した。

「でも、そんな話聞いたことありません」
「そうですか?割と頻繁にあることなんですが…」
そう言って、顧問は少し意外そうな顔をした。
「頻繁に?」
今度は、声が、少し震えていたかもしれない。

「もしそういう人たちがいるんだとしたら、何故、全く噂が、立たない

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Moon Sick Ep.14

Moon Sick Ep.14

「月で暮らしてたなんて、かぐや姫みたいですね」
たぶん、何気ない感じで言えたと思う。

「…そうだね」
しばらく沈黙が流れた。
この沈黙が、どういう意味の沈黙なのかと、俺はあれやこれやと考えを巡らせていた時、

「でも、あの話は、実に興味深いよね?」
顧問が、低い声でつぶやくように言った。
「あの話って?」
「かぐや姫です」
「興味深いですか?童話ですよ?」 
今の言い方は、ちょっと素っ気なさ過ぎ

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Moon Sick Ep. 13

Moon Sick Ep. 13

「月では、地下に暮らしていたのよ」
「地下?」
姉が頷く。

「クレーターから、地下に続く通路があるのよ」
姉は、いつもこんな風に、まるで見てきたように話し始める。

「地下には、大気が作られる装置があったから、宇宙から月に降り注いでいる放射線を防ぐことも出来たのよ」

激しい気温差のある月の表面とは異なり、地下には太陽光発電システムのようなものが作動しており、常に快適な温度が保たれていたらしい。

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