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息子の受験で、突然 釧路

2月に入って、受験真っただ中の次男が、突然釧路の大学に行きたいと言ってきた。
ここは北関東。
本命は、地元の大学。第二志望だと思っていた。

3月に入り、釧路の大学から合格通知が届く。
すると、10日後の本命の受験を待たずに入学を決めてしまった。

あれよあれよと、手続きに追われる。
入学金を納入する・・・捨ててしまうことになってもいいか…
下宿を決める・・・入学辞退となればキャンセルできるか…
飛行機を予約する・・・キャンセルできるオプションつけておこう…

いつでも引き返せばいい。ぎりぎりまで逃げ腰状態でいながら
とうとう、その日を迎えてしまった。

2022.4.1(金)釧路への引っ越しの日。
母子で釧路に向かう。
北海道を訪れるのは、札幌に続きこれが2回目。

子育て中、家族の住む家から遠く離れることをしなかった分、
ましてや陸のつながっていない地を訪れる不安は、とてつもなく大きかった。

釧路たんちょう空港へは、成田空港から1時間25分。
自分を納得させる時間すらなかった。

眼下に広がる白い世界。滑走路のあちこちに除雪された雪の山。
北海道らしい風景が機内から見えた。

たんちょう空港前では、釧路に生息する動物が出迎えてくれた。

親子グマ 他にもたんちょう、シカ、牛、シマフクロウ

阿寒バスに乗り込み、釧路市内まで45分。
急遽、市役所前で下車し、転入手続きを行った。
営業時間終了30分前にもかかわらず、住民課には人が溢れていた。
今日は4月1日。転入か転出か、証明書交付か。
終了時間を大幅に延長し、職員総出の対応だった。
転入証明は、休日返上で翌日に発行してくれるとのこと。

4月1日 住民課は大忙し

市役所の駐車場に出ると、下宿のオーナーが車で迎えに来てくれていた。
これから私に代わって、息子が頼りにする人。
下宿という選択肢は、現下の国際情勢を考えたうえでの判断だった。
下宿の切り盛りは、娘に継承したという女性だが、さすが雪道の運転は慣れていた。

北海道での初夕食は、下宿から歩いて近くの「釧路食堂」
イクラや甘エビが、丼からあふれ出している写真をホームページで見て決めた。
歩道と道路の境も分からないくらいに、雪は降っていた。
足を踏み出すたびに、きゅっ、きゅっと雪が鳴る。
真っ白なキャンバスに落書き。
二人とも子どものようにはしゃぎまくり。

イクラ丼は、昨今の燃料高騰で1,000円UP!断念…
お約束

夜は、ふとんを借りて私も下宿に泊まる。
想い焦がれた北海道。
次男は何を思い、眠りにつくのか。

釧路湿原

翌朝は、朝から快晴!
夕べあんなに降った雪も、強い日差しにどんどん溶けていく。
下宿の朝ご飯を食べ、近くのバス停から釧路駅に向かった。
予約していた駅レンタで車を借りて、午前中だけの観光、
いざ釧路湿原へ!

私には、ジャストサイズの釧路駅!

車で30分。釧路展望台へ到着。

結構、楽しめます!
たんちょうの生涯が分かりました
幻の魚 ”イトウ”さん

釧路展望台の脇にある遊歩道を進んでいくと
あった、あったー
釧路湿原!

これぞ北海道。しばらくは木立の道。
でっかいどー 北海道!
喉が渇いたので、ひと休み。北海道ではもちろん「よつ葉」

ほぼ半日、湿原を満喫したあとは
いよいよ、下宿での生活に必要な雑貨の買い出しに。
でも、その前に。
帰り道の釧路漁港にあった「釧ちゃん食堂」、サバ定食で腹ごしらえ。

これはおいしい! 塩サバ定食 
これまたおいしい! サバ味噌定食
釧路や根室はサンマ漁港として有名

リーズナブルでおいしいお昼のあとは、今までの穏やかな行程が嘘のような、弾丸買い物ツアー。
ツルハドラッグ、サンドラッグ、ヤマダ電機、DCMホーマック、ユニクロ…
ありがたいことに、釧路市内には大型店が点在している。
半ば、次男とけんか腰になりながら、どうにか生活雑貨をそろえた。
へとへとになった駅への帰り道、辺りはだんだん茜色に。
「あ。夕陽だ。世界三大夕陽だ!」
日の入りは16:53予想。あと15分。
それまでに、ガソリンを満タンにしなければいけない。
初めての地で、ガソリンスタンドが見当たらない…。
泣く泣く、次男だけを幣舞橋(ぬさまいばし)近くに降ろし、ガソリンスタンドを見つけにグルグル。
やっとの思いでガソリン満タン、すっかり日は落ちていた。
レンタカー返却後、待ち合わせの駅前で次男を待つ。
釧路二日目にして、世界三大夕陽を拝んだ次男。
またの機会にお預けの私。

バスで下宿に戻り、オーナーが用意してくれた夕食のカレーライス。
男子下宿で、緊張しながらシャワーを浴びる。
明日はとうとう、次男を置いて自宅に帰る。
今夜は私が、複雑な心境…

次男よ、大きくなれよー

日曜日は、下宿のご飯が出ない日。
それでも、オーナーの計らいで、北海道のミルクパン。
飛行機は午後のため、午前中は、自転車を買いにイオン釧路店へ。
ちょっとその前に、大学見学!
春休み中のキャンパスは、ひっそりとしていた。
これから次男をよろしくお願いします。

あちこちに除雪の山!
あちこちに ふきのとう (もったいない!)

大学前からバスに乗り、イオン釧路店へ。
釧路はバスが充実していて助かった。
イオンの自転車売り場には、次から次へと学生が買いに来ていた。
売り場のお兄さんに、釧路の自転車事情を聴くと、
たくさん雪が降るときは、自転車には乗らず、バスか徒歩になるとのこと。
ノーマルタイヤの自転車にした。
お昼はイオンのフードコート。豚丼に即決!

http://www.tonxton.com/spot-detail/?defaultBaseId=2&shop_id=20001019

これうま!次男は豚肉5枚、私は3枚 こんな大判!

昼食後は、お土産を見つけて、店内グルグル。
せっかくなので、北海道土産ではなく、釧路土産を見つけていると…
あった、あったー。
「丹頂鶴の卵」、「ゆうひ」…。いろいろあったけど、
ここの銘菓に決めた。ネーミングのインパクトも決定打に。


阿寒湖のまりも!
釧路湿原といえば、やちぼうず!
おいしそうだったから…

そうこうしているうちに、帰途につく時間になった。
次男とはここでお別れ。
次男は買ったばかりの自転車を転がしながら、イオン前のバス停まで見送ってくれた。
次男と離れた生活は、保育園のお泊り保育か修学旅行のときだけ。
お泊り保育のときも、あまりの寂しさに、長男と夜の保育園を覗きに行ったほど。
「見送りはいいからね」と言って、バスに乗り込む。
座席についてから、次男の方を振り返ると……
あれ、いない…

もう帰ってしまったー!!

意外とさっぱりした性格の次男。
一人寂しく、帰途につくー。

釧路駅に到着。空港行きのバスまで時間があるため、駅内の売店で、買い残したお土産の調達。

職場の人に喜ばれた さんまんま
おおー!これぞ まりも まりも羊羹
見られなかったけど、買ってしまった ゆうひ

次男は、きっと大きくなる。いろいろ経験してほしい。
一人寂しく、釧路駅を後にした。

また来るからね

釧路たんちょう空港では、次男と空港に降り立ったときにのことを
思い出し、本当にこれでお別れなんだと寂しさがこみ上げてきた。

次男の代わりにみんながお見送り。

親子グマさん、お見送りもしてくれました
お見送りは、たんちょうさんも
おお、イトウさんを連れた シマフクロウさんも
ウシさん親子も。今度はおいしいソフトクリーム食べたいです

定刻、飛行機は成田空港に向けて離陸。

次男を北海道に置き去りにしたような、そんな寂しさだった。

あれっ?まさか襟裳岬?

初めて訪れた釧路。なんだかいい街。
もっともっと知りたい。
観光地だけじゃなく、住民のように、ゆっくり過ごしたい。
また近いうちに、来るからね。
ありがとう、そして、よろしくね。釧路。

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