[読書メモ]『THIS IS SERVICE DESIGN DOING』の7章までをざっと読んで面白かったところ紹介!(5章リサーチ編)
【忙しい人向け】個人的に1番面白かったところを先に紹介します。
それは👇
リサーチして、すぐにプロトタイピングしてもいいじゃない!アイデアは、アイデア出しの時だけ考えるわけじゃない!といった具合で、デザインプロセスの「非線型」「反復性」がより、強調されている印象を受けました。Research(調査と分析)、Ideation(アイデア出し)、Prototyping(試作すること)、Implemention(実行すること)といった、個々ののデザインプロセスが、重なり合い、お互いに埋め込みあっています。
個人的には、今まで以上に「リサーチやって、アイデア出して、プロトタイピングして、実行する」といった一直線でプロセスが進む「線形」を否定したな!という感想を抱きました。
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Source: THIS IS SERVICE DESIGN DOING
サービスデザイン4つの大切なコアと全体像 からも重なり合いが読み取れる
*** 本編スタート ***
この本は、全部で12章構成です。5〜7章までを”ざっと”読みましたので、個人的に面白かったところをシェアしたいと思います。なお、5〜7章までの内容は以下のような感じです。
5章 Service Design の「Research」のプロセス、メソッド、事例紹介
6章 Service Design の「Ideation」のプロセス、メソッド、事例紹介
7章 Service Design の「Prototyping」のプロセス、メソッド、事例紹介
※1〜4章までについては、過去記事をご参照ください。
1:(本書での)サービスデザインの4つのプロセス
・Research(調査・分析)
・Ideation(アイデア出し)
・Prototyping(試作すること)
・Implemention(実行すること)
2:デザインリサーチのプロセスについて
1. リサーチの狙いと、リサーチクエスチョンを考える
2. リサーチの計画を考える
3. データを集める
4. 集めたデータを視覚化する、まとめる、分析する(比較する)
5. インサイトを考える
6. 次のステップに進む(違うプロセスにいくか、もう1度リサーチするか)
3:デザインリサーチの成果物について
デザインリサーチは、目的と対象によって、大きく4つに分けられる
4:デザインリサーチの成果物について
・Journey map(サービス利用時の体験変化を視覚的に表現する)
・Kye insights(関係者の本心を視覚的に表現する)
・Persona(関係者の人物像を視覚的に表現する)
・User story(サービスと関係者が関わる素敵なお話を視覚的に表現する)
・System map(アクター同士の関係性やサービス全体を視覚的に表現する)
・Job to be done(関係者が片付けたい課題や仕事を視覚的に表現する)
・Research Report(リサーチ結果をレポート形式で視覚的に表現する)
5:サービスデザインの(デザイン)リサーチについて
サービスデザインの中で、デザインリサーチは、フィジカルまたは、デジタルなサービス・製品に関わる顧客、従業員、関係者の行動を理解することに役立ちます。
デザインリサーチによって、プロジェクトチームは、デザインの対象者に共感し、彼らの実践とルーチンを、きちんと理解することができます。
これにより、チームは人間中心の視点から、プロジェクト全体を通しての仕事が可能となります。また、潜在的には、アイデアやプロトタイプのコンセプト立案時に、リサーチ中に出会った人々を巻き込む可能性もあります。
5-1:目的・狙い・効果に関すること
デザインリサーチによって、プロジェクトチームが 人々の「動機」や「行動」の理由(インサイト)をつかむ
デザインリサーチによって、プロジェクトチームが 人々の「課題」や「ニーズ」を特定し、様々な可能性をひらく
デザインリサーチによって、プロジェクトチームが 思い込みではなく、データとインサイトに基いた意思決定をする
デザインリサーチによって、プロジェクトチームが その対象に共感し、知らない分野に身を置き、彼らの実践やルーチンを学ぶ
デザインリサーチによって、プロジェクトチームが プロダクトやサービスに対する、様々なギャップを埋める
デザインリサーチによって、プロジェクトチームが 新鮮な目で対象を獲え、思い込みから解放される
5-2:プロセスに関すること
サービスデザインを実践していく中で、
・新たな「問い」に気づいたら、リサーチフェーズに戻る
・リサーチのプロセスは、反復する(繰り返される)
・「リサーチトピック」「リサーチ・クエスション」から、リサーチは始まる
・プロトタイピングといったの様々なフェーズでも、リサーチは利用する
・リサーチクエスチョンは、プロジェクトが進む中で、更新し続ける
5-3:定量調査と定性調査に関すること
定量調査は、
・体験の「What」と「How」に関するインサイトを提供する
定性調査は、
・人々の「Why」に対する回答のため、定量データより実用価値が高い
・人々の「Why(動機、欲求)」に関するインサイトを提供する
・普遍的な真実を探す代わりに「たったひとつの真実」を提供する
・「新しい視点」と「絶妙な意味の違い(ニュアンス)」を提供する
6:デザインリサーチのメソッド(簡単紹介)
Preparatory Research:リサーチの準備
リサーチやフィールドワークに出る前に、準備する
Secondary Research:事前調査
既にあるリサーチを集めて、まとめて、概要をつくる
Autoethnography:現場に行く
リサーチャーは、フィールドノート、音声録音、ビデオ、写真などを使って、特定の体験を自分自身で探索し、ドキュメント化する
Online ethnography:オンラインでの調査
オンラインコミュニティの中で、人々がどのような、やり取りをするかを調査する
Participant observation:参加者の観察
リサーチャーは、参加者(関係者)の生活の中へ飛び込む
Contextual interview (contextual inquiry):関係者へのインタビュー
リサーチクエスチョンに関連する状況下で、その顧客や従業員、その他の関係者をインタビューする
In-depth interview:深掘りするインタビュー
突っ込んだ個人インタビューを実施する定性調査のテクニック
Focus groups:グループでのインタビュー
リサーチャーは、グループを招き、彼らに特定のプロダクト、サービス、商品、コンセプト、問題、試作品、広告についての質問するといった、伝統的な定性インタビュー調査のやり方
Non-participant observation:参加者がいない観察
リサーチャーは、参加者との積極的なやり取りなしで、行動を観察し、データを集める
Mobile ethnography:モバイル・エスノグラフィ
スマートフォンを使ってデータを集める
Cultural probes:文化の探査機
参加者は、リサーチャーによって与えられた特定のタスクに従って、情報を集める
Co-creating personas:ペルソナを一緒につくる
参加グループが持っている、そのノウハウを利用して、ペルソナをつくる。
Co-creating journey maps:ジャーニー・マップを一緒につくる
参加グループが持っている、そのノウハウを利用して、ジャーニーマップをつくる
Co-creating system maps:システム・マップを一緒につくる
参加グループが持っている、そのノウハウを利用して、システム・マップをつくる
Building a research wall:リサーチ・ウォールをつくる
壁に視覚的にリサーチのデータを配置することを通して、そのデータをまとめ、分析する
Creating personas:架空の人物像をつくる
顧客、ユーザー、従業員といった、あるグループを代表する良い例となる架空の人物像を表現する。
Mapping journeys:マッピング・ジャーニー
その主役の特定の経験を視覚化する
Mapping systems:マッピング・システム
サービス、製品を取り巻く生態系(エコシステム)を視覚化する
Developing key insights:本質的なインサイトをつくる
チームを横断させるコミュニケーションのために、主要な調査結果を実用的な形式で簡潔に要約する
Generating jobs-to-be-done insights:顧客が片付けるべき仕事
顧客がサービスや製品を使う時の、顧客が達成したい理想を、簡潔に描く
Writing user stories:ユーザーの物語りを描く
顧客やユーザーがやりたいことを、簡潔に記述する。これは、デザインリサーチャーとソフト開発のための要求定義を橋渡しするために利用される
Compiling research reports:リサーチの報告書をつくる
リサーチの過程、利用したメソッド、リサーチデータ、視覚化した資料、インサイトをまとめた報告書をつくる
「5章リサーチ編」の面白かったところ紹介は、以上となります。読者のみなさんの「デザイン学」の底上げに、本記事が少しでも貢献できれば幸いです。
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