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検索できない思いを「言葉にできる人」が強い


人が何かを検索するときは、既にそれについて「知りたい」という気持ちがあるとき。自分の中に「知りたい」「欲しい」という気持ちがあって、それをちゃんと言葉として把握している状態だ。

たとえば、歯が痛い。最近引っ越ししてきたばっかりで、近くの歯医者を知らない。そんな時は「歯科 地域名」で検索するだろう。以前に行っていた歯医者のやり方が痛くて嫌だったのなら「歯科 地域名 痛くない」かもしれない。

それはもう「ニーズに気づいている状態」だ。

でも人は多くの場合、「自分が何を欲しいか」を気付いていない。


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「検索する人が減ったのは、人が欲望を持たなくなったから」ではない


現代のように、情報があふれ、モノがあふれていると、「アレが欲しくてたまらない」という欲望は喚起されにくいのかもしれない。

高度経済成長期のように「みんなが持っている冷蔵庫が欲しい」「エアコンが欲しい」ということもない。

「今の若者は、欲望を持たなくなった」という主張も聞くが、そうだろうか?
欲望を持たなくなったのではなく、欲望の種類が変わっただけだろう。

高級な時計、都心の高級マンション、なんだかすごそうな肩書き。

そんなものに対する憧れが薄れ、「誰かの役に立ちたい」「自分の居場所が欲しい」というような「内に向かう欲望」に変化したのではないかと思う。

そうなれば、「欲望」という言葉がしっくりこないかもしれないが、だけど、人の「悩みや困りごと」「こうなりたいという思い」は消えることはない。


悩みが無くなったのではなく、
悩みや困りごとや、
理想や欲求はあるけど、

それをうまく言葉にできないから、
検索できないのだ。

自分でも「自分が何を欲しいか」がよくわかっていないと、検索はできない。その分、SNSで見かける誰かが良いと言っているものに興味を持ったり、SNSをきっかけに、誰かの思いに共感したりすることは増えた。


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誰もが抱えている「言葉にできない思い」を言語化できる人がSNSで売れていく。


SNSは商品やサービスの「売り場」ではなく、自分や自社に興味を持ってくれる人を増やす「きっかけの場」である。

そこでは、
●この人、なんでこんなに私の気持ちがわかるの?
●まるで私に話しかけているみたい
●まさに、私が言いたいことはコレだったんだ
●自分ではなかなか言葉にできなかったけど、私ってこう思ってたんだ
●言いたくても言えなかったことを、ズバッと言ってくれてスッキリ

というように「人がまだうまく言葉にできずにいたことを、言葉にできる人」が強いのです。

そのためには、誰もが発信しているような内容を、誰もが発信している言葉で書くことに安心せず

●人の気持ちの「ひだひだ」に、どこまで入り込めるか。
●小さな感情の動きに、どこまで敏感になれるか。
●日常のちょっとした違和感に、どこまで気づけるか。

が大切になってくる。

そして、その「小さな気づき」を一つ一つ言葉にしていく。

カッコいい言葉でなくてもいい。短くズバッと言えてなくてもいい。

どこかで誰かが言っていたよく聞くフレーズではなくて、
自分の心の中から出てきた、生まれたてのフレーズで。
誰かに何かを言われることを恐れず、「自分はこの人の味方でいたい」と願うその人たちに寄り添って。

そんな意識を持っている人が、これからのSNSで選ばれ、ファンが増え、長く売れ続ける人になるんだと思います。





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