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息を深く吸えるところって? - 秘密結社「喫煙所」(第1通目)

この記事は、素直さと向き合おうとしているふたりが、答えのないことを問い続けていく文通マガジン『秘密結社「喫煙所」』の第1通目です。お互いの記事を読んで、文通のように言葉を紡いでいきます。

秘密結社「喫煙所」

タオさんへ

素直さと向き合うのって、ほんと難しいよね。

おそらく、人それぞれ持っている素直さは、誰かに話したところで、わかりあえるものではないのだと最近は思ってる。

話してみて「そういう気持ちわかるわー」ってなりやすいことだったら、葛藤はあまりないんだろうね。ときに社会性と相反することや不合理に思えることなどがあるから、「こんな自分って大丈夫なんだろうか?」と悩むんだと思う。

素直さって、本来は理由なく「ただそう思う」ってことなんだよね。突き詰めたら、なんとなく好きとか、心地良いからとか。

だけど、社会や他人はそこに理由を求める。だから、不安になって、その気持ちを隠そうとしたり、頭を使って考えた、それっぽい理由を並べることになる。そうして、素直な自分と剥離していく。それが苦しさなんだろう。

とはいえ、好き嫌いは何かとの比較になりやすい。「これが好きだけど、あの人より自分は詳しくない」「この人は嫌いだから自分より下のレベルだ」とか。なぜか比べてしまいたくなる。嫌いだとしても、下げて攻撃する必要はなくて、遠ざけておけばいいのに。

確かに、比較せずに好き嫌いで考えるのはむずい。そこで、"息を深く吸えるのか"という基準みたいなものが良いんじゃないかと思う。これは落ち着く。これは息苦しいなとか。

以前おすすめした「水中の哲学者たち」というエッセイは、タオさんにとって、すごく腑に落ちた本だったのかなと思ってて、この"息を深く吸える感覚"というのが、この本が好きなら伝わりやすいのかなと思って。

俺にとっては、クローズドなコミュニティや夜中に文章を書き殴ること、最近体験した木彫なんかは、息が深く吸える感覚があったかな。

どういうときに息を深く吸えるって思う?

・・・

あとがきと猫(飼ってない)

文通企画の名前は、秘密結社「喫煙所」とした。こじんまりした集まりが好きだから怪しいだろうけど、わりと気に入っている。

昔から喫煙所が好きだった。普段はタバコを全く吸わないんだけど、「吸ってくるわ」っていう人についていって、たまに1本もらいながら(ありがたや)話し込む時間は"生きてる"って感じがした。

喫煙所でする会話って、なんでもない話ばっかりなんだけど、なんか居心地が良いと感じるんだよね。お互いに息を深く吸えている感覚があって。実際は、けむいんだけど。

現実でも喫煙できる場所が減っているように、それぞれが息をしやすい場所って、意識しないとどんどん減っていくような気がしている。

だから、タオさんと俺、そして読んでくださった方が、息を深く吸える場所を考えていくためにも、まずは書くことから始めてみたかった。

いつまで続くかわからないけど、速さに巻き込まれやすい社会だからこそ、それぞれの心地よいペースを見つけながら、この文通企画で答えのないことを問い続けたいと思ってる。

【今回の問いに対する返事】

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