カレーよ、ありがとう。カレー活動の記録 2018
2018年からカレー活動を始めた。スパイスの名前もろくにわからなかった自分が、間借りカレー屋をやったり、イベントに出店したり、気が付けばカレーの生態系に取り込まれていた。2018年は、カレーなくしては語る事のできない一年だった。
その一部始終を振り返ってみる。
1月~3月:仲間との出会い、冒険の始まり
この期間に、カレー仲間達と出会えた事が奇跡だったのかもしれない。カレーユニットを組んで、いま流行りの間借りカレー屋さんをやろうぜ!と、ミーハー心全開で意気込み、冒険は始まった。
4月 間借りカレーデビュー!
デビューは、祐天寺での間借りカレー屋。アサリ出汁を使ったキーマカレーを作った。春の味覚であるアサリと、その出汁で煮込んだココナッツミルク入りのキーマカレーです。イタリア料理人時代にアサリという食材のポテンシャルに感銘を受けた事から、このメニューに辿り着いたと記憶している。口の中で砂が少しでも感じられてしまうと、商品として台無しになるので、浅利の完璧な砂抜きに8時間くらいかけた..。
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5月 スパイス料理に頭を抱える
今となってはお馴染みの、大変お世話になっている、池ノ上のバー KOTOBUKIさん。その一周年記念イベントにてフードを担当させていただいた。この時のお題はカレーではなくスパイス料理。お酒を飲みながら美味しく食べて、飲んでのサイクルを促せるようなメニューだ。経験の乏しい我々にとっては、とても頭を抱える案件であった。僕は得意なイタリアン色を全開に打ち出したメニューを考案した。手打ちパスタを打ち、さらにパスタ生地にスパイスを練り込み、タッコーニという形に成形した。ちなみにタッコーニは、「切れ端」や「継ぎ接ぎ」という意味があるようで、カレーユニットの名称と同じなので、我々のコンセプトをさりげなくアウトプットしたつもり。
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6月 カレーもいいけど、みんなティラミスが好き
この時は、チキンカレーを作った。ポイントは、生ハム昆布出汁と、鶏ガラスープを一から取って、煮込み時の水分として使ったこと。生ハム出汁は旨味成分が非常に多く含まれていて、イタリア料理人時代に好きだったアイテム。あと、デザートにティラミスも作った。これは誰もが認めるおいしさで、この日のMVPはティラミスだと讃えられた..カレーよりも。。
こちらの記事に詳しい内容が書いてあります。
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7月 最高傑作バルサミコポークビンダルーとフジロックでカレー狂い
多摩川の河川敷で開かれた某イベントにて、バルサミコポークビンダルーを出した。仕上げに煮詰めたバルサミコソースを入れているのがポイント。今年作ったカレーの中でも最高傑作と言える出来に仕上がった。これもイタリア料理をやっていた時に、タリアータにかけていたバルサミコソースが最高に好きだったところから着想している。振り返ると、カレーにイタリア料理のエッセンスを取り入れる方法が自分のスタイルだという事がわかりますね。
こちらの記事に詳しい内容が書いてあります。
あと、7月はフジロックに行って、狂ったようにほぼ全てのカレーを食べてまとめたら、Twitterでそこそこバズったのも良い思い出。
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8月 俺たちの夏フェス in 池ノ上
HOLIDAYS in The KOTOBUKI Vol.6でフードを担当しました。色々作ったけど、鯖とフレッシュトマトの冷製そーめんは、個人的にも大好きなメニュー。これまたイタリア料理の冷製パスタから着想しています。
バーのマスターの奥さんに作っていただいたフライヤーのデザインが、音楽フェスのタイムテーブル風でアガった。俺たちの夏フェスって感じで楽しかった!
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9月 初のDJイベント、そして決戦の豆くじら..!
自分にとっては、初のDJイベント出店。イベント側からのリクエストがあったので、牛すじカレーを出した。牛すじは、下処理と柔らかくするまでに4時間ほどかかるので案外大変。柔らかくて美味しい牛すじを、いつでも安く買えるコンビニおでんの凄さを実感。
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ずっと目標にしてきた、高円寺、豆くじらでの出店..!本当に緊張したし、ピリピリした日々だった。この時に出した海老カレーを作るために、有頭のブラックタイガーを150尾分くらい剥いて、下処理をして、手がボロボロになったのも良き思い出。おかげでアメリケーヌソースをイメージした濃厚な海老出汁が取れて良かった。メンバーの作ったカレーも爆うまで、台風なのに、お客様にも来ていただけて最高な一日でした。
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10月 イベントラッシュ、肉体と精神の限界を超えろ..!
初の屋外イベントという事で、うきうきでした。外で販売するのは一際楽しかった!それにしても、この日は夏のように暑かった..。
この辺りから、やたらイベント慣れしてきたように思う。お客さんに食べてもらう恐怖感もだいぶ薄れてきて、少しずつ余裕がでてきた時期。
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10月は毎週イベント出店しました。
この時はハロウィンのイベント。記憶ないくらい疲れました。。
上のツイートにも書いてありますが、我々カレーユニットの紙皿カレーにおけるインスタ映え度は、国内でも高いレベルにあるのではないか?という気持ちが芽生え、調子に乗ったりしていたっけ。。恥ずかし!
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毎度お馴染みのKOTOBUKIさんでのイベント。この時は友達のカレー屋さん達ともコラボしました。そして、なんと言っても、この日の目玉はライブクッキング!僕は、茸のリゾットをお客さんの前で作りました。この見られている感、失敗できない感、お客さんの期待の眼差し!ライブってやっぱり最高だなと思いました。このスリルとグルーヴがたまらない。ちなみに茸のリゾットにはイタリア米を使っていて、国産のお米と比べて、アルデンテの食感がたまらなく良いです。
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11月 休息の日々
10月に身も心も削って活動をし過ぎてしまい、心も体も簡単には回復しなくらいのダメージを負ったため、11月は完全にOFFにしましたw
カレーの事なんて一切考えなかったような、心にぽっかり穴が空いたような..平穏だけど物足りない日々でした。
12月 駆け抜けろ、忘年会
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12月は2日連チャンで、忘年会イベント!豚肉のスパイス赤ワイン煮を作り、オプションで、手打ちパスタも出した。今年初頭の自分は「カレーにイタリア料理のエッセンスを入れる」という発想でカレーやスパイス料理を作っていたのだけど、この時期くらいからは「イタリア料理にカレーを使う」という発想で作っていたと思う。でもそしたら、ただのイタリア料理になってしまったんだけどね..もっと追求していきたい。
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まとめ
今年の4月〜12月までで、12回の出店をしました。振り返ると、よくもまぁこんだけやったよなという感じ。一年前の自分からは想像もできない、新しい自分に出会えたような不思議な感覚です。
・同じメニューは作らない
・皿の中で自己表現をする
・原価もきっちり考慮する
事をルールにしている私達。仕事でもなんでもないのに、何度も嫌になったし、落ち込んだし、イラついたし、悩んだりもしたけれど、本当にやっていて良かったと思います。自信も付いたし、実力も上がったと思う。何より34才にもなって、仲良く、わかり合える仲間ができた事が一番の驚きです。年齢を重ねると大抵の刺激には慣れてしまったようで、憂鬱になってしまうくらいチャレンジングな遊び以外は、いまいち楽しくないな〜なんて感じる事が多くなってきた。カレーはまさに憂鬱になってしまうくらいチャレンジングな遊びだった。2018年楽しませてくれて、カレーよ、ありがとう。
2019年も既にイベント出店やケータリングがいくつか決まっていて、今から緊張で辛いんだけど、この調子でやっていけたらと思います。
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