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ちひろさん〜元風俗嬢の風来坊が飄々と生きる様〜

劇場公開&Netflix配信
映画『ちひろさん』を観た。


原作を未読のまま鑑賞した。どこかつかみどころの無いちひろ。映画はちひろをめぐる群像劇と言っていいのかもしれない。

監督は今泉監督、「愛がなんだ」「街の上で」を撮った人だ。やはり「ちひろさん」も同じような印象だった。
日本の映画は元来こういうものだと思う。余韻を残して観ている人の感性に委ねるというか、、それぞれ見方があっていいのだろう。

特に「ちひろさん」では淡々と人々の日常が同じトーンで描かれていて、大きな事件が起こるわけでもなく、激しく怒ったり泣いたりするわけでもない。
ちひろさんは人を否定せず、ありのまま、でも甘やかすことなく、むしろ冷たくもあり、その人のそのままを受け止める人だった。

作中で刺さった''他人にも自分にも期待してない''って言葉が印象的で、これって結構生きていく上で重要なんじゃないかと。期待するのは自分の理想像を相手に押し付けてるだけ。それと異なると「こんな人だと思わなかった」って勝手に被害者ぶる。真にその人のことを知った上で受け入れられる人物こそが「同じ星の人間」なんじゃないか。

同じ星の人。。皆人間という箱に入った宇宙人。。なんだかKIRINJIのエイリアンズを思い出す。


最後に。。

冒頭で公演の猫とじゃれていたが、確固とした己のテリトリーがあってそれを他には侵させず、それでいて自由気ままに振る舞う彼女こそまさしく猫のようだと思った。。

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