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食を遊ぶウェブマガジンをつくります。

食卓に愉快な風を。

これは、僕らのチーム honshoku の格言のようなものです。honshokuでは食卓を「食事をする場面」と捉えています。星一徹がやらかした「ちゃぶ台返し」で思い浮かぶ一家団欒(?)の夕食。仕事の合間に同僚と食べる街中華の炒飯セ ット。ひとり暮らしの学生がつくって食べる深夜のインスタントラーメン。それらぜんぶが僕らにとっての食卓だと思っています。そんな食卓で過ごす時間を、すこしでも良い時間にするきっかけを、honshokuではつくっていきたいと考えています。

honshokuがみんなとつくっている食の学び舎「フードスコーレ」は、これまでオンラインを中心に授業を展開。開校から約1年が経ち、僕らにもさまざまな学びがあって、関わってくれている受講生や講師のみなさんとの輪も広がってきました。これからも授業はアップデートを繰り返しながら続くわけですが、新しい試みとして、今年中にウェブメディア(ウェブマガジンという方がふさわしいかも)をつくりたいと計画中です。また来年には、ウェブストアをオープンさせます。このストアはただ食品を販売するようなものではなく、honshokuらしいストアになりそうです。

ところで、食に対する最近の風潮として、食を大らかに愉しむ文化というものが、どうにも薄れてきているような気がしています。食への向き合いかたが決して殺伐としているわけではないけれど、食をとりまく話題が環境問題や社会問題に触れるようなものが多く、みんなが過敏にアタマデッカチになってきすぎてやしないかい、という懸念をもつわけです。

SDGs、フードロス、エコシステム、循環...。あげたらキリがない、最近のこうした地球環境にまつわるさまざまな言葉。食にも繋がっていることなので、フードスコーレでも授業の中で取りあげています。だけれども僕らは授業の中で、これらのストレートニュースを発信したり、数値やデータをなぞるだけの説明をあまりしないようにしています。大切なテーマだということは重々承知の上で、あえてそうしています。むしろそれらのもつ表向きだけの定義をいかに崩すかをたのしみたいのです。

この領域はニュース性の高い話題が多く、SDGsは2030年を達成年度と設定し、まさに今を生きる僕らにとって直近の課題として「やるべきこと」の指標を差し出してくれています。こんな感じですから、SDGsをテーマとしたキャンペーンをテレビ局がおこなったり、新聞雑誌ではサ ステナブルな暮らしとは何かを特集したり。いま周りをよーく見渡すと、そうした話題が急激に増えていることがわかります。そんなに煽られるとやっぱりどうしても気になるものです。

だけど、食卓を愉快にしたい僕らの考えに反して、こうした情報に触れた人が未来を憂い、これまでたのしいと思っていた食生活に萎縮してしまうようなことは、どうしても避けたい。どうしたって重い話題に触れることもありますし、そうしたいわゆる「社会課題」が自分ごとになればなるほど、「環境のために何かやらなければならないのかな」と、急に重い荷物を背負わされてしまう、そんな人が多い気がします。僕らは、何かを背負って気持ちが落ちてしまう人を増やしたいのではありません。

いまも昔も変わらない、ひろく行き渡っている食をたのしむための「知性」こそ、みんなで養えたらと思います。ここでいう知性とは、その時代にあわせて「どうにかして食べる」というようないわゆる「文化」を形成することにもつながる話です。今を生きるぼくたちは、「さて、これからどうやって食べて行こうか」ということを、みんなといっしょに培っていきたいのです。

普遍的とも言える食をたのしむための「知性」の中には、食をふざける、 面白がるなども含まれるべきです。「食べ物でふざけるとはなにごとか!」と思わないで欲しいのですが、もっと食で遊んでいいと思います。ここは語弊なくみなさんに伝わればよいと思います。新しくつくるウェブメディアでは、このあたりを伝えるための努力は惜しまず、さまざまな人たちの知恵と力を借りて、やっていくつもりです。

もっとカラダやココロに素直でいいんでないかい? 大事なことは、自分が食べたいもの、買いたいもの、使いたいものがひとつずつ増えること。そして好きになったものを家族や友だちに薦められたらよし。

やってはいけないことがアタマに詰め込まれすぎると、どんどん食べることがつまらないものになっちゃいます。買いものを萎縮してしまうとか。環境問題について考えることも、そのための情報のインプットも大切だけど、合わせて食を愉しむことは、カラダにもココロにもヘルシーなはずで、その人間活動としての心地よさがあってこそ、環境問題も解決に近くと思うんです。このことは仮説ではありますが。フードスコーレやオープンさせるウェブメディアでそれを実証できればと思います。

目の前のこと、体験したこと、半径30メートルのこと。じぶんが関われるのはたかが知れている。こんなところから食をたのしむヒントを拾えるようなウェブメディアをつくっていきます。この想いに共感してくれるいろんなプロフェッショナルのひとたちにもぜひ協力をしてもらいたいので、お声をかけていくつもりです。

食卓に愉快な風を。というhonshokuの格言の話から始まって、食の学び舎「フードスコーレ」のこと、そして「食をいかに遊ぶか」を伝えるためのウェブメディアを絶賛制作中であること。とりとめもなく書きました。そのせいで読みにくかったかもしれませんが、ここまで読んでくださってありがとうございます。ウェブメディアをつくるその過程は、ここでも定期的に報告していきたいと思いますので、よかったら覗きにきてください。そして、なにかピンときた方は、ぜひ連絡ください。いっしょに食で遊びましょう。

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