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BtoBマーケティングは問い合わせ導線の種類を増やしたほうが獲得案件数は増えるのか。実データを活用して検証した結果を公開

おはようございます。

SUPER STUDIOのCOOの花岡です。

SUPER STUDIOはSaaS×D2Cを軸に事業を展開しておりますが、今日は法人向けECプラットフォーム「ecforce」のBtoBマーケティングのお話です。

僕たちがBtoBの大型マーケティングを行う上で超実務的なところですごく悩んだブランドサイトのファーストビューで問い合わせ導線が多いほうが良いのか、少ないほうが良いのか問題についてデータをもってある程度の答えが出せたのでその全貌をnoteに公開しようと思います。

実データを元に公開していますので、BtoBビジネスを展開している企業様や、これからBtoBマーケティングに本腰を入れようとしているマーケターの方々の参考に少しでもなれば幸いです。


いつも通り結論から申し上げると、

問い合わせ導線の種類を増やしたほうが生み出せる商談数(126%)は増加する。ただし、見込み度の低いリードが増えるためインサイドセールスの対応工数(231%)も増加する。それを許容できるなら増やしたほうが良い。

です。

中身について解説していければと思います。


1. 問い合わせ導線の種類と獲得できるリード数と案件数の関係

SUPER STUDIOでは本格的にマーケティングを実施していなかったこともあり、法人向けECプラットフォーム「ecforce」のブランドサイトにも「問い合わせ」の導線しか存在しない状態で長らく運営してきました。

しかし、以前の記事にも書いたとおり、2021年6月よりタクシー広告を配信を機にブランドサイトのCTAに「資料請求」と「無料トライアル」の導線を追加し、詳細なデータ分析を集計を行いました。

【Before】問い合わせのみ

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【After】問い合わせ+無料トライアル+資料請求

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こんな感じで問い合わせ導線を増やす前と後の獲得できるリード数と案件数の関係性について実データの一部を公開し、解説していければと思います。

改めて、以下のような前提でデータ分析していることを頭に入れてもらった上で見てもらえるとスムーズに数字が頭に入ってくるかと思います。

(1)6月からタクシー広告を配信しているため、指名検索数が倍増している。

(2)6月のタクシー広告と同時にCTAを「問い合わせ」に加えて、「資料請求」「無料トライアル」を追加している。

(3)リードの質の議論を極力無効化するためにリード数はオーガニック経由のオンラインリードのみでデータを比較する。
※広告で獲得していない純粋な商標リードのため質が比較的安定している。


では、さっそく実データ公開。

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導線が「問い合わせ」のみだった4ー5月は、だいたい指名検索数の約1%がリードとしてコンバージョンしていました。案件化率はだいたい平均で約80%と高水準。

一方で導線が「問い合わせ」、「資料請求」、「無料トライアル」の3つになった6ー7月は指名検索数の約2%がリードとしてコンバージョンするという結果となりました。案件化率についてもざっくり約40%に低下。


指名検索に対するリードのCVRが2倍になったかつ、タクシーの認知広告を配信したことで指名検索数が2倍になったこともあり、オーガニック経由のオンラインリード数単体で見ると4倍の結果となりました。

しかし、そこから生まれた案件数はというと、上記の図の通り、だいたい2倍となっています。


「あれ・・・?」


勘の良い人だと気づかれたのではないでしょうか。

オーガニック経由のオンラインリード数だけを見ると4倍になったと一見、素晴らしい結果に見えるのですが、そこから生み出された案件数は約2倍止まりになっています。

BtoBマーケティングで本質的に重要なのは最終的な契約数の増加です。その前段である案件数をどれだけ生み出せるかが大切なわけです。

認知拡大によって指名検索数が2倍になったのだから、案件数が2倍になるのは当たり前ですよね。

そんな極端に増えたわけではないということがわかりつつも、2倍とか、4倍とか超ざっくり指標でみているので、今度は仮に導線を増やさなかったときの数字をシミュレーションしてみて、一桁単位でしっかり数字を比較していきたいと思います。



2. 導線を増やさなかった時のリード数と案件数をシミュレーションし実データと比較

上記の通り、過去実績のデータを活用して導線を「問い合わせ」のみのまま、タクシー広告を配信した場合の結果をシミュレーションしてみました。

<シミュレーション前提>
(1)CTAが「問い合わせ」のみのときのリード数は指名検索数の約1%
(2)オーガニックのオンラインリード数の約80%が案件化する

この条件でシミュレーションしてみた結果が以下になります。

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導線が「問い合わせ」のみだった場合は、指名検索数の約1%がリードとしてコンバージョンするため、6ー7月で110件のオーガニック経由のオンラインリードが入ってきたはずだと考えられます。

オーガニック経由のオンラインリードの質は大きく変わらないため、案件化率は約80%で案件化できたと仮定すると、6ー7月で案件数は88件生み出せる計算となります。


導線を「問い合わせ」に加えて「資料請求」、「無料トライアル」を追加したときの案件数の実績値は111件なので、比べると +23件の案件化ができたということになります。

シミュレーションの結果、BtoBマーケティングで導線を増やすことで、増やさなかったときと比べて約126%の案件数を生み出せたという結果になりました。


ただし、忘れてはいけないのは獲得したリード数が増えるということは、それを対応するインサイドセールスの工数が上がるということです。


単純に見てもらっても分かる通り、実績値とシミュレーション時のリード数は6−7月で実績値は254件であり、シミュレーション時の理論値は110件であることから、工数的には約231%と倍以上に増えており、これはインサイドセールスの工数が単純に倍増していることを意味します。

インサイドセールスの工数が231%になるのに、獲得できる案件数は126%止まりということをどのように見るかは企業によってわかれるのかなと思います。

成長率をコミットする企業と、効率性や利益率を重視する企業とで判断が分かれるのかなとは思いますが、個人的には大型マーケティングをうつということはそもそもCPAがあわない前提なのだから、その費用対効果を少しでもあわせにいけるようにチーム全体が責任をもって動ける組織が強いとは思います。



3. BtoBマーケティングで問い合わせ導線の種類を増やすことでなぜ案件数は増加するのか

実データでみても問い合わせ導線の種類を増やすと、獲得できる案件数も増えるということ言えると思いますが、その理由についてマーケティングを実際やっている経験から考察できればと思います。


当たり前すぎることですがBtoBであっても、問い合わせてきてくれているのは人間です。しかも、仕事を行っている上で何かしらの課題や目的をもってサイトにランディングしてくれているはずです。

今回は商標によるオーガニック経由のデータのみを使っているのでより、特にそういったお客様がランディングしてくれているはず。


課題の悩み度合いや目的の明確さ、BtoBマーケティングを実施する側の表現で言えば、見込み顧客レベルはバラバラなユーザがランディングしてくれます。

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・既にいろいろ噂を聞いており、直接問い合わせてみたい
・問い合わせるまではいかないけど、資料はみたい
・すぐにでも導入検討の結論を出さないといけないわけだから、すぐに使ってみたい

そのため、問い合わせや、資料請求、無料トライアルといった顧客の見込み度合いにあわせた導線を設置しておくことで、何かしらのアクションをしてもらいやすくなります。


もちろん、BtoBマーケティングを実施している側としては「問い合わせ」経由のリードのほうが圧倒的に案件化率、受注率も高いわけなので、「問い合わせ」にてユーザアクションを実施してほしいというのが本音です。


BtoCマーケティングでは、”勢い買い”や”ながら買い”というものが存在する事実もあり、実際、緻密な戦略を練って複雑な導線を設計してしまうと、逆にCVRが低下するという事象がかなりの頻度で発生します。

そのため、BtoCマーケティングでは問い合わせや販売までの導線は極端にシンプルにすることがCVRを上げる上でのセオリーだったりします。


しかし、BtoBマーケティングにおいて、勢い買いというユーザアクションは存在しにくいと思います。ユーザ心理としてそもそも仕事でアクションしているため、勢いやノリで選ぶことはあまりなく、課題や目的をもって行動しているため、すごく合理的なアクションを取るのだと、強く実感しています。


そういった点でBtoCマーケティングとは少し異なり、BtoBマーケティングではより本質的に顧客ニーズにあわせた導線設計が如何にできるかがポイントになると今回の結果から学びました。



4. BtoBマーケティングでは導線の種類を増やしつづけていくべき理由

導線の種類を増やすことは、本質的に顧客との接点の数を増やすことだと僕は思っています。

今まで、僕たちは見込みレベルの高い顧客だけにアプローチすることを注力してきたので効率は非常に良かったのですが、それではアプローチできる顧客層が狭いため、すぐに限界がきてしまいます。


より多くの顧客に知ってもらうためには見込みレベルの低い顧客(潜在層)にもしっかりアプローチし、プロダクトに興味を持ってもらえるようにアピールしていかなければなりません。

ただ、そもそも見込みレベルの低い顧客との接点がないと、アプローチしても顧客にアクションしてもらうことは中々難しいです。マーケットシェアを取っていくということは、幅広い顧客層に対する接点を多数持ち、認知を拡大していくことになると思います。



5. さいごに(BtoC&BtoBマーケター募集中というお話。)

僕自身、D2Cのブランド運営を行っている身として、BtoCマーケティングもデジタルマーケティングを中心にガッツリやってきましたが、SaaSのBtoBマーケティングを経験して思うことは、BtoCよりBtoBのほうが答えがわかりやすく存在するという風に感じています。


あらゆることをデータドリブンに判断していけるので、個人的にはBtoBマーケティングのほうが好みです。笑


SUPER STUDIOは、これからSaaSとD2Cをかけ合わせた総合的なマーケティング活動を展開していきます。

大規模なマスマーケティングからデジタルマーケティング、オフラインまで幅広く実施していける仲間を募集しています。

マーケティングの全体戦略は僕自身も深く関わっていますので、一緒に働くことになると思います。経験者のみの募集にはなりますが、かなりエキサイティングな戦略をデータドリブンに実行していきますので、ご興味ある方は是非、ご応募お待ちしております!

以上、よろしくお願いいたします。

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