安里博樹 / Hiroki Asato / 沖縄フルーツランド代表取締役

沖縄フルーツランド株式会社代表取締役です。書き残したいものをまとめていきます。沖縄フルーツランド:https://www.okinawa-fruitsland.jp コンドミニアム ホテル名護リゾートリエッタ中山:https://www.lieta-nakayama.com

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弱点は創る為の大切な素材。弱点とクレームから生まれた絵本体験型施設「トロピカル王国物語」

沖縄フルーツランドは、「トロピカル王国物語」という絵本の世界を冒険するテーマパークです。 たくさんの秘密やフルーツ魔法に囲まれた絵本体験型施設です。 お客様からのクレーム「フルーツがない!」観光施設が、絵本の世界を創るきっかけは、お客様のクレームでした。 「沖縄に来たのに、フルーツがない!」 沖縄には「南国フルーツがいつでも実ってる」というイメージがあります。 しかし、熟したパイナップルやマンゴの果樹が見られる時期は、 夏場の「約1ヶ月間」です。 つまり、それ以外の約

    • 名護市の強力なポテンシャルが発揮される領域のお話。「名護市に観光客を増やすためにはどうすればよいか?」の質問に対して。

      2018年頃、名護市の関係者からある質問を頂きました。 「名護市に【観光客】を増やす為にはどうすればよいか?」 弊社は50年に渡り観光業を営んでおりますが、 その答えは・・・「難しい」です。 その理由は、観光の業態が変化している事に起因します。 以前のように「団体」が主体の旅行形態なら、 旅行商品を作っている旅行会社へ行き、 コースに入れてもらう事で、集客が可能でした。 しかし、近年、「個人旅行」が多くなり、より自由な選択が可能となりました。 多種多様な個人に当て

      • 名護市の拠点化について。沖縄県の観光がハワイを越える為に必要な事。

        2018年、コンドミニアムホテル名護リゾートリエッタ中山がオープンしました。 きっかけは、2013年、 沖縄フルーツランドで、トロピカル王国物語が始まりました。 年々、冒険の内容は厚くなり、 2年後には、滞在時間が90分を超えるようになりました。 そこで、ある問題が起きました。 子供達が泣きながら帰る姿が散見されたのです。 理由を尋ねてみると、 「ホテルに帰らないといけない」 沖縄県の宿泊施設の多くは、中南部に集中しており、 午前中、「中南部」のホテルから「北部」

        • 大きな問題に出会った時は・・・!?

          前回、バージョンアップについて書きました。 さて、このお話をしていると、 お客様からある質問を受けるようになりました。 「どうすれば、自分達の問題を解決できますか?」 内容を聞いてみると、 なるほど、(時代や環境の変化に起因する)会社の根本を揺るがす大問題です。 私も同じ経験をしたので、その気持ちはよく分かります。 そのような時、 私が行った方法をお伝えします。 「一旦・・・ 思い切って・・・、 大きな問題は、無視しましょう」 大きな問題の解決方法は、そう簡単に

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          進化する方法って何?バージョンアップと進化の繋がりの事。

          今から20年ほど前のお話です。 金融機関からの紹介で、 全国のファミリービジネスの方々とお会いする機会がありました。 中には数百年も続いている企業の方々もいらっしゃいました。 独創的に進化し続ける企業のお話は大変勉強になりました。 皆様との会話の中で、(自分では気づいてなかったのですが) 私はあるキーワードを多用していたようです。 それは「進化」でした。 「私も皆様のように進化していきたいと思います・・・」 それに対して、ある指摘を受けます。 「安里君・・・、 進化

          ミィーティングのこと

          今回は、10年以上前の社内ミィーティングでのお話です。 弊社の会議も多くの会社と同様、 売上・営業等に関する問題をはじめ多くの議題が上がります。 さて、当時の会議、 下のパターンになりがちでした。 1、売上が伸びない理由や売れない理由は、 時間が足りなくなる程たくさん出てくる。 2、「それを解決する為にはどうするか?」の話になると、 考え込み、なかなか答えに繋がらない。 (静かになる) 3、最後、次のどれかに進みます。 → 次回のミィーティングまでの宿題としよう。

          「沖縄での交渉が上手くいかない?」:海に囲まれた環境に生まれた沖縄県民の気質について。

          以前、本土の大手企業の方から、ご質問がありました。 「沖縄の方と仕事の話を進めており、 途中まではスムーズに進んでいました。 しかし、契約の時期になったら、 突然、話が進まなくなり、電話もつながりにくくなりました。 沖縄での交渉方法があるのでしょうか?」 どうやら、その様な事が何度か続いたようです。 このパターン、沖縄の人あるあるだと思いました。 それがなぜ起きるのか? 私が思う答えを先に書くと、 「(海に囲まれた)沖縄の地理的な要因から生まれた気質」です。 以前、琉

          テーマパークにおける絵本の特殊能力・・・「古くなりにくい」と「親和性」。トロピカル王国物語のキャラクターのこと。

          絵本の世界を冒険するトロピカル王国物語が、 絵本風の世界観になった理由は、 それが持つ特殊能力「古くなりにくい」に気づいたからです。 2012年、イラストイメージを決める際に、 ジブリ風やディズニー風をはじめ たくさんの素晴らしいご提案がありました。 決定の期限も差し迫り、決めかねて悩んでいた頃、 私の子供達が「はらぺこあおむし」を図書館から借りてきたのを見て ハッとしました。 人や企業をはじめ、建物やデザインに至るまで全て古くなっていきます。 しかし、私が幼い頃に読ん

          戦術と戦略の違いは・・・距離感。歴史から学んだそれぞれの特徴と注意点。

          戦術と戦術、 2つの違いって何だろう? 30代の頃、司馬遼太郎の本で、 ピタッと当てはまるものに出会いました。 戦術と戦略の違いは・・・「距離感」。 近場(現場)で使うのは「戦術」 高く広く遠目から使うのは「戦略」 その2つにはそれぞれの特徴があります。 ※下記は、歴史を使った大雑把な説明です。ご了承下さい。 例えば、 宮本武蔵を「戦術」 豊臣秀吉や徳川家康を「戦略」として比較します。 宮本武蔵は、関ヶ原の戦いに参戦後、数々の戦いに無敗、 クライマックスは、佐々木

          新しい観光の形に対応した「街づくり計画」、沖縄フルーツランドのエリア開発について

          本日は、現在取り組んでいる「街づくり計画」の事について記載いたします。 まず、日本の国内観光は、旅行会社が募集する「団体旅行」から始まりました。 その後、徐々に「個人旅行」へと推移していきます。 海外からのインバウンドも、あっという間に個人旅行へと移り変わりました。 さて、それに伴い「観光客の訪れる場所」に、ある変化が起きました。 「観光施設」から「地域(街)」へと広がっていったのです。 まず、団体旅行は(バス移動の為)コースが決まっております。 旅行者が訪れる場所は

          「休符は休みではなく、休みがあるという事」音価(音楽の価値)の話と空手の引手の話。

          今回は、私が大学生の頃、約30年ほど前のお話です。 毎週月曜日が、ヤマハ音楽教室でのレッスン日、 火〜日曜日にかけ課題曲を一生懸命に取り組み・・・、 さあ、レッスンです! 課題曲の演奏は順調に進み、無事弾き終わりました。 自分では、なかなか良い演奏だったと思いました。 しかし、先生からあるポイントを指摘されました。 実は、その指摘が、 現在まで繋がるものとなります。 その指摘は、「休符」でした。 「ひろき君は、演奏の中で、休符の部分を休んでいたでしょう」 「休符

          ディズニーランドで見たお土産の箱買い。「世界観」もお土産を選ぶ際の基準になると気づいた事。

          今から15年ほど前のお話です。 ショップ内で、お客様の「ある仕草」が目立つようになりました。 お土産のパッケージを手に取り「裏面」を見ているのです。 そこに書かれているのは「原材料」。 お土産を選ぶ際、 「原材料」が重要な基準になり始めたのです。 売れる物、その理由は、随時変化しますが、 当時は、添加物や産地に関する問題が相次いで出ており、 お客様から行政に至るまで一気にその重要性が増してきました。 さて、それはフルーツにも広がり、 「フルーツ生産者の顔」を表に出

          そうだ、マーケットを無視してみよう!! テレビからインターネットへ、1位より異なる特異性が重要だと気づいた事。

          今から約15年ほど前のお話です。 当時、沖縄の観光は、 団体から個人への旅行が徐々に進み始めた時期でした。 私は、琉球銀行から沖縄フルーツランドへ移ってきたばかり、 売上を伸ばす為、マーケットの調査を始めます。 集めたデータを元に、色々な事を試してみました。 結果は・・・ 何も、当たりません。 マーケットを分析し、それに対応した商品で 売上を伸ばしいくという一般的な方法でしたが、失敗ばかりです。 ある日、 ふと、考えてみました。 「マーケットってなんだろう?」

          「無意識」を「意識的」に創る、五感の設定が世界観に繋がる事。トロピカル王国物語(テーマパーク)制作時のお話。

          以前、ホテルのリフォームを行う企業様とお話をした時のお話しです。 「ホテルのリフォームを行う際、どの部分から始めると思いますか?」 私は、見た目が重要だと思い「壁」と答えました。 答えは・・・ 「まずリフォームする部分は、触れる部分、 つまり、床(絨毯)から行います。」 「人はみた目より、絨毯のふかふか感に高級感を感じるんですよ。 つまり、触感が重要になります。」 この話、大切だと思い、ずっと記憶に残っておりました。 さて、2012年に テーマパーク 「トロピカ

          これからの沖縄観光の可能性とそれに伴う設備投資や労働分配率について

          本日は、沖縄観光における今後の可能性について記載いたします。 まずは、沖縄観光の特徴をご紹介いたします。 1つ目、沖縄は「海に囲まれている」という特徴があります。 その為、「飛行機での移動」が主流です。 ちなみに、本土の様に陸地で繋がっているのなら、 「今週末に温泉でも行こうか」となりますが、 沖縄はそうはなりません。 その為、沖縄旅行の予約については、 大まかに「1〜3ヶ月前から」となります。 2つ目、お客様の「客層」が「毎月」異なります。 「家族旅行」・・・春

          会社にとって大切なもの?「お客様」「社員」「株主」「取引先」「金融機関」「行政」「地域」「家族」・・・。社長の立ち位置は、それを円に並べた時、真ん中。そして・・・

          私が、約20年前に琉球銀行に務めていた頃、このような声がありました。 「会社は株主のもの」 「株主配当を最優先に!」 ファミリービジネスに生まれた私には、 その区分けが不思議に感じました。 まず、ファミリービジネスにおいて、 株主と経営陣はほぼ一緒です。 その為、株主への配当より、 企業自体を始め関わる方々の発展に重きが置かれている感覚がありました。 しかし、そのファミリービジネスに対しても 「同族企業は、宜しくない」という声も多くある時代でした。 さて、銀行から