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老後のお金に不安を持つ50代が、株や投資にふみきれないのはなぜだろうか

最近会社の同僚と老後のお金について話す機会がある。私の会社は定年が60歳から65歳にのびるという噂はあるものの、未定である。となると私たちの場合あと2年くらいで定年という大きなライフイベントを迎えることになる。

お金に関しては、周囲に、株や投資で利益を上げている人がいる。後輩が「アメリカの株はおいしいですよ」と言っていた。ビジネス系の雑誌に「投資で増やす」「株で儲ける」というような文字が書いてあると気になって買ってしまう。

昨年、給料の保険料率が変わるほどサラリーが減ったことや、仲良しの先輩から退職金の金額が「思ったより少なかった」と聞いたりして、入るお金が少ないなら、たまっているお金をどうにか増やしたいと思う。
お金が増える話はものすごく興味がひかれるし、むしろ気にならない人はいないだろう。

銀行の定期預金に預けても、金利が低くて利息がほとんどつか無いことは分かっている。でも株や投資信託のような元本保証されていないものには手が出ない。仲間も、まとまったお金を預けるのは絶対損しないものに限る、と言う。

なぜ手が出ないのだろうか。理由は2つあると思う。

1 バブルを経験して痛い目をみているから
2 固い貯蓄が好きな国民性だから

1つめの理由
私が社会人になったころの37年前は、株価はゆるゆると右肩上がりだった。だから現在の会社に入社後、疑いもせず、毎月お給料から1万円を持株会に入れていた。そしてバブルが弾けたあと、会社の株価はハラハラするほど下がり、その後も低空飛行を続け、売るに売れなくなった。

1987年は、NTTが株を東証1部に上場した。その時一株の値段が119万7千円で売り出しだったが、直後に300万円を超えた。売り出しの値段も信じられないほど高かったが上がり方もすごく、当時の新聞の経済面をにぎわしていた。
あの頃、30代サラリーマンが億ションを買った、と聞いたこともあった。そんな時代背景があった。

上手な人は儲けたかもしれないが、私のような庶民派は、若かったし手元資金もなかったので、毎月給料天引きで持株会で自社株を買い、コツコツと積み上げた。毎月の1万円で株価が安い時は多く買え、高い時は少なく買い、株数はそれなりになったが、一株あたりの値段は今でも低いまま。
バブル崩壊後もリーマンショックなど色々あり、途中盛り返しもしたが、結局37年たって大損という結果をくつがえせていない。

株は下がったら買い時なのはわかるが、あまりに長い期間が経ちすぎて流石に気持ちが前向きに働かず持株会は退会した。
いまのところ会社はつぶれず継続しているし、株も売らずに持っているが、株って難しい、しかも損するとかなり痛い、と実感している。

2つめの理由
そもそも日本人は貯蓄好きだそうだ。
日銀のデータによると家計の金融資産構成は、日本、アメリカ、欧州との比較でみると
日本は現金・預金が54.2%でアメリカが13.7%。ユーロエリアは34.9%だ。
株式等は、日本は9.6%でアメリカが32.5%。ユーロエリア17.2%となっている。
(資金循環の日米欧比較 - 日本銀行)
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf

私の父はサラリーマンで、両親は仲良し夫婦だったが、一度だけ大喧嘩して母が「離婚する」と言っていたことがある。原因は父が商品相場に手を出したからだ。
商品相場は株より値動きが活発らしい。父が30万円を下ろし、結果もうかったのか損したのかは忘れたが、父も母に泣かれて大事になるまえに売ったのだろう。そんなこともあり、お金を貯めるなら絶対元本保証じゃないとだめ、と母は言う。

そしてうまい話には裏がある、と皆思っている。

色々と検索していたら「リスク耐性テスト」のようなものがありやってみた。80%という結果で、積極的に運用できるタイプ、ということだった。先を見越して公的年金や退職金について調べているからだろう。

株は下がったからといって売ってしまえば損が確定するから、売らなければ良い。一社の株ではなく投資信託ならリスクが分散できるし、放っておけば多分銀行の定期預金よりは結果が良い。そこまで分かっているのに、足踏み状態が続いている。

お金が全てではない。お金さえあればいいのか。
一方で、1万円を稼ぐのは大変である。だから自然にお金が増えるならやり方を知りたい。誰だってお金は増やしたい。

ここまで書いてきて、老後のお金を考えること=お金にコントロールされてしまうのではないだろうか、とふと思った。
そうならないために、金融リテラシー、そして自分の価値観、キャリア等々、勉強することが多そうだ。

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