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[読書メモ]『THIS IS SERVICE DESIGN DOING』の4章までをざっと読んで面白かったところ紹介!(前編)

【忙しい人向け】一番面白かったところを先に紹介します。なんとサービスデザインの原則が変わっていました!下記の図の通りです。

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この本は、全部で12章構成です。4章までを”ざっと”読みましたので、個人的に面白かったところをシェアしたいと思います。なお、4章までの内容は以下のような感じです。

1. なんで、サービスデザインやるの?
2. サービスデザインって何なの?
3. サービスデザインの基本ツールセット
4. サービスデザインを実施する上で大事なこと

1. はじめに

この本は2011に出版された『THIS IS SERVICE DESIGN THINKING』の続編?みたいな本です。前回が”Thinking”だったのに対して、今回は”Doing”と謳っているだけあり、ツール、メソッド、事例のオンパレードです。1章と2章は、ガイダンスです。3章と4章は、サービスデザインの基本ツールセットや、ダブルダイヤモンドでのデザインプロセスの紹介でした。5章以降では、ツール、メソッド、事例の紹介が、これでもかというくらい連発されます。嬉しいことに下記のURLから、5章、6章、7章、10章のメソッドがダウンロードできるので、興味ある方はダウンロードしてみると良いとかと思います(メアド入力で簡単にダウンロードできます!)
https://www.thisisservicedesigndoing.com/methods

2. 無料ダウンロードの理由を考える

2.1 サービスデザイナーが少ない問題
面白かったところをシェアする前に、なぜツールやメソッドを無料で配布するかの背景について、少し考えてみたいと思います。それは、サービスデザイナーを、世界中に増やさなければならないからだと推測されます。では、なぜ、サービスデザイナーを量産しなければならないのでしょうか?ここに面白いデータがあります。Adaptive Pathが2011年におこなった計算*1 によると、米国では毎年約20億ドルがサービスの計画と設計に費やされ、その内、たった3.5%が「サービスデザイン」として実施されました。そして、残りの96.5%の仕事は、自分自身をサービスデザイナーとは考えておらず、恐らく、そんな言葉を聞いたこともない人が実践したそうです。こういったデータからも、サービスデザイナーを増やしていかなければならいならない事情が伺えます。

*1: Brandon Schauer, presentation at SDN conference San Francisco 2011 and available at Schauer, B. (2014). “The Business Case for (or Against) Service Design,” at https://www.slideshare.net.

2.2 ガチでサービスデザインやると組織変革しなければいけない問題
そして、端から端まで一貫して、ガチでサービスデザインをおこない、素晴らしいサービスを創出し、社会実装し、運用までやりきろうとするならば、外部デザイナー、または外部デザイン会社だけでは、手に負えなくなります。そこにはクライアント社内の協力が不可欠です。例えば、店頭に立つスタッフの振る舞いや言葉遣い、その雰囲気をコントロールするための活動プログラムまで、そのスコープに入ってくるからです。

そういった流れもあり、昨今のサービスデザインをはじめ、ソーシャルデザインはもちろん、デザインシンキングの流れ含めて全てそうですが、組織にデザインシンキングをインストールし、組織の変革(組織のデザイン)をやることが求めらています。簡単に言うならば、そこにいるメンバー全員を創造的な人に変えようという動きがいま起こっています。そのような文脈を考えると、ダウンロード無料は、納得できる話です。(もちろん、本のSPツールの役割もあるとは思います)

2.3 なかなかサービスデザイナーを名乗れない問題
余談ですが、日本のサービスデザイナーに対して、まだまだ敷居の高さみたいなものを感じます。私が学んでいるデンマークのDesign School Koldingでは、サービスデザインに対して、かなりカジュアルなイメージがあります。つまり、わりと気軽に名乗って良い雰囲気がそこにはあります。
例えば、テキスタイルデザイナーがサービスデザインをやったり、インダストリアルデザイナー&サービスデザイナーといった2つの肩書が名刺に書かれたりします。もちろん、市役所や税務署がサービスデザイナーを雇っています。

サービスデザイナーは、もっとデザインの敷居を下げる、もっと気軽に名乗って良いデザインの職業になる可能性を秘めています。そして、課題先進国日本だからこそ、その課題を解決するサービスデザイナーがたくさんいる国になれば良いと思います。

グラフィックデザイナーやプロダクトデザイナーといったクラシカルなデザイナーのように固く権威を感じるイメージではなく、図書館で働く司書さんが、肩書に簡単にかけるレベルでサービスデザイナーはもっと増えることを願っています。
もはや、サービスデザインをありがたっている場合ではないのです。なぜなら、その中身の正体は、デザインシンキングなのですから。

“Service design is the application of established design process and skills to the development of services. It is a creative and practical way to improve existing services and innovate new ones.”(live|work, 2010)

”サービスデザインとは、既にあるデザインプロセスとそのスキルをサービス開発に応用することです。サービスデザインは、既存のサービスを改善したり、革新的な新しいサービスを生み出すための、創造的で実践的な方法なのです”(平野意訳)

追記: 2018.03.04 作者のひとりであるAdam StJohn Lawrence 氏から、リプライがあり、無料ダウンロードの理由を教えてもらいました。答えは、単純でメソッドは簡単に取扱いができて、どこでも見つけること(利用できること)を可能にするためのようです。反対に取扱いが難しい部分(恐らく、実践知みたいなもの)は一緒にプロジェクトをやりながら取り組むみたいな話でした。

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[読書メモ]『THIS IS SERVICE DESIGN DOING』の前半部分をざっと読んで面白かったところ紹介!(中編)に続きます!▶▶▶▶


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デザイナー / リサーチャー。執行役員 SPEEDA CDO(Chief Design Officer)/ DSCLの取締役。 多摩美術大学情報デザイン学科卒業、東京藝術大学大学院デザイン専攻修了。2017年にDesign school Koldingで客員研究員。

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