見出し画像

『WBS』(TX)の“マスク着用”に見た、英断と報道の使命~今こそテレビの、ニュース番組の底力を!~

テレビ東京の経済情報番組『WBS』で、今月1月中旬から出演者がマスク着用を始めたことについてお話ししたいと思います。同番組は1988年放送スタートということで、個人的に同い年で愛着があり、毎週月~金の23:00から放送しているため、一日の終わりに日々とても学びの多い番組としてさまざまなニュースのインプットに視聴しています。

大江ソロ

滝田

キャスターの大江麻理子さん、相内優香アナをはじめ、解説陣の滝田洋一さん、山川龍雄さんら出演者が複数人でスタジオトークする際にはマスク着用を始めたのはとても意味のあることだと感じます。初めてマスクをしているのを観た際は、「あれ!?体調が悪いのかな?」と思いましたが、昨今の感染拡大を受けて各局に先駆けてフットワーク軽く決断し実行に移したのは「さすがテレ東!」といった印象を持ちました。テレ東は各TV局の中でもデジタルコンテンツにも積極的に挑戦するなど、時代の流れや社会の動きをいち早くとらえ、積極的にアクションをおこしていく姿勢がすごいなといつも思っています。

2人

テレ東の情報番組、報道番組ではこれまでももちろん出演者やスタッフのソーシャルディスタンスを確保したり、フェイスシールドをするなどして感染対策はおこなってきましたが、やはりマスク着用ほどの効果はないのだと思います。実際に他局では番組出演タレントの新型コロナウイルス感染は発生していますし、放送を観ていても口元だけ透明なシールドはその効果を疑います。また、ドラマやバラエティー番組はなかなか本番でフェイスシールドやマスクをしたまま撮影することは難しいので、どうしても限界があるというのが現実でしょう。その点で、タレントではない会社員であるアナウンサーや解説者が主な出演者であるニュース番組は、マスク着用を取り入れやすいのではないでしょうか?“テレビの世界は現実とは違うから大丈夫”なんてことはもちろんありませんし、老若男女問わず多くの生活者、視聴者の目に映るテレビだからこそ、『WBS』のようにみんなのお手本となるような感染対策の姿勢を示し、“コロナを正しく恐れる”という意識付けが必要なのではないでしょうか?ぜひテレ東以外のTV各局のニュース番組も、ためらわずにマスク着用を取り入れるべきだと考えています。

相内ソロ

もちろん、ニュース番組でのマスク着用には人によってさまざまな意見があるとは思いますが、テレビというものは、ふと思わずチャンネルを回した際に偶然目に飛び込んでくる良さがあります。これは、自分が観たいコンテンツだけを選んで視聴する「動画サービス」とは異なる点です。例えばニュースを“インターネット”で観るのと“新聞”で見ることの違いではないでしょうか?前者は自分の取捨選択で内容をインプットしますが、後者は違います。新聞は紙のページをめくりながらさまざまな記事を目で追います。その動きにより、自分ではインプットしようとしていなかった記事が目に飛び込んでくることにより、思わぬ発見や新たな気づきが生まれるのです。インターネットはもちろん便利で活用するべきものですが、ここに紙の新聞の良さもあるのではないでしょうか。

画像5

少し話が脱線してしまいましたが、要は地上波のニュース番組は偶然観る視聴者がたくさんいるからこそ、不特定多数の生活者に感染対策の重要性や正しい姿勢を伝えることができます。若者のテレビ離れなどが叫ばれて久しくはなりますが、まだまだテレビは社会を映す鏡でありますし、これだけ一度にたくさんの人々に映像と音声で情報を発信できるメディアはいまだありません。新型コロナウイルスという未曽有の闇が世界を覆っている今こそ、テレビの底力、ニュース番組の使命というものについて、テレ東の『WBS』を観ながら考えている今日この頃です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?