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プロダクト開発チームの心理的安全性を高める「お悩み相談会」というシステム

こんにちは。atama plusというAI×教育のスタートアップでUXリサーチャー/UXデザイナーをしています野澤です。

以下の記事にあるように心理的安全性はチームにとって大切。そんな話をよく聞きます。

ですが、心理的安全性はどうしたら高まるのでしょうか?私達のチームで最近「お悩み相談会」というシンプルな仕組みを試したところ、チームに相談し合う文化が生まれ心理的安全性が高まり、良いことづくめでした。本記事では「お悩み相談会」によりチームに何が起きたのかのプロセスと実際に試したことを紹介します!

お悩み相談会はこんな人のため

お悩み相談会はこんな人のために

「デザインの質・スピードをもっとあげたい」「デザインの合意が取れない」「チームに相談し合う文化がない」そんな人にお悩み相談会はおすすめです。

一人で抱え込まずに、周りに相談しよう!

atama plusでは1週間スプリントのスクラムで回しており、スクラムチームはUXリサーチャー/UXデザイナーとエンジニア・QAで構成されています。

atamaplusのスクラムチーム

このスクラム中に頻発してた課題がありました。ワイヤーフレームなどの成果物をレビューするスプリントレビューの場でエンジニアから「そのUIは使いにくいんじゃない?」という指摘が入る。更に「そのUIでは実装上懸念がある」という指摘も入る。長引くレビュー。やり直しになるデザイン。レビューより前にエンジニアにも相談しておいた方がいいよね、と感じることが多くありました。

課題は他にもありました。デザイナーが自分一人で考えすぎて、求められている要求とは違う方向で作り込んでしまい、それがレビューの場で初めて分かるという状態だったのです。これももっと早く相談できていたら軌道修正できたのに……と感じていました。

なのに、どうして相談できないのか?

困ったときは1人で抱え込まず、早めに相談したほうがいい。それは頭では分かってる人も多いと思います。なのにどうして私達は相談ができないのでしょうか?

少なくとも私にはこんな思いがありました。
「みんな忙しそう。私のために時間を取ってもらったら悪いかも」
「こんなことを聞いたら、相手に悪く思われないかな?」

そう。心理的安全性が低い状態だったのです。


そこでチームに導入されたのが次に紹介する「お悩み相談会」という毎日決まった時間にお悩み相談できるシステムです。時間を取ってもらわなくともお悩み相談の時間を確保しておく。どんなお悩み相談も肯定する。そんな場として「お悩み相談会」は生まれました。

私達のお悩み相談会は5つのフェーズで変化していきました。

お悩み相談会の5つのフェーズ

フェーズ1)デザイナー同士で毎日時間をとって相談

まずはデザイナーでお悩み相談会

このフェーズでは、毎日の夕方に30分の定例をセット。デザインが完成していなくてもよく、デザイナーがそのスプリントで担当する案件をどんな悩みでもいいので持ち込む形式で運用を開始しました。チームのデザイナー同士で相談に乗り合うことで、方向性のズレを修正する、方向性があっている場合も他の人のアイディアを取り入れることでデザインをよりよいものにできる、お悩み相談にはそんな効果がありそうだとこの時期に感じました。例えば、「A案とB案どっちがいいか迷う。」そんな時にも方向性について意見をもらえ、さらに「こうしたらA案がもっとよくなる!」と自分の想像を超えたアイディアをもらうこともできるようになったのです。

フェーズ2)エンジニアも参加して相談

お悩み相談会にエンジニアも参加

デザイナー同士のお悩み相談会を続けていたのですが、あるときにエンジニアが参加してくれました。そうするとエンジニア視点のアイディアや実装上の懸念点をレビュー前にもらうことができ、実装コストも加味しつつデザインの質を高められるという気づきがありました。また現在atama plusではデザインシステムの実装を進めているのですが、エンジニアからデザイナーにどのようにデザインシステムを実装するかの相談の場としてもお悩み相談会はとても役立ちました

この時期はエンジニアも入れたスクラムチーム全員でのお悩み相談会を試したりもしていました。チーム全員がお悩み相談会の価値を感じていましたが、参加人数が増えると議論に時間がかかりコストがかかるという問題が生まれてしまいました。

フェーズ3)Slackでも相談

コストの問題から、試したのがSlack上でのお悩み相談です。Slackにワイヤーを張り、チームに意見を求める形式です。

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Slack形式でもお悩み相談はワークすることがわかりました。一方で対面で話すお悩み相談の良さもあったので、このフェーズでは両者を併用していました。この頃は日中Slackでやりとりし、夕方にデザインが出来上がってきてメンバーに相談したいときには対面で実施していました。参加メンバーはデザイナーが判断してエンジニア1人に声をかける、エンジニアにアンテナを張っておいてもらって任意で参加してもらうという形に落ち着きました。

フェーズ4)もっと早くラフスケッチで相談

より早いタイミングでお悩み相談

お悩み相談を続けているうちに「もっと早くできないか?」についてチームが議論するようになりました。今まではSketchやXDで画面を作り込んでからお悩み相談していたのですが、あるデザイナーが「手書きでラフワイヤーを書いて議論すると早い」とホワイトボードを購入してくれました。

そこでホワイトボードにラフワイヤーを書いてお悩み相談に持ち込むようにしたところ、圧倒的に作業が早くなりました!!!大まかなラフワイヤーをホワイトボードで書いて、お悩み相談会に持ち込み、フィードバックをその場でラフワイヤーに反映させ、XDで詳細ワイヤーフレーム化するという手順を踏むことで、手戻りが少なくなりレビューもすんなり通るようになってきました。ホワイトボードでラフに方針を相談するのはとてもおすすめです!!

フェーズ5)いつでも相談できるように!さよならお悩み相談会

今まで1日かけていきなりデザインソフトでワイヤーを描いてから相談していましたが、ラフワイヤーは1時間ほどで描けてしまいます。そうすると夕方のお悩み相談会まで待ち時間が生まれます。そこで勇気を出してお悩み相談ではない時間にチームメンバーに「相談に乗ってもらえませんか?」と声をかけることを始めました。最初は勇気がいりましたが、みんなが快く相談に乗ってくれることがわかりました。

お悩み相談を前倒しで進められるので、夕方のお悩み相談会で相談することがだんだんとなくなっていきました。お悩み相談に持ち込みがないことが続き、あるとき「私達にお悩み相談会はもう必要ない。チームにいつでも気軽に相談し合う文化が根づいた。」そう判断して私達はお悩み相談会の会議依頼をキャンセルしました。

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おまけ)コロナでもお悩み相談を止めない

更にコロナ対応で現在チームがリモートワークとなっていますが、リモートでも一日中常時チームでハングアウトに接続するようにして相談したいときには話しかけるだけですぐ相談できるようにしています。心理的安全性の高いチームになっているなと感じています!

まとめ

「相談は早めにって言われてもみんな忙しそうだし気がひける。」「こんなこと相談していいのかな?」そんなチームにおすすめなのがお悩み相談会というお悩み相談の時間を確保するシステムです。デザイナーだけでなくエンジニアもQAも1つのチームとしてメンバー同士で相談し合う定例を設けて、お悩み相談の力を実感することでいつでも相談しあえる文化が生まれ心理的安全性が高まります。本記事ではそんなお悩み相談会の導入から終わりまでを紹介しました。本記事があなたのチームの心理的安全性を高めるために少しでも参考になったら幸いです。

atama plusではこんな形でデザイナーとエンジニア・QAが1チームになってプロダクト開発を進めています。興味を持ってくださった方はお気軽にご連絡ください。

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atama plusというAI×教育のStartupでUXリサーチとUXデザインをしています。人間中心設計専門家。 ICU→東大大学院→bA→デロイトデジタル→リクルート→atama plus