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餅は餅屋。作り手が集中できる環境を整えたい

産地が抱える課題は山ほど

私と伊万里にある鍋島焼の窯元との出会いは、副業のマッチングイベントです。当時はコロナ真っただ中。売り上げの多くを直営店が占める中、観光客の激減で経営は厳しい状況にあるということは素人の私でも容易に想像がつきました。
ECの売り上げを伸ばすためにSNSやオンラインのサポートとして入ってもらいたい、とのことでしたが、既にECサイトもSNSも開設済みで、窯元がものづくりや営業をこなしながら、片手間でやられている状況。そのため、SNSは同じような投稿が並び、オンラインの商品も整理されていない状態でした。

このようなマッチングの機会を活用される時点で、意識の高い窯元であることは伝わるかと思いますが、日本の伝統産業は高齢化に後継者不足にと、このようなケースはかなり稀だと感じています。

「昔は何もしなくてもお客さんがやって来て買ってくれた。自分たちはものづくりに集中できたが、この数年でそうも言ってられなくなった。」「過去のやり方では太刀打ちできない状況にきていて、産地は危機的状況にある」

これは、鍋島焼の産地だけでなく多くの産地が抱える課題です。
そのような状況を客観的に理解し、行動にうつすことができる職人がどれほどいるのか。副業以外にも、クラウドファンディングを活用するなど色々なやり方はありますが、そもそもその情報にアクセスすらできない状況の職人の方が多いのかもしれません。

窯元によると、『苦手だったけどやらなきゃいけないと思っていた部分』を丸投げすることで、職人としての時間やその他の重要なことに時間を使うことができ、オンラインの売上を確保しながらより効率的に働くことができているそう。

日本の職人技は素晴らしい。その一人一人が日本の誇りです。
この先もその技術が継承されるために、このような新しい選択肢が広がってほしいと願う今日この頃です。

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