これだけは必須!!エステサロン経営に必要な法律の知識
競争が激しいエステサロン業界。
次々新しい手法のサロンがオープンする中、世の中の状況もあって閉店せざるを得ないサロンも多くあります。
エステサロンを経営する上で実は気を付けたいのが薬機法・景表法などの法律です。新型コロナをきっかけに新しいビジネスに着手する際にも、必ず知っておかなくてはならない法律です。
この記事では、エステサロン経営に必要な法律の知識について、独立開業と法律に詳しい行政書士が簡単にまとめています。
参考になれば幸いです。
[薬機法(旧薬事法)]
医療品医療機器等法、薬機法、旧薬事法などとよばれるこの法律では、次の3点について注意が必要です。
・アロマオイルなどの効能効果表現
・販売する物品の効能効果表現
・化粧品の製造行為
・効能効果表現
アロマオイルやエッセンシャルオイル(精油)の効果効能として、こんな表現をしていませんか?
・疲れを回復
・血行を促進する
これらの表現は、医薬品にのみ認められる効能効果なので、医薬品でないものには認められていません。
化粧品扱いのアロマオイルの場合でも、効能効果はあらかじめ定められた効果のみなので血行促進などの効果については表現不可です。
化粧品ではない雑品のくくりの場合は、化粧品効果の表現もできないので十分注意が必要です。
・化粧品やサプリメントの販売
エステサロンで化粧品やサプリメントを販売するケースでも、効能効果の表現に注意が必要です。
医薬品として認可されているものではないのに、以下のような表現をするのは薬機法違反となってしまうので注意してください。
・シミが消える
・若返り効果
・生理痛がなくなる
この効果効能表現については、化粧品の場合だけでなくサプリメントやお茶といった食品カテゴリーのものに対しても一定の規制の範囲が及ぶため注意が必要です。
2020年にもエステサロンで「コロナに効果がある」と広告したお茶やサプリメントを販売していたことで書類送検された事例があります。
・化粧品の製造
オイルを調合して販売したり、ボディー用の石鹸を手作りして販売することは薬機法上の許可を得た者しかできません。
具体的には、化粧品製造業許可という許可が必要です。
製造行為には、調合や充填といったそもそもの製造行為以外にも、シールのラベリングや箱詰め作業も含まれますので注意が必要です。
[景表法]
景品表示法上では次の3点に注意が必要です。
・ビフォーアフター写真
・広告内容
・販売価格
・ビフォーアフター写真
実際の効果より大幅に痩せているように写真を加工したり、実際より効果がでるまでにかかった期間を短いように見せて広告することは景表法違反です。
2016年には、小顔矯正施術において、ビフォーアフター写真をウェブサイトに表示し、数回の施術で効果が持続するかのように見せていた業者が措置命令を受けています。
・広告内容
景表法では、薬機法と違った視点で広告に対する規制がかかっています。
客観的に認められた事実でない広告の場合は景表法違反になることを覚えておきましょう。
・販売価格
代表的な違反例として、販売実績のない架空の低下から安く割引しているように見せる二重価格という例があります。
定価30万円のコースが今だけ半額 15万円に!というような表示をする場合には、定価30万円で一定期間販売していた事実を要します。
薬機法・景表法以外にも気を付けるべき法律があります。
[医師法]
医師法第17条には、医師でなければ、医業をしてはならない
というルールが定められています。
医業にあたる行為の具体例としては、医療機器を用いて行う脱毛やアートメイクが挙げられます。
[あはき法]
あはき法は、指圧マッサージ院や鍼灸院といった医療類似行為を行う者に対する規制をしています。
マッサージによる治療は、あはき法で認められた資格を有する者にのみ認められているため、エステサロンで<肩こり治療>など治療効果を広告することはできません。
あはき法に関する記事はこちらからも確認できるので参考にしてみてください。
接骨院・鍼灸院・整体院・カイロプラクティック・整形外科の違いとは?
1分でわかる!接骨院・鍼灸院・マッサージ院の開業手続きの流れ
治す・治療と言ってはいけない?!接骨院・鍼灸院・整体院・カイロプラクティックの広告はここに注意
あはき法だけじゃない!整体院・カイロプラクティックが注意すべき薬機法・景表法
[美容師法・理容師法]
フェイシャルエステについて絡んでくるのが美容師法・理容師法ですが、
美容師または理容師でなくてもできる美顔施術(フェイシャルエステ)はどの程度かという基準について厚生労働省が出している答えがあります。
施術が容姿を整え、又は美しくするために化粧品又は医薬部外品を用いるなど、その業務を行うに当たって公衆衛生上一定の知識を必要とする場合には理容師法または美容師法の対象になる。
つまり、医師でもない、あはき法に基づく資格もない、美容師でも理容師でもない者が行うことができる美顔施術の範囲は、公衆衛生上一定の知識の必要ない簡単なマッサージや肌の汚れをきれいにする程度である限り認められています。
[特定商取引法]
エステサロンで5万円を超える額であり、1か月以上期間にわたる契約を交わす場合、特定商取引法上の「特定継続的役務提供」として規制がかかります。
消費者には契約解除(クーリングオフ制度)、途中解約が認められています。
契約解除の場合、サービス(役務)をすでに受けている場合においてもその対価を払う必要がないことに注意が必要です。
規制の対象は、サービス提供のみならず化粧品・脱毛機器・下着販売など物を購入する場合も含まれるためこの点も確認しておきましょう。
[まとめ]
いかがでしたか。
「法律違反」というパワーワードは営業に大きな損失を与えると共に、信頼を大きく損なってしまいます。
誰も教えてくれないのに、知らなかったでは済まされない知識だからこそ、意識的に知識をアップデートさせましょう。
かなで行政書士事務所でもご相談や広告チェック、セミナー講師の依頼をお受けしています。
コロナ禍で新しいビジネスを考えている方、在宅時間を活用して従業員を教育したい方、ぜひお気軽にご相談ください。
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