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春を感じる時~ZOOMで読書会 その30

30回目の「ZOOM読書会」。
学生時代の友人「🐰さわ」と 私「🐻くば」が 本を紹介しあっています。

今回は、「春を感じる本」という共通テーマです。
 
 読書会をしてから記事にするまでの時間が 2ヶ月以上も 空いてしまい、季節はずれのテーマになってしまいました。

過去の読書会はこちら


☆🐰さわ☆

<テーマ>春


1 はなをくんくん ルース・クラウス

冬眠から 動物たちが目覚めます。まだ雪がたくさん積もっている中を 走っていく動物たち。ずっと、モノトーンの場面が続きます。そして、動物たちが見つけた鮮やかな黄色の小さな花。

春が近づくわくわく感ドキドキ感。雪からの解放感。この絵本を読むと 伝わってきます。

私の感じる「春」というのは、雪が積もっている状態で、「あれ、少し溶けかけてきたかな」って思えるとき。
車道は溶けているんだけど、歩道にはたっぷり雪がある。そんな時、マンホールからチョロチョロと雪解け水の流れる音が聞こえてくると、「ああ春だなあ」と感じる。

この絵本の小さい黄色い花は、私にとっては 薄い黄緑のふきのとう。
ふきのとうって不思議なことに、毎年ある日突然 そこにあるのに気づく。
ふきのとうが出てきたら、たとえ雪が積もっていても、もう完全に春だと感じる。


2 ふきのとう 甲斐 信枝

自然科学絵本を たくさんつくられた 甲斐信枝さんの絵本。

何十年も身近で見てきたふきのとうのことを何も知らなかったと改めて思いました。
花に白と黄色があることも、白が雌で黄色が雄なんていうことも。綿毛なんてあったっけ?

力強い地下茎。あー、これだけは知っていました。
一度、庭のふきのとうを抜こうと、ひざを痛めながら闘ったけど、次の年、無駄な闘いだったことを知りました。痛めたひざは回復しなかったのに。

最初のページの景色が好き。私が感じる春です。
「おひさまが はるだと いってるよ」って ちゃんと書いてあります。
雪の降らない地方の方なら、この景色で春は感じないかもしれないけど。


ふきのとうには、私にとって大事な大事な思い出があります。

「おかあちゃーん、ふきのとうとってきたよー」
と、満面の笑みで 玄関から我先にと 走りこんでくる子どもたち。
「ありがとー!」
と、とびきりの笑顔の演技をする私。

「あーあ、今日も ふきのとうの天ぷら 作らなくちゃならないのか―」

でも、子どもたちがふきのとうを持ってこなくなってしばらくたつと、かけがえのない瞬間だったのだと知りました。毎年、ふきのとうを見るたびに幸せな気持ちになるのです。


3 たのしいムーミン一家  トーベ・ヤンソン

「そういえば、ムーミンが冬眠から覚めたところから始まるお話あったんじゃないかな」
そこで、手に取ったこの本。

ムーミングッズは結構好き。眼鏡ケースはリトルミィ。
アニメも少しだけ見たことがある。
でも、本は?そういえば読んだことなかった。雑誌の特集とかで知っているつもりになっていたけど。

この本で春の話は、最初の一話だけ。冬眠から目覚めたムーミン谷の仲間たちのお話。

でも、春の話は少しだけだけど、一冊まるごと春のような穏やかさ。
いろいろとおかしな事件は起こるけど、何となく穏やかな感じで解決していく。
「えっ!それでいいの?」と思うような解決もあるけれど、読んでいるうちに、「まぁ、いいんじゃない。」と、納得してしまう。

キャラクターがみんな個性的、ちょっとそれはないんじゃないという行動をとることがあるキャラクターに対しても、「まぁ、いいんじゃない」と、思えてしまう。

ようやく悪役登場と思った飛行おにの、なんと度量の広いこと。飛行おにへのお願いのほほえましさ。

穏やかで、温かい。そんな世界だけど、キャラクターの性格や起こる事件は面白い。
シリーズ全部読むことにしました。



🐰春が来たのを感じるのは、桜が満開になった時より、雪があるときなのよね。
🐻そうそう、私も一番最初に春を感じるのは、2月の日差しなんだよね。そして3月に 今まで雪の下で見えなかった排水口が、見えるようになって、チョロチョロと水の音が聞こえると、春だよと嬉しくなる。
🐰うん、積もっている雪の状態も変わってくるよね。

🐻私もムーミンが好きで、何年もずっとムーミンのゲームやってるよ。そのゲームでキャラクターの名前を覚えた。ムーミンバレーパークに行きたいなあ。
🐰ええ!それどこにあるの?
🐻えええと・・・飯能はんのう市というところにあって・・・関東・・茨城とか栃木とかにあるみたい(あやふやな記憶)。

(ムーミンバレーパーク 埼玉県でした)


☆🐻くば☆

<テーマ>春だ春だ春だ

待ちに待った春がやってきた。
お日様はやさしいし、花壇にはいろんな芽が出てきたし、何より車の運転が楽になったのがうれしい。

今回は春を感じる本です。

1春の妖精たち 奥山多恵子

カタクリ、エゾエンゴサク、ニリンソウ・・ まだ春の早い時期に花を咲かせる野草たち。
これらは、スプリング・エフェメラル(春のはかない命)と言われるという。
この野草たちは、なぜこの時期に花を咲かせるのか、そしてすぐ姿を消すのかを描いた科学絵本。

就職してすぐのころ、(今よりもずっと)田舎に住んでいた私。野草を見て歩くのが大好きだった。

今まで、ただの「草」でしかなかったものには、「名前」があり「命」があり、「表情」があるということは大きな発見だった。
(たくさん野山を歩き、野草の名前を覚えたが、今はほとんど覚えていないのが残念。)

特に、雪が溶けて春先に咲く花がお気に入りだった。それらはみな小さくて、他の草がおいしげっていない時期なので、すぐ発見することができた。
(夏になると、大きな草丈の野草がでてくる)

この本によると、これらの背が低くきゃしゃな花たちが、まだ寒いうちから咲き始めたのは、ほかの植物たちと競争して生き残るために考えついた思い切った作戦だという。

植物(動物)の、「子孫を残す」という一点にかける知恵や工夫、力にはいつも驚かされる。


2 桜守のはなし  佐野藤右衛門

「桜守(さくらもり)」の佐野さん。日本全国を歩き、桜のいのちを守る仕事をしている。
桜が満開なのは、3~5日。実は残りの360日が桜にとっては大切。傷ついた桜の手当てをし、桜の新種をさがす。1年間の佐野さんの仕事を写真でおった絵本。

我が家にも桜の木があり 毎年花を咲かせるし、桜の植樹も何度かやったことはある。
でも、桜の種の発芽率は低いとか、種から育つ桜はたった3種で、他は人間が「接ぎ木」をする だとか、知らなかったことがいっぱいあった。

何よりも、あのきれいな桜が毎年咲くのは、こうして愛情をかけて桜を守っている人がいるのだということがわかった。


3 ふゆのあとには はるがきます 石井睦美 あべ弘士

初冬から真冬、そして春。北国の森と動物たちの様子を描いた絵本。

ゆきむしが とんでる

「ゆきむし」からお話が始まっているのが、おおいに共感できたポイント。
毎年、「ゆきむし」を見ると「ああ、もう雪が降ってくるよ。冬になっちゃう」と 冬の始まりをしみじみ感じてしまう。

しんと しずかなあさは、そとは いちめんのゆき、というしるしなのです

これも とってもよくわかる。ある朝、目が覚めると 昨日までと様子が違うことが 窓の外を見なくてもわかる。車の通る音が静かだし、明るい。「ああ、雪が積もってる。」と、布団の中で思ってしまう。

そして春。

もりの木のねもとのゆきが すこしずつ とけだし まるいわができました。

春まだ早い森の中、雪は、まず木の周りから融けていく。
昔、「木があたたかいから 周りからとけていくんだよ」と教えてもらった。さわってみて「ほんとだ、木ってあたたかいんだ」と驚いたことは忘れない。
木も生きているということを実感した体験だった。

晩秋から早春にかけての私の想いや実感を そのまま表してくれた絵本だった。



🐰私も、花や草の名前がわかったら楽しいだろうなと思って 花の図鑑買ったんだよね・・続かなかったけど。
🐻笑 私も 昔一回名前覚えたんだから、またすぐ思い出すだろうと思ってたけど、そんなことはなかったよ。
🐰そういえば、昔、先生が子どもたちに 花の名前教えるお話 あったんだけど、あれ 何の本だったかなあ。
🐻うーん、たかどのほうこさんの話に、たくさん花の名前が出てくるのがあったけど・・あれは先生じゃなかったかあ。
🐰先生だったかどうかは ちょっとあやふやなんだけど、なんの話だったかなあ。


※私が思いついたのは、この本。のはらのすきなおばさんが、こどもたちとのはらを歩く話。いろいろな草の名前が出てきます。




昨年の秋、初めてスノードロップの球根を植えた。

幼い時、何度も繰り返し読んだお話「森は生きている」に出てくる「雪割草」が、スノードロップのことらしいと知ってからずっと育ててみたかった花だ。


そして今年3月末。
まだ8割以上雪が残る花壇。
ふと、気がつくと、その雪を割って伸びている緑色のものがある。近くにいってよく見ると・・・スノードロップだ!なんと花も咲いているではないか。

写真が下手でなんだかわからないですよね。雪を割って咲いていたスノードロツプです。


雪を割って芽を出し、花まで咲かせるとは、なんて強い花なんだろう。

上の写真から2週間後。




読んでいただき ありがとうございました。