【歴史】「ゼロからナポレオンを考察」第一回
有名な逸話が数多くある偉人であるが、なぜヨーロッパの大部分を制覇できるほど強かったのか、詳しく知る人は少ない。
フランス・パリの凱旋門
馬に乗っている自画像
「我輩の辞書に不可能という文字はない」
睡眠時間は3時間
一度軽く調べてみたことがあるのだが、もう一度、ゼロから彼の戦いについて検証していこうとおもう。
シリーズ一回目は、ナポレオンが歴史の表舞台に立った戦いを紹介する。
トゥーロン攻囲戦
トゥーロン攻囲戦とは、南フランスの港湾都市トゥーロンで発生した王党派の反乱に対し、共和派が勝利をおさめた戦いである。
共和制は、君主制ではない政治体制のことである。共和制では、国の所有や主権を、人民または人民の大部分が持つ。
かんたんな概要
機動戦士ガンダムのシャア・アズナブルや、銀河英雄伝説の主人公たちのように、たった一戦で少将まで昇進を果たしたナポレオン・ボナパルト。トゥーロン攻囲戦のあらましを簡単に紹介する。
前任者の負傷を受けて、砲兵司令官となり大尉から少佐に昇格したナポレオン。理想的な砲兵陣地の場所を見つけたものの、無能な上司により作戦は失敗、膠着状況が続く。
司令官が入れ代わる中、ナポレオンの才能を見出した新しい司令官が着任。
最重要地点『マルグレーヴ砦』占領のための砲台を次々と構築。大佐となったナポレオンは新司令官とともに夜襲をかけ、ついに『マルグレーヴ砦』を攻略。イギリス軍を撤退させることに成功した。
ナポレオン・ボナパルトは、トゥーロン攻囲戦における偉大な功績により、24歳にして少将相当である旅団陸将の昇進を果たした。
「どこに砲兵を配置すれば一番効果的か」
熟練FPSゲームプレイヤーでも、どこに地の利があるのか、ちゃんと見出して戦っている人は意外と少ない。
日本の歴史を見てみても、一ノ谷の戦い、桶狭間の戦いなど、地形を活かした有名な戦いはいくつかあるが、そこまで多くはない。ガチンコ勝負、数と数で勝敗を決することがほとんどだ。
当時、戦争の花形である「砲兵」を理想的な場所へと導き、勝利へ結びつけたナポレオン・ボナパルトは、人類史上トップクラスの戦術家と言っても過言ではないだろう。
戦いの流れ
トゥーロンは、フランス王党派を支援するグレートブリテン王国とスペインらの軍隊によって占領されていた。
ナポレオン・ボナパルトは、『ル・ケールの丘』を占領し、岬にある『レギエット要塞』『バラギエ要塞』の攻略を計画した。
トゥーロンの内港と外港を遮断する位置にあり、それらを抑えることで、海からの補給を止めることができた。しかし指揮官は乗り気でなく、わずかな支援しか送らなかったため、『ル・ケールの丘』占領は失敗に終わった。
イギリス・スペイン連合軍は、共和派の攻撃により、ル・ケールの丘の重要性に気づき、頂上に新たに砦を築いて、『マルグレーヴ砦』と名付けた。
レギエット要塞、バラギエ要塞、マルグレーヴ砦、それら3つの小さな拠点は、「小ジブラルタル」と呼ばれた。
ナポレオンは、サン・ローラン高台に置かれた砲台では不十分だと考え、内港西部ブレガリヨンの海沿いに「サン・キュロット」と名づけたもう一つの砲台を構築した。
王党派は、それらの砲台を沈黙させようとしたが失敗。
ナポレオンは、トゥーロン市街攻略のため、周辺地域から砲兵を集結させ、各々6門の大砲を持つ50個隊を揃えた。
ナポレオンは大隊指揮官に昇進し、アレーネの丘に、砦に向けた大砲台「国民公会の砲台」を構築した。
指揮官が代わっていく中、新しい指揮官となったデュゴミエはたたき上げの職業軍人であり、ナポレオンの作戦の長所を認め、すぐに小ジブラルタルの奪取に取り掛かった。
彼は連合軍の軍艦を撃退するために「大いなる港」および「4つの風車」と呼ばれた砲台を次々と構築していった。
デュゴミエとナポレオンの攻撃により、共和派はイギリス指揮官オハラ将軍を捕らえることに成功した。
オハラ将軍を捕虜にすると、デュゴミエ、ラポワプ、そしてナポレオン大佐は、夜のうちに一斉攻撃を敢行した。小ジブラルタルへの攻撃が開始され、戦闘は一晩中続いた。
ナポレオンは負傷したものの、朝には『マルグレーヴ砦』を奪取し、ナポレオンの副官オーギュスト・マルモンは『レギエット要塞』と『バラギエ要塞』に向けて大砲を据えた。敗北を悟ったイギリス軍はそれ以上戦うことなく撤退していった。
フランス革命戦争
『トゥーロン攻囲戦』
1793年9月18日～12月18日
フランス共和国：勝利○
戦力：最大時32,000人
損害：死傷者2,000人
フランス王党派、グレートブリテン王国軍など：敗北●
戦力：22,000人
損害：死者4,000人
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