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「社長の話がわからない」のはなぜか

ブランド経営→会社役員→コンサル(現在)の私だが、たくさんの会社で聞く問題がある。
そのひとつが「社長の話がわからない」問題だ。

社長のみなさんはタイトルにドキッとしたかもしれない。

社員と社長が見えない窮屈なルールに縛られず成果を出していく方法を、書いていこうと思う。



日本中の会社で起こる「社長の話がわからない」

社長と社員では立場が違う。

どんなに献身的に会社に尽くしている社員でも、会社が潰れるとなれば頭の中は自分の身の振りで精一杯になる。

人間は立場が変われば見方も視点も、見える景色も変わる。


多くの場合、双方の架け橋になるのが理念やビジョンの共有と言われるが、まず理念やビジョンがわかりにくい会社が非常に多い。

社長の自己満足や、哲学的すぎて何を言いたいのか意味不明な理念を掲げるくらいなら、予算達成したらみんなで寿司食べよう〜のほうがまだマシだ。

理念が現場に浸透するには時間と思いが必要。

「なぜ伝わらない?」「社員は何もわかってないじゃないか!」と怒る前に、伝える努力をしたのか考えるべき。外部への営業施策や広報戦略にかける手間と同じくらいの熱量を持って内部へのコミュニケーションもとるべきだ。

毎月の会議で言い聞かせていて、満足してないだろうか?



社長の話はコロコロかわる

しゃちょー、先週の話と違うやんけ。

のイラつきを抑えるのが部下の務め、なんてはずがない。

中小企業やベンチャーは特に、直感的に動く社長が多い。

嗅覚でチャンスを嗅ぎ分け、野生の勘でピンチを乗り越えてきたと思っているタイプだ。


話がコロコロ変わるのは、実は良いことだ。

プロジェクトについてそれだけ情報収取をして熟考している証拠でもある。

1,2週間で考えや方針が変わるのは致し方ない。

というか、いつまでも同じ考えに縛られている社長のほうがヤバイ。


では、なぜ社員から反感をかってしまうのか?

反感をかう社長の多くは、なぜ変更が必要なのか理由の説明を省いてしまう。イヤ、そこ、社員からすると一番大事!

面倒くさがって「いいから変更しとけ」が続くと、どうせ社長はわかってくれない、また気分でものを言っている、とふてくされてしまう。



「話がわからない」は、私の前にもやってきた

会社経営をしていた頃の私は、社長業に忙殺されるあまり、部下の能力や特性を把握して仕事をふるということが全く出来ていなかった。

ある時部下から制作について確認されたのだが、その確認内容があまりにも的外れなことに驚いた。

(なぜここまで話が通じない...勘弁してよ)

何度イライラしただろう。

その後も部下はしばらくのあいだ的外れな確認を連発し続け、こちらの怒りもピークに達した頃あることに気がついた。
完璧にこなしている業務もあるのに、なぜ自分とのやりとりは的外れなことばかりするんだろう?
もしかして、こちらの伝え方の問題か...
部下に話すときは、できるだけ丁寧に変更の経緯を伝えるようにしてみた。そうすると、的外れ確認の回数は徐々に減ってきたのだ。

そして変更の経緯と自分の着眼点の両方を伝えるように努めた。これが功を奏し、徐々に社長の先回りができる部下に成長した。(元気にしてるかな、Sさん)



社長を使う社員が一番エライ

結局、見出しのこれに尽きる。

優秀な経営者とは、仕事ができるスーパーマンを指すのではない。

自分よりも優秀な人材を雇い、その人の持つ能力が存分に発揮できる環境をつくることができる人、のことを指す。

優秀な経営者を”カリスマ"と呼ぶが、カリスマ性は仕事の成果を上げる能力ではなく、人を惹きつける能力のことを言う。

全国の社長、あなたの会社にはきっと想像以上に優秀な部下がたくさんいる。

部下の仕事環境を最適化することに専念せよ。これは優秀な経営者にしかできない。


全国の社員のみなさん。社長とは、使われるものではない。使うものだ。


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