【まいぶっく16】落花生は どこになる?~ピーナッツ なんきんまめ らっかせい
もうすぐ節分。節分と言えば「豆まき」
「年の数だけ」しか食べられなかった豆。「もっとたくさん食べたい」と、思っていた幼いころがなつかしい。
今なら、「年の数」なんて 食べられない。だいたい 豆を何袋買ってくればいいのか。
北海道人の私が 節分でまく豆は、「落花生」だ。
他の地域の多くは、「いった大豆 をまく」 ということを、かなり大きくなってから知った。
「おにたのぼうし」 の 豆をまく音が 「ぱら ぱら ぱら ぱら」 なのも納得だ。 落花生なら、「ばら ばら」「ばち ばち」 という感じになる。
落花生は、あの からから した「から」の中から「ピーナッツ」が出てくるもので、どうやって できるのかなんて 考えたこともなかった。(木の実だと思っていた節もある)
ところが、ある日 手にとった「かがくのとも」(1987年10月号)「ピーナッツ なんきんまめ らっかせい」を見ておどろいた。
「落花生」って 「畑」で栽培されるんだ!(木になるのではない!)
さらに、よく読むと、花がしおれた後、その根元からのびてきた「とがったもの」が 地中に入り、その先に豆ができるというのだ。
落花生って土の中にできるんだ。
収穫は?・・株ごとぬいてひっくり返すと・・おおおおお すずなりの豆が・・・・
* * *
落花生に興味がわいた私。
次の年、たまたま手に入った落花生の苗1株を、1坪ほどの畑のかたすみで栽培してみることにした。と言っても、植えた後は特別な世話もせず、ピーマンやトマトの間に埋もれていたその苗。
そして収穫。そろそろいいだろうと抜いてみることにした。
あの「かがくのとも」のページを思い出して、どきどきわくわく。
すずなりの落花生といよいよ対面だ。
そーれ!!
あれ・・・・
あれ・・・
落花生はどこ??????
1つ・・・2つ・・・・・
すずなりではなく
なっていたのは、たった 2粒 だった。
寒冷地で、特に手もかけずにいたのだから、当然といえば当然なのだろうけど、
がっかり・・・・
私の中で「落花生を育てよう。」という気持ちは、消え去ってしまった。
* * *
それから何十年か後。
知り合いの農家の方が、
「落花生、今、ゆでたの。食べてみて」
と、ゆでた落花生をもってきてくださった。
落花生といえば、あの堅い、いわゆる「ピーナッツ」しか知らなかった私。初めて、ゆでた落花生を食べてみた
「お、お、おいしい!!!!!」
甘くて、豆の味がしっかりして、いくつでも食べられそう。「乾いた(?)のよりおいしいかも。」と、すっかりファンになってしまった。
私が2粒しかならすことができなかった時から何十年かたち、近くの農家でも、落花生が栽培されるようになってきているようだった。
* * *
そしてこの3年。畑仕事に力を入れられるようになった私は、もう一度、落花生栽培に挑戦してみることとした。
今度は、寒さ対策に、苗を植え付けたら小さなビニルハウスを作って保温した。
1年目 おおお なったなった。「2粒」よりは多かった。
2年目 写真撮るのを忘れる。でも1年目より少し多かった
そして3年目(去年)
わーい!たくさんとれたよ。
これは収穫後すぐゆで、小分けにして冷凍した。少しずつ楽しんで食べた。
ピーナッツ なんきんまめ らっかせい
(かがくのとも傑作集)
こうやすすむ 文
中島睦子 絵
福音館書店 2011年
読んでいただき ありがとうございました。