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治す・治療と言ってはいけない?!接骨院・鍼灸院・整体院・カイロプラクティックの広告はここに注意

身近な体のメンテナンスとして指圧マッサージ院、鍼灸院、整体院、カイロプラクティックといったサービスがあります。

これらを規制する法律として、「あはき法」という法律があるのをご存知でしょうか。

あはき法の正式名称は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律といいます。


あはき法が規制するのは医療類似行為です。

具体的には、法律の名前にもなっているあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師とそれ以外の医療類似行為を規制しています。

接骨院・整骨院として開業できる柔道整復師については、柔道整復師法が規制しています。(規制の内容は同じ)


この記事では、医療類似行為のサービス提供を行う経営者に必須となる広告規制についてまとめています。


調べても中々はっきりとして答えが得られないマッサージ院や整体といった業界の広告規制について独立開業・法律に詳しい行政書士が解説していきます。


広告の定義ってそもそも何なの?

ホームページなら何でも言って良いのでは・・・?

などの疑問をお持ちの方は、読んでみてください。



知っておくべき法律は?


あはき法などに基づく施術を行う事業を行う場合に、知っておくべき法律は以下の5つです。

・医師法
・あはき法
・柔道整復師法
・医薬品医療機器等法(旧薬事法)
・景品表示法

他にも、特定商取引法などが関わってきます。


広告とは?

あはき法における広告とは、新聞広告、屋外に置くビラ等、施術所に来た人以外の目に触れるものを指します。

施術所内のPOPやホームページ等については、広告制限の対象にはなりません。

ただし、インターネット上のバナー広告、あるいは検索サイト上で例えば「腰痛治療」を検索したときに、スポンサーとして表示されるものや、検索サイトの運営会社に対して費用を払うことで意図的に検索結果として上位に表示される状態にしたものなどでは、バナーに表示されます。

この場合、バナー広告等にリンクしている施術所等のホームページについてもバナー広告等と一体的な関係にあることによって消費者が簡単に見つけられる状態にあることから、広告として取り扱う場合があります。


2021年4月現在、コロナがあって思うように進んでいないようですが、はき法については広告ガイドラインの作成について検討がされています。

まだ検討段階ではありますが先に運用されている医療広告ガイドラインを参考にしているようなので、広告の基準自体が変わるかもしれません。


現状、ホームページは野放し状態かというと景表法に基づく違反事例の指摘はあります。景表法においては広告の範囲はかなり広くなりますので注意が必要です。


これしか広告できません

あはき法、柔道整復師法には、業者が広告できる事項について記載されています。(あはき法第7条、柔道整復師法第24条)


広告できる事項は以下の通り。

一 施術者である旨並びに施術者の氏名及び住所
二 業務の種類
三 施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
四 施術日又は施術時間
五 その他厚生労働大臣が指定する事項


五 の例としては以下のものがあります。

・施術所の開設・再開の届出があること
・予約に基づく施術の実施
・休日又は夜間における施術の実施
・出張による施術の実施
・駐車設備に関する事項


広告できないものの具体例

✕出身校・経歴
✕技能及び流派
✕所属学会
✕適応症(腰痛、肩こり、スポーツ外傷、骨盤矯正、むち打ち等)
✕効能・効用・効果
✕治す・治療などの表現
✕施術方法
✕料金、支払方法


あはき法の罰則

あはき法の罰則には以下のものがあります。

広告規制違反・・・30万円以下の罰金

無資格・無届の医業類似行為※・・・50万円以下の罰金

守秘義務違反・・・50万円以下の罰金

業務禁止命令違反・・・50万円以下の罰金


※整体院・カイロプラクティックのような法的資格制度のない医業類似行為は【医学的観点から人体に害を及ぼすおそれのある行為に限り処罰の対象になる】とされています。(最高裁昭和35年1月25日)


広告表現迷子のための解決方法は?

解決方法はいくつかあります。

・自分で広告規制の勉強をする

・作った広告をプロにチェックしてもらう


まずは、自分で広告規制の勉強をするという方法ですが、施術所を運営しっついくつかの法律をまたぎ勉強もとなると中々大変です。

もちろん、経営者として必要な知識なので無駄にはなりません。


広告規制に関しては勉強するよりも、誰かにお任せしたいな。と思う方は

作った広告をチェックしてくれるプロを探しましょう。


利益を生むために、差別化した広告がしたいのは当然のことではありますが

あまりに過激な広告をしてしまうのも考え物。

違反広告の指摘を一度受けてしまうと、信頼を大きく損ないます。

だからこそ、差別化しつつ適法な広告が大切となります。

かなで行政書士事務所でも、広告チェックは可能です。

もし興味があればご連絡ください。


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