詩小説『引越物語』⑤くろしお金時芋を蒸す
愛犬のたけしくん
義妹の菜摘
そしてわたし凪
今朝は1匹と二人。
夫の正雄が出張でいない朝は、セブンイレブンのさつまいもが朝ご飯となる。
室戸岬の土佐くろしお金時というさつまいもが我が家の推し芋である。煮崩れしにくく、あっさりしていて安い。
うん100点満点。
わたしがトンタンと包丁で切り始めると、たけし君がしっぽを振って足元でクルクルと老犬のワルツを踊り始める。
鳴門金時や紅はるかに比べるとこの芋は甘味が少なく、昔懐かしい味わいのさつまいもだと思う。
そのままだと物足りないと、昨今の芋に慣れた正雄が言うのも決して気難しいからではないだろう。
ふかし芋や芋粥は家庭科の調理実習並に簡単なメニューだが、義妹の持病快癒にはおおいに役立っている。
同居が始まってから、義妹と食事する時はなるべく塩も砂糖も減らしてきた。
料理が下手なわたしができる僅かな愛情表現である。
聞けば先日のケンタッキーは十年ぶり。
菜摘がイオンのケンタに着くなり、カーネルおじさんに「久しぶり〜♡」と話しかけていたのは無理からぬことだったのだ。
わたしは子どもの頃に鶏やチャボを飼っていたからか、肉や骨の形がわかる鶏肉料理がちょっと苦手で、てりやきツイスターにした。
美味しいなあーと鶏の足に夢中な菜摘が羨ましい。
てりやきだって肉なのに何なんだ謎の苦手意識に我ながら呆れる。
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