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【本棚③】『異彩を、放て。: 「ヘラルボニー」が福祉×アートで世界を変える』

私がいつも使っているエコバッグは、ヘラルボニーのアーティスト 佐々木早苗さんが描かれた作品を商品化したもの。スーパーでのいつものお買いものや、IKEAで買った大きいものも入ってしまう、とても便利な愛用品。持ち手のクタクタ感がそれを物語っているでしょ笑

会社で使っているコースターは、ヘラルボニーの小林覚さんが描かれたもの。
コーヒーをこぼしたりしてシミがついちゃったけど、いつもそばにあるのがいいカンジな軽快な作品。

ま、要は、ヘラルボニーの大ファンな訳です。

ヘラルボニーを創業した、双子の松田文登・松田崇弥 兄弟の本を読んだ。

なんだろうな、ヘラルボニーはボーダレスな5次元の世界に行くんだろうな、と感じた。

弟が通っていた生活介護施設や、プロボノとして業務改善を提案したB型就労支援施設の福祉領域とは、明らかに異次元の世界観だ。

「福祉領域を拡張」して、資本主義の枠組みの中で、福祉領域の経済循環を作り出し利益を上げ、正当な対価を届ける仕組みを作り上げている。

障害者を兄弟に持つ、多くのきょうだい児は、学生の頃、進路選択で「福祉」というものを検討したことがあるのではと思う。私もそうだった。
今から思うと、狭い狭い価値観と情報の中で、私は「福祉」というドストライクな道を選ばなかった。私に適性があるとは思えなかったし、あの頃は、今よりももっと閉じた世界で湿った感じがしていた。
就職する際も、「いつか福祉に関わることがしたい」と思っていれば、どこかで交差できるような気がしていた。

気にはなりつつも、ずっと、福祉領域を(かなり)外からぼんやり眺めていた。
なので、ヘラルボニーのような資本主義的な考えの方が私にはしっくりくる。

そして、その仕組みを通して、「知的障害のある人とその周りが幸せになる社会」を実現しようと、選択肢を作ろうと、思想を広げようとしている姿に、胸が熱くなる。

「和顔施」という仏教の言葉があります。
明るい笑顔、優しい微笑みをたたえた笑顔で人に接することが、徳になるという考え方。
いつもニコニコしている弟を見ていて、「知的障害者」は、不要なものを全て削ぎ落として、「本当に大切な本質は何なのか分かっている、シンプルな人たち」なのではないかと思っていた。
彼らからみた「健常者」ってのは、「ややこしく色々考える、単なるめんどくさい人」なんだよねー、もういい加減、本質に気づいた方がいんじゃないのーくらいに思っているんじゃないかと感じていた。

ヘラルボニーなら、パラダイムシフトを起こしてくれるんじゃないかと
本当にワクワクしている!

私は、私のできることを見つける!
どこかでヘラルボニーと交差できたらサイコーだ!

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