まえを向いて歩けないときがある

「ちゃんと前を向いて歩きなさい」

下向いて歩いていたり、よそ見してたり、最近では歩きスマホでしょうか。そんなことしていたら、飛んできそうなこのフレーズ。

目的地を目指す上で、行き先とその道にあるものを見据えて歩みを進めるのは安全・確実であり、当たり前といわれることかもしれない。ただ道を歩くだけでなく、人生も「前を向いて」というフレーズにより前向きな思考で暮らしていくことがよいとされることが多い。

でもどうしても視線を横だったり、下だったり、向けたくなる瞬間や場所ってないかなと。(道路を歩いているときなら、あぶないんだけどね。)

私にとっては、必ずある場所を通るときだけ上を見る。

なぜか?


「車が飛んでくるかも?」


って思い上を見る。

数年前、深夜歩いて家に帰る道中、大きな道路のスロープのガードレールを突っ切った車が、下の道路を歩いていた私の目の前に飛んできた。まさしく優雅に「飛んでいた」。大きな音がした瞬間、私は上を向き、その音の主である車がゆっくりと飛び出し、そして落ちてくるのをじっと見ていた。

落ちてきたのは数メートル先という目の前。

運転手さんは無事で、何事もなく、警察は私がすぐ近くの交番まで呼びにいったのですぐに対応していただけたのだけど、私のそのときの説明は、

「車が飛んできました。」

警察の方々もよくわからず現場に来てくれました笑

そのときからその場所を通るときは必ずその突き破られたガードレールがある場所を見ながら歩いてしまいます。もはや無意識に近い。

特段おもしろくもなく、だれかが大きな被害を受けたわけでもないできごとでも私の視線をいつまでも拘束し、前を向けなくさせる。

人生でもっと衝撃的な出来事や、しんどいこと、悩み、よくわからないといった出来事はみなさんにもたくさんあると思います。そのことによって前を向いて歩けないことが起きたり、前を向けないから歩み出すこともできないこともあると思います。それくらい様々な出来事は私たちを縛ります。でもその影響や縛り方は人によって違うので、他人からはなぜ前を向けないのか、よそ見をしているのか理解されないかもしれません。

毎日いろんな出来事が起こり、前を向きたくないことが起きることもたくさんある時代だなと感じています。もし前を向けていない方がおられたら、まずはその人が向いている方向を一緒に見てあげることと、その人が前に向けない間に前からやってくる危険を一緒に回避してみることが、前を向かせるより先に必要なことかもしれないなと思います。


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