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その68 Twitter連動記念「バラエティの元素記号 全118コまとめましたSP」の巻

【まずはひとこと】


放送作家だけでなく、クリエイター全般に言える「あるある」ですが。

「駆け出しの、まだ何者でない時期」って、考えられない程の、異常なまでの、今考えるとちょっと恐くなるような、鬱屈したエネルギーを「何か一点」に注ぎ込む事があります。

自分の場合はそれが

「テレビバラエティを徹底的に観る事」


26〜7歳頃。放送作家としてまだ何者でもなかった時、異常なまでテレビを見まくり…

そんな中、ある事に気付きました。それは

世の中の森羅万象が元素から構成されているように「バラエティにも元素がある」と。

そして、何かに取り憑かれたようにゴールデンタイムの番組から深夜番組まで…「企画」を構成しているものの「正体」を書き出し、分析し、並べ替え、統合し、完成した元素表がこちら。

バラエティ元素表2_page-0001

例えば…

右上の「Jt」は、ジャスティス・正義。
これが番組制作にとって「水素」や「酸素」のように一番重要とも言える物。
お見合い企画にしても「恋に奥手の人のために」とか
芸人が熊と闘うという企画でも、芸人側に「こんなオレでもやれるって所を子供達に見せたい!」とか。

多くの人が納得する正義さえあれば「家を爆薬で吹っ飛ばします!」など
一見無茶だと思う企画でも成立します。

良い企画というのは、根底にこのなんらかの「正義」が設定されているものなのです。

他にも「Tl」タイムリミット。つまり制限時間。
もともと制限時間がないものに制限時間をつけると、面白くなる。
(要するに「走れメロス」みたいな)

あとは「Se」シークレットウエポン。つまり秘密兵器。
「熱湯コマーシャルの水槽」や「寝起きバズーカー」「あいのりのラブワゴン」などなど。
「道具」や「装置」などの秘密兵器が即ち企画になっている事が多い。
逆に言うと、ドラえもんの秘密道具のような「架空の装置」を考えていくと企画を生み出す事が出来る。(「出演者が書かれた通りに行動する日記」=「未来日記」みたいな)

前置きが長くなりましたが(ここから先はもっと長いです笑)それでは、元素番号1から解説しましょう。

解説に出てくる例が世代的に古いかも知れませんが、興味ある方はググってみて下さい。ちなみに、英語名&日本語訳は直訳的に付けてますので文法がおかしいのはご容赦を。

【番号1 M 】MOTIVATION(モチベーション)、動機付け。

つまりは「なんのため」
ゲーム、クイズ、コンテスト、チャレンジもの企画の場合。
そのモチベーションは「お金(賞金)が欲しい」なのか「売れたい」なのか「モテたい」なのか「勝ちたい」なのか。

ドラマやコミックでもそのキャラクターが「最終的に獲得したい物」は何か?が明確だと一気に感情移入しやすいですよね。
漫画「ドラゴンボール」の「天下一武道会」の参加者のように、そこには様々な「モチベーション」のドラマがあり、そこをうまく描くとコンテンツにも更なる面白みが出ます。

先般、問題になった某テレビ局の「ランボルギーニもらえる番組」
参加者の番組上のモチベーションは一見「ランボルギーニが欲しい」ですが、出演ホストは話を聞くところによると、どうも別に高級車が心の芯から欲しかったわけではなく「有名になりたい。ホストの地位を上げたい。」というのも大きなモチベーションで、制作者側もそれに乗っかった節があります。

同じく、年末の風物詩「M−1グランプリ」も今や「賞金1000万円」よりも「自分たちが一番面白いと言う事を証明したい」と言うモチベーションが先に立った企画です。
番組開始当初は「賞金1000万円」がセンセーショナルでしたが、今では「優勝して売れる」事で1000万円以上の価値が生まれる事を全国民が知ってしまったわけで。

このように、モチベーションの設定は「制作者の意図」を大きく越える場合が多々あります。

あと、今ひとつ一般の感覚では理解しにくいモチベーションとして「恋愛番組」があります。
参加者は「本当の愛を求めて」とか「恋がしたい」「運命の人と出会いたい」という名目で参加してますが…。
普通の人はそんなモチベーションでカメラの前でなかなか自分をさらけだせません。ヒットした恋愛番組は「そこまでしてまで恋愛したい」という参加者を見つけてきたスタッフの勝利ということなんでしょうね。

ともあれ「モチベーション」はバラエティにとって、大気中の水素のように「あって当たり前」の存在なのです。

【番号2 Jt】ジャスティス。正義。

これが番組制作にとって「水素」や「酸素」のように一番重要とも言える物。
例えば、
お見合い企画にしても「恋に奥手の人のために」とか
芸人が熊と闘うという企画でも、芸人側に「こんなオレでもやれるって所を子供達に見せたい!」とか。

多くの人が納得する正義さえあれば「家を爆薬で吹っ飛ばします!」など
一見無茶だと思う企画でも成立します。

良い企画というのは、根底にこのなんらかの「正義」が設定されています。

【番号3 Cp】
【番号4 Lk】
【番号5 Pa】
【番号6 Hb】

これらの4つは、意識の高い放送作家なら誰でも知っている(ウソ)フランスの社会学者「ロジェ・カイヨワ」氏が1958年に発表した著書『遊びと人間』の中で挙げられている「遊びの4大要素」からパク…頂きました。

まずは「Cp」(コンペティション)
つまり競技です。「ブリーフ何枚はけるか?」など、どんなものでも「レース」などの「競技」にすると企画になります。

「Lk」(ラック。運)
あらゆるギャンブルの根源である、ルーレットなどの「偶然」。
じゃんけんや、クイズに答えた後の賞金を決めるためのルーレットなど。
ダーツの旅の「ダーツ投げ」もこれに入ります。

「Pa」(パロディ)
ものまねや演劇、RPGなどの「模倣」の事。
「おにごっこ」を模した「逃走中」や
「細かすぎて…ものまね」などはその最高峰。

「Hb」(ハートビート。鼓動。ドキドキ)
絶叫マシーンやスカイダイビング、「めまぐるしい展開」など。
いわゆる「眩暈」(めまい)を伴うような、クラクラする状況。
しびれるような一発勝負。生放送でのチャレンジ。
若手芸人が大物にドッキリを仕掛ける…などの状況もこれに含まれます。

この「遊びの4大要素」に興味のある方は是非WIKIで。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%A8%E3%83%AF

【番号7 Rk】ランキング


ベスト10など順番をつける事で最後(1位)まで観たくなる、「最も簡単」だが、ハズれのない「企画の基礎中の基礎」。
相撲の番付のように「下の者が上を倒す」ドラマの演出にも。
とりあえず、企画に困った時はランキング。

【番号8 Cm】コミッション。委員会。


誰かにミッションを与えるにしても、個人からではなく、組織の名において命じる事でより強い強制力が生まれる。(エヴァンゲリオンの「ゼーレ」的な)
また裏でうごめく謎の組織感。有無を言わさない、逆らえない(逆らわさせない)という演出に使えます。

【番号9 Co】コップ。刑事。

番組における正義の代弁者。
チクリ役のひと。(ワイドショーの芸能レポーターもこれの一種)
鬼ごっこ企画では追跡者。
トーク番組の尋問役。(ロンブー淳くんとかバカリズムとか東野さんが適役。)

【番号10 Kt】カタルシス。

モヤモヤ→スッキリ
酷い目にあった人が報われる。
調子に乗ってる奴が酷い目にあう(半沢直樹の大和田常務)バチが当たる。
〜などなど「良い事」でも「悪い事」でも人はカタルシスを感じる生き物。

基本、人気番組はこれらの元素の組み合わせから出来ています。
例えば記号1から10の組み合わせだけでも
「コミッション」+「ランキング」で
アド街ック天国の「アド街好感度委員会が選ぶベスト30」   など

逆に言えば、元素を組み合わせれば新しい企画が生まれます。

例えば「刑事」+「競技」で
「逃げるクロちゃんを一番最初に捕まえられるのは誰だ!?バトル」など。

一人でブレストするときに役立ちますよ。

「バラエティの元素記号」とは銘打ちましたがこれは「テレビバラテエィ」だけにとどまらず「ネットコンテンツ」から「映画」「コミック」「ビジネス」etcにも活用できる代物だと思っています。

【番号11 So】至上命題。(supreme order)


「芸能人が大学合格に挑む企画」など、自分のモチベーションや意思を遥かに越えた目標。
「大会で優勝しろ」など、本人のモチベーションもさることながら「やらねばならないという圧力」がエグい場合が多い。

【番号12 Ct】コーナータイトル。


コンテンツにつける「名前」は本当に重要。
内容が面白くでも、名前がイマイチだとヒットしません。
電波少年の「ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」も「俺たち売れない芸人!世界でちょっとヒッチハイクしてきまーす!」だとダメだったかも。
最高峰はガキ使の「チキチキ!○○〜!!」 何を入れても面白い。

【番号13 Tg】テーブルゲーム。


既存のテーブルゲームのスケール変えたり、マテリアルを変えるだけで企画になります。
例えば…
「すごろく」にしてみる。(芸能人の人生をすごろくに…的企画)
「カードゲーム」にしてみる。(「OMOJAN」もその一種)
「将棋」にしてみる。(人間将棋)
「ジャンケン」にしてみる。(名刺じゃんけん)

【番号14 Hy】100万円。(hundred yen)

日本人に最もなじみのある賞金の金額。
○○ができたら100万円。ゴチのピタリ賞で100万円など。
「こんな事で100万円もらえたら…」を考えると企画が生まれやすい。

「クロちゃん 今年中に結婚したら100万円」  など

番組に応じて、レートは1万円だったり10万円だったりも。

【番号15 Au】オーディション。


これは文字通りオーディションですが「異質な何か」と組み合わせるとより効果的。

自分の事を宇宙人だと言い張る人が集合「宇宙人オーディション」
「江頭2:50の妹オーディション」             など


【番号16 Tm】トーナメント。大会。

これは文字通りなので割愛。

【番号17 Cg】応援団。(cheer group)

力を与えてくれる人。
チャレンジ企画の家族からのビデオメッセージ。
各種スポーツのサポーター。
アーティストのファン。アイドルオタク。
企画で言えば、クイズミリオネアの「オーディエンス」
24時間テレビの武道館で「負けないで」を歌う演出なども。

【番号18 Rh】復興。(rehabilitation)

「寂れた商店街を蘇らせる」企画や「ゴミ屋敷を片付ける」など。
また「あの人は今」的な番組をきっかけに芸能界復帰を目座す有名人も広い意味で入るかも。

【番号19 Mu】思い込み。(misunderstand)

推理もののドラマの場合は、視聴者をミスリードさせる演出。
バラエティだと、これは逆手に取ると企画になります。

「不良100人の世直し隊」
「悪いやつ」だとばかり思い込んでいた芸能人が良い事をする。
〜など世間の印象を利用した演出法。

【番号20 Na】命名。

名前が付いてないものに名前を付ける。
有吉くんや滝沢カレンちゃんの「あだな」芸もこの一種。
たけしさんとか石橋貴明さんとかさんまさんなどは、この「命名」の達人。
「Ct」(コーナータイトル)でも説明しましたが「名付ける事から企画が始まる」といっても過言ではありません。
(出版界では「ゆるふわ女子」とか「○○女子」的なネーミングを考える専門職がいるそうで…)

【番号21 Sw】スイッチ。(switch)

事象や喜怒哀楽の「きっかけ」となるもの。
北斗の拳のケンシロウでいうと「服がびりびりに破ける」など「ここから本気出す」の合図。
出演者に「いつもよりもぶっちゃけた話をさせたい」時に飲ませる「お酒」。
「家族からの手紙」などは「泣きのスイッチ」として機能する。
「ワイドショーの事件VTR」は「さあ怒って下さい」という怒りのスイッチ。

【番号22 Re】逆。(Reverse)

なんでも逆にしてみると企画になりやすい。
「スポーツ王決定戦」の逆が「運動オンチ決定戦」
「日本一美味い店」の逆が「日本一マズイ店」
「歌ウマ」の逆が「歌ヘタ」
などなど。

【番号23 Li】実況。(Live)

ナレーションより「生感」がでる演出。
アンタッチャブルのザキヤマがたまに行うむちゃぶり「○○からのー!?」のように「実況が逆に現実を動かす」パターンもある。

【番号24 Cf】告白。(Confession)

愛の告白。
カミングアウト。
初告白。独占告白。

【番号25 Ev】悪。(evil)

プロレスで言う「ベビーフェイス」と「ヒール」や(40代にはおなじみ)ウリナリの「ブラビ」に対する「ポケビ」のように、敵を立ててみる事で正義の存在が際立つ。
「ドロンジョ一味」のような「愛すべき悪」を設定する。(キレイな「負け芸」)
ルパン三世のような「泥棒ヒーロー」
ドラマでの「一番の正義だと思った人が実は悪」という演出。(警察内部の犯行)

【番号26 Se】秘密兵器。(secret weapon)

「熱湯コマーシャルの水槽」や「寝起きバズーカー」「あいのりのラブワゴン」などなど。
「道具」や「装置」などの秘密兵器が即ち企画になっている事が多い。
逆に言うと、ドラえもんの秘密道具のような「架空の装置」を考えていくと企画を生み出す事が出来る。(「出演者が書かれた通りに行動する日記」=「未来日記」みたいな)


【番号27 Tl】制限時間。(time limit)

もともと制限時間がないものに制限時間をつけると、面白くなる。
(要するに「走れメロス」みたいな)
例:1分で○○できるかチャレンジ

【番号28 Ip】無理。(impossible)

チャレンジ企画など「無理」からスタートするから「奇跡」がより奇跡となる。
無理こそ「奇跡」の「種」といえます。

【番号29 Wa】無駄。(waste)

これも何かと組み合わせると、企画が生まれる要素。
知識+無駄で雑学
食材+無駄で節約レシピ
筋肉+無駄でマッチョ
お金+無駄で豪遊
など。
無駄なものをたくさん集めると、それは無駄ではなくなります。

【番号30 Nu】数値化。(numerical)

「美人度」「嫌われ度」「結婚出来ない度」などなど、普段数値化しないモノを数値化すると企画になる。
健康番組の「余命」判定も。

【番号31 Ft (Fairy tale)…おとぎ話】

子どもから大人まで誰もが共感出来るのが「おとぎ話」の世界観。
例:
・出演者の座組を考えるとき「西遊記」や「桃太郎」という鉄板の座組を参考にする。
・ドラマや映画のタイトルを付けるときに「絵本のような」タイトルを意識
(例 「薔薇のない花屋」)
・バチェラーなどの恋愛番組もある意味、女性にとっての「白馬の王子様」的おとぎ話企画だと思う。


【番号32 Hp (Hundred people)…100人】

「100人で○○してみる」事で企画になります。
例:
・100人のチームワークでドラマを生むパターン(100人でリレー。100人101脚)
・1人の凄さを演出したいときパターン(100人のディフェンダー vs メッシ)
・100人の労働力利用パターン(100人でいっぺんに家を解体)
・100人でワリカンパターン(牛一頭を100人で共同購入して焼き肉パーティする企画)
・スケールアップパターン(お見合い 100人 vs 100人)
〜などなど、予算はかかるが100人の汎用性は広い


【番号33 Gp(Grand prix)…グランプリ】

「○○グランプリ」のように色んなモノの言葉の下に「グランプリ」を付けてみると企画になる。(芸能人が考えたドッキリGP など)

「M-1グランプリ」「IPPONグランプリ」のように年に1〜2度しか開催されないような「大型特番」感がある。

「A-1グランプリ」から「Z-1グランプリ」まで、まだ埋まってない「○―1グランプリ」考えてみてもイイかも。

【番号34 Nw (News)…ニュース】

今までない「ニュース」や「ワイドショー」を考えてみる。
例:
・普段取り上げられる芸能人がコメンテーターになるワイドショー(ワイドナショー)
・出演者全員がニュースという設定上でコントを繰り広げる(脱力タイムズ)
・「業界新聞」的な狭さの新聞を番組化する
〜などなど


【番号35 Bt (Bus tour) …バスツアー】

共通点を持った人々が一つのバスに乗ってツアーを行う。(例:元気が出るテレビ「失恋傷心バスツアー」)

風景などの画が変わるのと、最後に「ゴール」が待っているので実にテレビ向き。

これも「○○バスツアー」の様に、いろんなモノの下に付けるブレストをしてみると企画が生まれる。

【番号36 D (Dream) …夢】

「夢」は視聴者を悪い気にさせない不思議な存在。

出演者の夢を叶える番組などは叶う瞬間まで、夢を追う人と視聴者が一緒にドキドキやときめきを共有できる。

クラウドファンディングなどは「夢を叶える途中」をコンテンツ化したもの。

また、「夢」は叶わなくてもコンテンツになる。(「夢」破れた人に密着するドキュメントなど)

「甲子園」もある意味「夢を叶えた高校生達」の夢の舞台。
紅白歌合戦も「歌手の夢」を可視化したものと言えます。

【番号37 B (bust) …胸】

深夜番組などにちょっと加える「セクシー要素」
今では考えられないが、昭和のテレビではゴールデン番組でガンガン出ていた。まあ、今ではやりすぎると「性の商品化」といわれがち。

【番号38 Cj (Cheap joke) …ダジャレ】

世の中見回すと、商品名や店名タイトルなど実はいろんなところにダジャレは隠れている。ラップの「韻」も広い意味での「ダジャレ」の一種。

日本人は昔から言葉遊びが大好き。ちなみにダジャレは「おやじギャグ」とも言うが、脳科学の最新研究によると人間は歳を重ねると、ひらめきよりも、蓄積の組み合わせに頼るようになるそう。だから、おじさんになるほど蓄積した言葉を組み合わせて、ついついダジャレを言ってしまうというのだとか。

ダジャレを恥ずかしがったり馬鹿にする事はなく、積極的に利用していくと良い。

【番号39 Ts (Tear&sweat) … 涙と汗】

勤勉な日本人が大好きな「アイテム」。
あらゆるチャレンジ企画での「努力」を可視化したもの。

いわゆる「くだらない」ものにこの「涙と汗」を加えると感動が増す。
(全裸祭りで絶対優勝してみせる!と何度も何度も挑む女芸人  〜的な)

【番号40 Pn (Penalty) … 罰】

出演者に「頑張らないといけない」というモチベーションを加えるペナルティ。
予算的に「絶対頑張ろう」と思える「ご褒美」が用意できないときにこの「罰」を設定しがち。
つまり、バラエティなどで「ローコストでモチベーションを上げたいときに使う」要素。

これも今の世の中、ちゃんと理論武装してないと「イジメじゃないか」と批判されがち。

「しっぺ」「デコピン」「CO2噴射」「びしょ濡れ」などフィジカルな罰や「秘密暴露」「食べられないので悔しい」などメンタルな罰も。

罰アイテムとしては「ハリセン」「ピコピコハンマー」「電流ビリビリ」「青汁」などなど。
新発明が常に求められています。

【番号41 Ch (Cheating)…ズル】

ゲームで言う「チート」。アベンジャーズにおける「キャプテンマーベル」笑。
とにかく「反則」だけど「その手があったか!」というもの。

「○○でズルする。」…この「○○」を考える事で新しい企画が生まれます。

例:料理+ズル=手抜きレシピ  スポーツ+ズル=新しいハンデ戦 〜など   

また、ズルと言えば…そもそもyoutubeも黎明期には著作権無視の動画や無許可のゲーム実況などの動画が頻繁に上がっていて、それがブームの牽引となった面もありましたが…これも良い意味での「ズル」
(詳しくは言及を避けるが「レンタルビデオチェーン」黎明期の「売らずに貸す」商法や「USEN」黎明期のケーブル敷設もNICEなズルの一例)

新しいメディアが誕生する時には「いかにズルをするか」(グレーゾーンを攻めるか)を考えると「革命的なアイディア」が浮かびやすいのかも。

【番号42 C (Charge)…突撃】

予定調和をぶっ壊す演出。
バラエティでは「アポなし」という形が分かりやすい。

これも「まさか!?」の場所へ突撃したら企画になる。

例:「浮気現場へ突撃」「今週ワイドショーを賑わせたあの人に突撃」〜など

【番号43 Ru (Rule)…掟】

ゲーム的なルールやバラエティにおける「お約束」の事。

また「やるなよ!」と2回言ったら「やれ!」の合図…的な「業界あるある」など。

これも「○○の掟」の「○○」を色々考えて企画にしていく。

例:
夫婦の掟・コンビの掟…バラエティのトークテーマになりうる。
警察の掟・宝塚の掟…などなど「職業」に関する企画になりやすい。

【番号44 Db (Death blow)…必殺技】

「決めぜりふ」「鉄板ギャグ」など「これが見れたら満足」と期待されるもの。「もこみちのオリーブオイル」的なお家芸。

これを企画に落とし込むなら…
「イケボ声優対抗!女性をオトす必殺口説き文句バトル」とか
「ペットに特技(必殺技)を覚えさせる企画」
「プロフィールに書ける特技(必殺技)を考えよう」的な企画
〜など

【番号45 Pe (Penniless) …裸一貫】

「全部捨てて」ゼロからスタートすることが面白さを生む。
「ヒッチハイク」
「不祥事タレントの復活」
「テレビに出られない人をユーチューバーに」
例:
・「今月の給料全部賭けてギャンブルしてみた」企画
・「○○が出来ないと(○○すると)即引退」

何かを賭けて戦う人間の生き様が見られる要素。

【番号46 Nb (Natural bone) …性(サガ)】

頭で考えてもどうにもできない、人間のどうしようもない性(さが)を企画や演出に利用する。

例:
・女性を見たらにやけてしまうオヤジのサガを利用して「お色気ドッキリ」
・本能的によだれが出る「鉄板焼きがジューッとなっている映像」(しずる感)
・BGMに人間が不快を感じる「金キリ音」を使用する
〜など

なお、動物企画は動物のサガ(習性)を利用したモノがほとんど。

【番号47 Ri (Rival) …ライバル】

「切磋琢磨」できる「自分を高めてくれる」存在。
永遠のライバルでいうと「日・韓」「早・慶」「犬・猫」「肉・魚」などなど。
アイドルの場合「48」に対する「坂」的な。

敵は倒すべきだが、ライバルは必ずしも倒す必要はない。(ライバルに挑む過程が成長に繋がるので。)

企画に落とし込むなら…
「AKB48グループ」vs「○○坂グループ」の年末生歌合戦!〜など。

【番号48 Pr (Promotion) …プロモーション】

番宣やCD告知。
「これから来る」スターの卵を紹介。  〜など
そもそもマスメディア(特にテレビ)は「○○を紹介する」ことと相性が良い。

企画に落とし込むなら…「これが出来たら30秒の告知時間GET」など

【番号49 Hw (Hollywood) …ハリウッド】

企画で言うなら、バラエティでしばしば見られる「映画のパロディ」(コントJOKER)とか、来日する外国人スターを巻き込んだ企画。

余談ですが20年前は「バラエティに今より予算をかけて」「今よりスターが出て」…という「テレビのハリウッド化」が進めばいいな、と思っていました。
しかし、まさか現在Netflixの登場で「ハリウッドのテレビ化」が実現してしまうとは…

【番号50 Sv (Survival) …サバイバル】

生き残る者、去る者、この両者が存在する「ふるいがけ」
主にドキュメントとして描かれる。

例:
・あらゆる恋愛企画にみられる「恋愛サバイバル」
・受験企画
・オーディション企画
・スポーツ企画のトライアウト
〜などがこれに含まれる

これも意外なモノと組み合わせると面白くなる。
「合宿で枕に付いた抜け毛の本数が多いヤツが脱落する育毛剤CMオーディション」  〜など

【番号51 Rv (Revolution)…革命】

「○○革命」の「○○」を考える事で新しい企画が生まれる。

例:
「ツッコミ革命」…新しいツッコミ芸人ばかり集めてそのテクニックを検証
〜など「新しいモノを揶揄する」パターンも。

「もし“雑誌革命”というお題なら自分はどんな雑誌を考えるか?」など、新しいビジネスの入り口に。

【番号52 Cr (Ceremony)…式典・儀式】

記者会見。結婚式中継。 〜などの「式典」を企画にする。

例:
・(テレビマンなら誰でも一度は考えるが)「生前葬」企画
・「毎週ゴールデンの生放送で記者会見する」番組

アカデミー授賞式は世界的「儀式」番組のひとつ。
そして、この夏日本で行われるオリンピックも。

【番号53 Gc (Guidance clinic)…相談室】

その道のエキスパートの元に、困っている人が相談に来る企画。
「行列の出来る法律相談所」「主治医が見つかる診療所」など。

「誰に相談するのか?」で企画のジャンルや方向性が決まる。
例:
「美容家に相談」=見た目改造企画
「建築家に相談」=お部屋改造企画
「ファイナンシャルプランナーに相談」=家計改造企画

「相談者のお悩みエピソード」(再現ドラマなどにして)と「こうすれば良い」という「教え」そして「教えを受けて実際にやってみるドキュメント」など、これらが一度に楽しめる企画になる事が多い。(ゴールデンタイム向け)「テレビから何か得たい」と考える視聴者層にウケが良い。

【番号54 Le (Lesson)…教訓】

これも「誰から学ぶか?」=「先生を誰にするか?」で企画が変わる。

その道の先人から使える教訓を学ぶ=「世界一受けたい授業」
過去の偉人達から教訓を学ぶ=「プロジェクトX」
失敗した人から教訓を学ぶ=「しくじり先生」

【番号55 Gr(Grows) …成長】

「半年かけて行うオーディション番組」や「1年後にゴールする冒険企画」などレギュラー番組で毎回観る事を想定した企画。
出演者の「成長」を「育ての親」になった感覚で楽しめる。

漫画やアニメなど「連載」が前提のコンテンツは、あらゆる形を取っていても、結局はこの「成長譚」のパターンに過ぎない。だから「最後にどうなりたいのか?」「どうやってそれに近づけるのか?」の設定が命。

映画の多くも、その「成長」の瞬間までの2時間だったりする。

【番号56 Po (Public opinion) …街の声】

一般人の意見を企画に利用する。
テレビなら「街頭インタビュー」、ネットなら「コメント」という形。

これには2種類の使い方がある。
① 企画の出発点にする
例:街の噂を調査する。街で気になる人を見つけて深掘りする。

② 企画のゴールにする
例:芸能人対抗料理対決という企画なら「街の人に食べてもらって投票してもらう」

平成時代のテレビでは「群衆に数字がある」といわれ、表参道でのロケが頻繁に行われていました。

【番号57 Tb (Trouble) …突発的事故】

ロケ中に暴漢が乱入して大騒ぎ…などの映像がバズる事があるが、そこまではいかなくても「予想し得なかった何かが起こる」仕掛けをしておく演出。
特に生放送で効果を発揮する。(正月番組でなにかがポロリ…  的な)

これは「高度な演出ができる裏方がいる」&「金銭的に余裕」がある(カットになっても構わないという余裕)コンテンツじゃないとできないが、何が起きるか分からないハプニング要素を企画に仕込んでおく。

例:生意気な若手女子が出演する番組にはデヴィ夫人をブッキングしておく
   江頭2:50が登場する。
   たけしさんにペンキ缶または墨汁を渡す。

恋愛番組もある意味この「Tb」のトラップをいくつ仕掛けられるかが命。

ちなみにこのご時世、地上波でのやらせは絶対ダメだが、いわゆる「こうなったら良いな」という「演出」の範囲なら「制作努力」として許される事があります。

以前、ドキュメンタリーを何10年も撮っているベテランカメラマンさんから聞いた「撮影テクニック」の話。
大家族密着企画でのお約束ハプニング=「子どものおねしょ」を撮りたい時には、前の晩に大家族に「すいか」を差し入れすると、子ども達がバクバク食べて翌日…という事がたまにあるらしい。

それが「起きるか?起きないか?」はタレントやディレクターが「持ってるか?持ってないか?」次第。

【番号58 Cx (Complex) …コンプレックス】

貧富。美醜。学歴。音痴。運動オンチ。東京と地方 etc
「恵まれていない人が恵まれている人に抱く格差」も企画になる。
この「人のコンプレックス」を企画に落とし込む場合大きく「2種類」ある。

① 「妬み」や「憧れ」
美に憧れる人が生まれ変わる「整形番組」。
田舎VS都会のトークバトル。     〜など

② 「諦め」や「自虐」
貧乏自慢企画。
音痴や運動オンチを笑う企画。(「○○ヘタ王」系)
栃木vs群馬の自慢バトル。(「自分より下を叩く」パターン)

有名な話ですがディズニーのキャラクターやハリウッド映画の登場人物などには必ず何かの「コンプレックス」(弱点)が設定されているそう。
それぐらい「人から愛される」にはこの「コンプレックスの使い方」が決め手。

【番号59 Fm (Family) …家族】

家族をゲームに参加させるなどの「家族対抗」パターン。
または「仲の良い有名人の集まり」(アッコファミリー・竜兵会・UUUMファミリーなど)を使った企画も。

「家族対抗○○合戦」の「○○」を考えていくと企画になる。
例:家族対抗「全財産」鑑定合戦、家族対抗「親戚に凄い人」合戦〜など


【番号60 Ex (Exotism) …異国情緒】

外国人をスタジオに集めて「日本のおかしいところ」をつっこむ討論番組や
若手俳優が世界の僻地にホームステイ   など。

これも2パターン。
① 世界から来た人をいじる企画
・「YOUは何しに日本へ?!」
・「ニッポン!スゴ〜イデスネ視察団」
・「世界に人に納豆食べさせてみた」的な動画

② 世界に行った日本人をいじる企画
・「こんな所に日本人」
・「アナザースカイ」もそれを追体験する企画

ここからの60番台は「人の肩書き」に関する元素が多くなってます。この「人」もコンテンツを構成する重要な要素です。

【番号61 Wi (Wiseman)…賢者】

番組の「良心」。
現代のテレビ界では「池上彰さん」「林修さん」など。
また「医者」「弁護士」「軍事評論家」「教育者」などの専門家や、バラエティ番組のひな壇に用意された「アナウンサー枠」も。
動画コンテンツでは「解説系ユーチューバー」がこれに当てはまります。

VTRで視聴者を怖がらせた場合「医者」や「弁護士」などはその後の情報で「希望」を与える役割をします。

彼ら「Wi」も、色んな物と組み合わせれば企画が生まれます。

例:
池上彰が考える「恋愛番組」
林修が「お店のコンサル」を行う企画   〜など

【番号62 Hi (Historian)…歴史家】

日本史や世界史に詳しい「歴史家」もそうですが、「24時間テレビ」における「徳光さん」的な、ある世界での「生き字引」もコンテンツを面白くする大事な要素。

例:
さんまさんが語る「平成芸能史」  
張本さんが語る「プロ野球史」       など。

【番号63 Ar (Artist)…アーティスト】

文字通り「ミュージシャン」から「絵描き」、現代ではプロジェクションマッピングなどの「デジタルアート系」まで。

動画コンテンツでも、異質なアーティストの映像が良くバズります。(ラテアート、パラデル漫画、ドローンアートなど)

【番号64 Lr (Locked room)…密室】

密室は「人の本性」をあぶり出すのにはもってこいのシチュエーション。
密室に閉じ込められると人は「本性」を見せるものなのです。

例えば「恋愛リアリティショー」など…
台本がなくても、一つの部屋に閉じ込めると出演者が自分から考えて動く、つまり自己演出するようになる場合があります。(いつもは積極的ではない女の子がカメラの前でなにかしようと思って自分からデートに誘ってみたり)

これも「密室」というシチュエーションが生み出す面白さです。

また、視聴者にとっても「のぞき見感覚」の「密室劇」は興味深いもの。
モニタリング企画など、閉ざされた空間で起きている事ほど見たくなります。

映画だと「SAW」「CUBE」などの「ソリッドシチュエーションスリラー」が「Lr」に当てはまります。

この「密室で何をするか!?」「どんな目にあうか!?」「誰を閉じ込めるか!?」を考えると企画が生まれます。

【番号65 Ot(otaku) …オタク】

アイドルやアニメなどのいわゆる「オタク」を含めた「愛好家」のこと。
「マツコの知らない世界」に出てくるようなその道の「マニア」も。

芸能人の「Ot」を集めると「芸能界○○部」(カレー部・鉄道部)などの「ユニット系企画」が生まれます。

【番号66 Dk (Drunker) …千鳥足】

「酔っ払い」もコンテンツを生み出す要素の一つ。
お酒は「さあ本音で喋って下さい!」という振りを生み出す「装置」になります。(例:「ダウンタウンなう」の「本音ではしご酒」)

あとは「新橋駅前の街頭ロケ」など「Dk」のサラリーマン(特にお父さん)に取材すると本音が聞けます。

企画にするときは「アルコールハラスメント」にならないように、また飲み過ぎないように注意が必要です。

【番号67 Ak (Akiko wada) …アッコ】

「和田アキ子」さんそのものを指しているのではなく、アッコさんに象徴されるような「大御所」「ご意見番」の事を指します。

また、動画コンテンツにおいては「リーダー」や「プロデューサー」など「トップダウン」で企画を走らせる「絶対的権力者」を指します。

【番号68 Gt (Ishimatsu guts) …ガッツ】

これも「ガッツ石松」さん本人を指すのではなく、ガッツさんに象徴される「元スポーツ系ならではの天真爛漫さ」を持つ人を指します。

今なら、「松岡修造さん」「浜口京子さん」「丸山桂里奈さん」など。

【番号69 St (Saint) …いいひと】

こちらは「汚したくない」天使系の人達の事。
有名人だと「さかなクン」や「みやぞん」的なキャラクターを指します
また「高校生クイズ」の参加者や「甲子園球児」(高校サッカー)なども汚したくない人達の一種です。

ハリウッド映画だと、主人公が覚醒するために、この「天使役」が意図的に傷つけられたりします。(「飼い犬が殺されて暴走する殺し屋」「妊婦の妻が殺されて良心のタガが外れる刑事」 など)

【番号70 Wo (Wonderful man) …びっくり人間】

「身長2mの巨人」とか「超軟体人間」とか文字通りの肉体的な「びっくり人間」を見る事が少なくなった現代のテレビ界。

「凄い記憶力の持ち主」とか「天才少年」とか「大食い」とか、オリンピックのアスリート達「超人」もこれに含まれます。

…こうやって見ていくと「人間こそ最高のコンテンツ」なんて思ったりしますね。

ここからの70番台は比較的「ネガティブ」な元素が多いのですが、そんな「負」もまた企画に「光」を与えてくれる「前振り」となります。

【番号71 Qt (Quick Temperd)…ブチギレ】

「人は一体、何に怒っているのか?」「何をすると人は怒るのか?」など「怒り」の感情を企画に利用する。
映画界だと近年のトレンド「貧困層・下流層」の「怒り」など。

これも「誰に怒ってるか聞くのか?」次第で企画になります。
(幼稚園児が怒ってる事・ユーチューバーが怒ってる事  など)

出来れば最後はモヤモヤが晴れて「スッキリ」するような企画を心がけて。

【番号72 Ba (Barrier)…障壁】

「遠距離」「国境」「年の差」「性差」など、何かと何かを隔てる障害を企画に使います。
(例 クイズ年の差なんて・男と女の常識バトル・ここが変だよ日本人)

また、映画やドラマなどは「乗り越えるべき障壁」
ゲーム配信動画などでは「何度も挑戦しないとクリアできない難しいエリア」など。

【番号73 Ra (Reaction)…リアクション】

体張り系動画はまさにこの「Ra」の連続。
「おじいちゃんのリアクション」「幼稚園児のリアクション」「動物のリアクション」「外国人のリアクション」など「誰のリアクションに期待するか?」で企画が決まります。

【番号74 Pi (Pinch)…絶望的状況】

サバイバル企画で「資金が底を尽きる」
試合直前なのに「課題がクリアできてない」
100回アタックしてるのに「ラスボスが倒せない」
など、主にチャレンジ企画の「山場」を演出する方法です。

【番号75 Fa(Failure) …失敗】

「一度失敗した人の復活劇」「失敗か?成功か?」チャレンジなど「できれば最後に成功を…」と祈りながら見られる企画が良い。

また失敗は「教訓」も多く「失敗から学ぶ」(しくじり先生)などの企画に応用できます。

また「失敗ばかり」を集めた「失敗集」も笑える動画として人気。(ペットや赤ちゃんなどの微笑ましい系)

【番号76 Md (Medicine) …特効薬】

「Ba」障壁や「Pi」危機的状況や「Fa」失敗を克服してくれる「よく効くくすり」のこと。

例:
「弱小相撲部が一勝できるか?」企画の場合、試合の前日に白鵬が教えに来てくれる。
「世界一周ヒッチハイクの旅」企画の場合、人気アーティストが応援歌を作って現地まで来てくれる。
〜など。

【番号77 Sc (Scapegoat) …犠牲】

太宰治の「走れメロス」だと「妹の結婚式に出る代わり」に「期日までに帰ってこなければ親友が殺される」
そんな「何かを得る」ために「賭ける」「払う」もの。

これを企画に落とし込むと…
例:
賞金がもらえる代わりにチャレンジ失敗したら「秘密を暴露される」
5人のうち4人しか旅行に行けないので一人がお留守番。誰が犠牲になるか?決める。   〜など

フォロワーが減る事を覚悟で「謝罪動画」をあげる…も「Sc」の一種です。

【番号78 Sl (Sell out) …裏切り】

トーク番組で「仲間を売る」(チクる)
恋愛リアリティショーで、一人だけ抜け駆けする。  
などこの「Sl」は企画に使うと「人間性」が出ます。

また、誰が裏切り者か疑心暗鬼のままゲームが進む「人狼」も「Sl」の一種。

【番号79 Me (Metaphor) …比喩】

「あだ名」を付けたり、たけしさんの「見立て」芸もこの一種。
(デカい2人に挟まれた小さい人を見て「捕まった宇宙人じゃないんだから」〜的な)

今一番ホットは比喩が「KING GNUの歌い出しみたいに繊細」(千鳥・ノブ)


【番号80 Mr (Meddler) …おせっかい】

「埼玉のイメージを上げてあげたい!」とか「○○が引っ越したのでお祝いしたい!」(といってメチャメチャにする)など、一応の善意から発進する企画。
企画の始まり(動機)に困ったとき、何かと使えます。

【番号81 Tp (Town page)…タウンページ】


今では家庭でもあまり見なくなった「タウンページ」。
バラエティの元素記号では様々な職業が掲載された「職業図鑑」の事を指します。
TBS「ジョブチューン」「がっちりマンデー」テレ東「ワールドビジネスサテライト」などなど「職業」をテーマにして考えても企画が生まれます。
広い意味では「スポーツ選手バラエティ」(CX「ジャンクスポーツ」)「ミュージシャンバラエティ」(テレ朝「関ジャム」)も「職業系バラエティ」と言えます。

また、動画コンテンツの「夜店の屋台のくじ、当たりが出るまで引く」も「職業系バラエティ」の一種です。

職業図鑑をパラパラめくりながら企画を考えてみましょう。

【番号82 Dm (Damn)…罰当たり】

「食べ物を粗末にする系」(例:メントスコーラ)や「異常なまでのムダ使い系」(例:1000万円の外車を買って痛車に改造)など苦情が来るような企画。

自分では中々出来ないモノ=非日常を見せてくれるのもテレビや動画の良いところ。
やり過ぎないよう加減次第ですが、この「Dm」を上手く駆使すると広く語り継がれるコンテンツが生み出せるはずです。

【番号83 Lg (Legend)…伝説】

テレ朝「黄金伝説」ですでに実践&検証されていますが、「○○伝説」の「○○」を考えると企画になります。
また、江頭2:50さんの言う「1クールのレギュラーより1回の伝説」のように、何年も前に1度しか放送してないのにキャプチャーされてネット上でバズリまくる…そんな「伝説的シーン」は全ての企画者の憧れでもあります。

【番号84 Fs (Festival)…祭り】

「正月の福男に参戦!」「イッテQのお祭り男企画」のように既存の祭りをフィ−チャーしたもの。
また「○○祭り」の「○○」を考えていくと新しい「イベント系」企画が生まれます。

【番号85 Sd(Stadium) …スタジアム】

「スタジオ」で「観覧客の前で戦うスタイル」の企画。
かつて、「スタジアムで夫婦ゲンカする」企画がありましたが、衆人環視の方がいつもよりヒートアップするんでしょうね。
また、「踊るさんま御殿」も出演者にとってみたらトークという戦いを行う「スタジアム」です。

…とこのように「Sd」はあらゆるモノを「格闘技化」する元素です。

【番号86 Lc (License) …資格】

広くは「医師」「弁護士」「教師」「調理師」など「資格を持つ事で権威化された」存在を軸にした企画。

また、「クイズアタック25」の「パリ挑戦権」獲得のように「何かに挑む資格」を賭けて参加者を競わせたり…などの演出に使います。

また、「今この世に無い資格」を考える事で「新しい仕事」が発明されます。


【番号87 Rg (Revenge) …復讐】

古くは「義経伝説」「忠臣蔵」ちょっと古くは「北斗の拳」のように人は「復讐モノ」が好き。
要は「アベンジャーズ」です。

ドラマや映画などの物語として、この「Rg」を題材にしているモノは枚挙に暇がありません。

また、テレビに出られなくなった&テレビから冷遇されたタレントが「動画」で注目を浴びるのも現代においてはこの「Rg」の一種でしょう。

【番号88 Ci(Chicken race) …チキンレース】

元々は「チキン=臆病者」かどうかを試す「根性試し」の事。
バイクで「フルスロットルでどちらが壁ギリギリまでブレーキかけずにいられるか?」が有名な根性試しです。

ぐるナイの人気企画「ゴチになります!」もサブタイトルは「グルメチキンレース」と言い「設定金額ギリギリ&自腹にならないよう、他の人よりギリギリの金額まで食べられるのは誰か?」を賭けた根性試しです。

このように「死までの距離」「死までの時間」「自腹までの金額」など、「どんなギリギリの状況」で「何をするか?」を考えれば企画が生まれます。

【番号89 As (Associations) …連想ゲーム】

出演者に「ナイナイ岡村さん」と「ドランクドラゴン塚地さん」と「アンガールズ田中くん」が入ったんで「西遊記の設定でロケしよう!とにかく西にしか進まないという企画で!」など「連想」からも企画が生まれます。

【番号90 P (Producer) …プロデューサー】

「プロデューサー」は、現場においては「出演者や演出家のやった事の責任を取る人」の事ですが、企画を考える際には「トップダウンで絶対的命令をする人」という存在として使います。
古くは、ドリフターズの「いかりや長介」、電波少年における「T部長」
AKBグループにおける「秋元康」先生。
ユーチューバーで言えば「ラファエル」など。

この「P」を「企画の出発点」にすると、他の理屈は要らなくなります。

ここからの90番台は「職業」「肩書き」に関する元素が集まっています。
基本的にはこれらの元素は「何かと組み合わせる」事で企画になるモノばかり。
では…

【番号91 K (King)…王】

「クイズ王」「歌唱王」「東大王」「うんちく王」など「ナンバーワン」を「超一流」が競い合う「○○王」系企画。

この元素の弱点は「余りにも使われすぎているために、これだ!と思いついてもよく調べると意外と被り企画が見つかる」点。

なので「意外性のある物」と組み合わせて…。

【番号92 Cy (Company)…隊】

「ある程度の統率がとれた集まり」の事。
「掘り下げ隊」「世直し隊」「見っけ隊」「おとどけ隊」「訪ね隊」「買い取り隊」などなど。現在「隊」を使うテレビ企画がぞろぞろ…。

この「○○隊」の「○○」を考えると企画が生まれます。

こちらも、余りにも使われすぎているので「被り」に要注意です。

【番号93 Te (Teacher)…先生】

「しくじり」+「先生」=「しくじり先生」のように、意外なモノに「先生」を組み合わせると企画になります。

例:
「ゲス先生」「前科先生」「フワちゃん先生」「ナダル先生」「先生の先生」などなど。

【番号94 Hr (Hero)…ヒーロー】

あるジャンルの中の「英雄」を見つけたり、生み出したりする企画。

例えば「世界を救う○○ヒーロー」の「○○」を考えると企画になります。
「世界を救う!こどもヒーロー」…凄い「こども」を紹介する番組
「世界を救う!犬ヒーロー」…働く「犬」を紹介する番組   など。

【番号95 Bu(Busters) …バスターズ】

こちらもちょっと過去の番組を調べただけでも「追跡バスターズ」「ニュースバスターズ」「迷惑バスターズ」「空き家バスターズ」「テレビバスターズ」「フェイクバスターズ」などなど多数。

このように、ベースに「お困り」「お悩み」のあるジャンルに「バスターズ」をつけると企画になります。

【番号96 Ce (Chef) …シェフ】

「シェフ」に象徴される「料理人全般」
常に新しいモノが求められる「料理番組」というジャンル。

ちなみに「料理企画」は
① 「グルメ企画」(食べる事に重きを置いた番組)
② 「レシピ企画」(作る事に重きを置いた企画)
に別れます。

この元素「Ce」を駆使すると「ゴチになります」「帰れま10」に次ぐ「料理系」名企画は必ず生まれるはずです。

【番号97 Hu (Hunter) …ハンター】

既存の番組でも「タイムスクープハンター」「怪魚ハンター」「100万円クイズハンター」などなどが存在します。

元素記号95「Bu」(バスターズ)で使えるモノはだいたいこの「Hu」でも使えます。

【番号98 Ld(Leader) …リーダー】

「○○のリーダー」の「○○」を考えると企画になります。

例:
「幕末のリーダー」(歴史番組)
「未来のリーダー」(日本の未来をリードする人を発掘する番組)


【番号99 Pl (Professional) …鉄人】

伝説の番組「料理の鉄人」のような「完全無欠のプロフェッショナル」が主役の番組。

「○○の鉄人」の「○○」を考えると企画が生まれます。

例:
「クイズの鉄人」「キャンプの鉄人」「ハワイの鉄人」などなど。
比較的「メジャー」なモノとの組み合わせが相性良いかも。

【番号100 Ta (Tamer) …調教師】

「一筋縄では行かないヤツ」を「手懐ける」達人のこと。
誰が相手でも面白くしてしまう「明石家さんま」さんがその代表格です。

さんまさんが「子供を手懐ける」…あっぱれさんま大先生
さんまさんが「ポンコツ芸人を手懐ける」…お笑い向上委員会
さんまさんが「暴走学者を手懐ける」…ほんまでっかTV

このように「Ta」調教師は相手がどうであれ「コンテンツの主役」になります。

ここからの100番台は、コンテンツでもめったにお目にかかれない「レアアース」がいくつか集まっています。基本的にはこれらの元素も「何かと組み合わせる」事で企画になるモノばかり。では…

【番号101 Ma (Machine)…マシン・装置】

恋愛バラエティ「あいのり」の「ラブワゴン」が「世界一周しながら恋をしたい若者が入れ替わり立ち代わり乗り込んで来るワゴン」というように、「Ma」は企画を面白くする「装置」のこと。
お笑い企画で言うと「爆笑レッドカーペット」のベルトコンベアとか「細かすぎて伝わらないモノマネ」の「床が抜ける装置」とかは「ゴングショー」の「強制的に閉まるカーテン」の進化形です。
こう考えると、フジテレビは「装置」的コンテンツを考えるのが上手。(「ハケ水車」とか)

よく企画に使われるタクシーも企画的には「金額」を「距離」に換算する装置ともいえます。
そう考えると出川さんの「充電旅」の「電動バイク」も「人々の優しさ」を「距離」に換算する装置です。

ピタゴラスイッチなど、「Ma」そのものが企画になっている場合もアリ。

まずこの「装置」から考えると企画が生まれる事があります。

【番号102 Dr (Doctor)…医者】

文字通り「健康番組」の医者はもちろん、この「Dr」は「何かを治す(直す)人」と捉え、企画にできます。
・家庭を治す人 ・人間関係を治す人 などの「相談人」企画など


【番号103 Ni (Niggard)…守銭奴】

「お金のためなら何でもする」という強烈なモチべーションを持った参加者の事。
お金のために「絶対売る」「どんな危険な事でもする」人を対象にした企画に使います。
また、動画で人気の「屋台のくじ全部買う」などの「あこぎな金儲け告発企画」もこれの一種。

物語で言うと「ナニワ金融道」「カイジ」など。

【番号104 Ds (Destiny)…運命】

既存の番組で言うと、ちょっと調べただけでも
「運命の3DAYS」「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」「運命GAME」
など、企画の世界においてはスタンダードな元素。

「人生の今後」を決める「ポイント」に焦点を当てた企画や、元素記号4の「Lk」(運)に委ねるゲーム企画など。

また、役者など「父親が演じた出世作の役を息子が演じる」などの「因縁めいた出演」も作品を面白くする「Ds」がもたらす効果の一つ。

【番号105 Pf(Profile) …履歴書】

スタジオ企画でタレントの履歴書や年表、グラフなどのパネルを使ってトークする場合がありますが「Pf」履歴書には1枚に「情報」が沢山詰まっているのでこれが成立します。

ユーチューバーが動画で自分を知ってもらいたい時、ワンショットで延々話していますが、あれもこの「Pf」の一種。
企画に落とし込むなら
・「車の履歴書」 …カーナビを遡り、どこへ行ったか検証する企画
・「傷の履歴書」 …体中の傷がどうやって出来たか思い出を話す企画
〜など。

【番号106 Ca (Chance) …チャンス】

企画にハプニング性を与える起爆剤
「ボーナスチャンス」「アタックチャンス」など。

勝負が付いたのにもう一度対戦を許す「泣きの一回」などもこの亜種。
この際「土下座」することで「Ca」が得られる場合が多い。

【番号107 De (Demonstration) …見せしめ】

バンジージャンプの前にマネキンを飛ばしてボロボロになるのを見せるとか、これからある事に挑戦しようという人物に対し主に「恐怖」を煽る役目で使う演出技術。

【番号108 Lf(Legal force) …法的効力】

「法律の縛り」をいかにギリギリまで攻めるか?を考えたら企画が生まれることがあります。
・外国籍の船の上でカジノをする企画
・免許証の写真、怒られない範囲で面白く撮ってみる企画
〜など

【番号109 Do (Domino) …ドミノ式】

「これがこーなる」と「あれがあーなる」
「トーク番組で話が転がっていく」時は基本この構造。

ロケ企画だと「アナタより○○な人紹介して下さい」企画が代表的。
(アナタより美人・アナタよりお金持ち etc)
他には
・アイテムをどんどん豪華なものに交換する「わらしベ長者企画」
・家族がどんどん繋がっていく「ファミリーヒストリー」もこの構図。

映画やドラマなどの物語だと
映画「パラサイト」のように「不測の事態」が更なる「不測の事態」を呼び…という具合に物語が転がっていく構図。

【番号110 Rl(Reversal) …一発逆転】

これもコンテンツを面白くするための「盛り上がり」要素。
「競馬の最後の大勝負に全財産を賭ける」
「潰れそうなお店が、再起を賭けて番組に応募してくる」
「戦力外通知を受けたスポーツ選手が再起を賭けてトライアウトに挑む」
など、企画の背後に「哀しみ」をうっすらと含んだものが多いですね。

【番号111 Qr (Quarrel)…ケンカ】

「喧嘩」を「エンターテイメント化」する事で企画が生まれます。
出演者に対立関係を作ることは、よく使われる演出の一つです。
トーク番組でも、あるテーマに関して賛成派と否定派に分けることがあります。
また「夫婦喧嘩」とか「タレントの不仲」をそのまま取り上げるパターンも存在します。

「朝まで生テレビ」などの討論番組も「論理的な喧嘩」をエンターテイメント化したものといえます。
「夫婦喧嘩」「コンビ喧嘩」「県vs県の喧嘩」「親子喧嘩」「ファン同士の喧嘩」「先輩後輩の喧嘩」などなど。
その際、殺伐としたモノにならないよう、必ず「エンターテイメント化」が必要です。

【番号112 Mp (Making peace)…和解】

これは111番の「Qr」ケンカと対になる元素で「和解」を企画にするものです。
「長年の確執を和解する企画」「謝りに行く企画」「和解の手紙」など。
また、反発していたものが最後に仲良くなるというのは物語の基本です。

【番号113 Jm (Jumbling)…異種配合】

あえて「遠かったり」「真逆」のモノを「合わせる事」で新しいコンテンツが生まれます。
番組ではありませんが、冷たいアイスに熱いスイーツを合わせた「ひやあつスイーツ」など…たま〜にホームランが飛び出す事も。

例えば
「有名企業社長と無職を旅させる企画」
「肉食動物と草食動物が雨宿りする物語」など。

ちなみに原子番号の113番は「ニホニウム」
たまたま偶然ですが「Jm」異種配合のように「色んな文化を合わせるのが上手な日本人」が発見しました。

【番号114 Q (Quiz)…クイズ】

これは説明不要。
この世の全てのモノはクイズになります。
太古の昔から存在する元素のため「何をクイズするのか?」
それが永遠の課題です。

【番号115 Ga(Gap) …ギャップ】

「メイク前・メイク後」や「子供の頃・大人になって」などギャップも企画になります。

企画に落とし込むと…
「芸人の相方同士の格差を検証します!」
「嫁と旦那、お昼に食べているモノこんなに違う!」
「国民的アイドルと地下アイドルの生活比較」など

【番号116 Bi (Bingo) …ビンゴ】

実は、どんなものでもビンゴにできます。
例えば…
・街ブラ企画で様々な髪型の人を探し出す「髪型ビンゴ」
・街で見つけた「外国人の出身国」ビンゴ
・「買い物カゴの中身ビンゴ」
などなど。

【番号117 Cl (Call) …キメゼリフ】

「ゴチになります!」「アタックチャ〜ンス!」
「ファイナルアンサー?」「ノーマネーでフィニッシュです」
「新婚さん、いらっしゃーい!」
などなど。
この「キメゼリフをどういう場面で言わせるか?」そこから考えても企画は生まれます。

【番号118 L(Love) …愛】

さあ、バラエティの元素記号、現在まで発見されているものの最後は「愛」
全ての企画にはこの「L」愛が必要です。
視聴者への愛。フォロワーへの愛。スポンサーへの愛。出演者への愛。スタッフへの愛   〜などなど。
「このコンテンツにはどんな愛が込められているか?」是非、番組や映画を観るときに、見つけてみて下さい。


以上、118コの元素記号を紹介しました。

2020年2月現在、実際の原子番号も118まで。
今、こうしている間にも世界中の科学者が119番目の元素を発見しようと頑張っています。
この「バラエティの元素記号」の119番目を見つけるのは、たくさんたくさん、テレビや映画、動画を見まくって「面白さの本質」に気付くことの出来たアナタかも知れません。

〜と一旦締めましたが、ここからがこの元素記号の本当の使い方。

この「バラエティの元素記号」を使えば、アカデミー賞映画などの人気のコンテンツも分解できます。

詳しくはこちら!

他にも、この「バラエティの元素記号」はそれら同士を組み合わせ「新企画」を生み出す時にも使えます。

詳しくは…


をご覧下さい!

今後も当連載では、バラエティの元素記号を使って、新しいコンテンツを実際に創って行く予定です。(ゆるーく笑)

それでは!長時間おつきあい頂き、誠にありがとうございました!





ありがたいことに、皆様がお買い上げの商品に含まれている広告費からすでにギャラを頂いてますのでサポートは無用です。どうぞ他の方をサポートしてあげてください。