人前での演奏と震える手。感謝のクリスマス②
前回の続き、
大学1年生の頃、初めてのエレクトーン発表会で指が震えてしまい・・・大失敗。
それ以降、人前での演奏は怖くなりました。
先生より、克服の為、
「発表会や演奏会などできる限り参加する事」を提案されました。
それから3年後、大学3年生になりました。
人前での演奏は・・・、
相変わらず指は震えています。
寒さも厳しくなった11月のある日、
先生からとんでもない提案がやってきました。
「演奏の仕事をやってみなさい!」
クリスマスの2日間、フランス料理店での演奏です。
最初は「無理!」と思いましたが、
「このようなチャンス、二度とないかも、その経験で何か変わるのでは・・!?」
思い切って引き受ける事にしました。
それから毎晩、日々の練習に加え、クリスマス用の曲集めと練習です。
会場では、楽譜を見る事もできますが、
万が一のことを考えて17曲を暗譜することにしました。
本番の日は、あっという間にやってきました。
会場には、楽器店の係長に送っていただきました。
車の中は、無言です。
雪が降るクリスマス。
フランス料理店の雰囲気は最高。
皆はとても楽しそうです。
お店の控室では、楽譜を見て緊張を紛らわせます。
さあ、時間がやってきました。
楽譜を持って、楽器の前に座り、
かるく鍵盤に指を置くと・・・
手が震えています!!
「やばい・・・、やはり駄目かな!?」
しかし、次の瞬間、
「これは仕事だ!絶対失敗できない!!」
頭の中で叫びました。
その時です・・・、
震えがピタッと止まりました。
なんと、意思が緊張を止めたのです。
人前で指が震えることなく弾けるようになったのは、それからです。
先生に後ほど聞いたのですが、
私の震えを克服する為には、
このような経験を積ませるしかないと楽器店の方々と相談していたようです。
しかし、イベント先に、
演奏者として私を紹介した先生や楽器店さんには、リスクがあります。
もし私が失敗したら、私を紹介した先生にクレームがいきます。
そのリスクを負ってでも、私を紹介していただいたのです。
それを機会に、
伴奏や演奏の仕事をいただけるようになりました。
(上手という事ではなく、男子の演奏者が珍しかったからです)
また、不思議な事に、
人前でしゃべる事は、それ以降、全く緊張しなくなりました。
人は、物凄い可能性を秘めています。
ただそれを発揮するには、
たくさんのプレッシャーを乗り越えなければならないようです。
先生達は、幾つもそれを乗り越えてきているのでしょう。
さて、当日21時30分演奏終了。
どうやって帰ったのか、あまり覚えていません。
雪の中を歩いて帰った風景を覚えています。
ただ嬉しかったのと、
先生に感謝したのを覚えています。
その後の話があるのですが、
宜しければ、こちらより↓。
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