クラフトサケとは何者なのか
こんにちは。ヒライユウキです。
家族の創業地である100年の時が流れる家「日詰平井邸」に残された醸造所の復活を目指しています。
先日のニュース。
清酒の製造免許の新規取得が制限される中、どぶろくやその他醸造酒でいわゆる酒蔵としての新規参入がここ最近動きとしてみられます。「ほぼ酒(日本酒)」なんて表現がされる通り、原料もマインドも日本酒の酒蔵に近いところにある、言ってみれば新ジャンルです。
そんな新ジャンルの酒の6つの醸造所が集まって設立したのが「クラフトサケブリュワリー協会」とのこと。
クラフトサケブリュワリー協会とは
makuakeで公開されたプロジェクトページによると、以下のように協会の主旨が書かれています。
なるほど。ちなみにプロジェクトは公開後数分で目標金額の100万円は突破し、現在も支援額を伸ばし続けています。
各種メディアの報道も手伝って熱視線が集まっていますが、プロジェクト本文にもある通り、まだまだ認知されているとは言えない新ジャンル。
なにそれサーモン?
世間の関心はクラフトサケがどんなお酒なのか、というよりもそのネーミングに寄せられている。「手作りの鮭?」「日本酒ってそもそもクラフトでしょ?」というわけです。たしかに。
話はちょっと変わるのですが、私が酒蔵にいた頃に海外向けの資料を作っていて、日本酒の造り手の英訳についてふと疑問に思ったことがあります。
ふつうは brewer(醸造家)で良いと思うんですが、なんとなく、イメージ的に craft man(職人)を使いたい文脈があったんです。
ここで考えてみたのですが brew(醸造)とは craft(手工芸)の中にあるものなのか、それとも別な物なのかということです。答えはよく分かりませんが、日本でも伝統工芸品というと漆器とか、何とか焼の器とか、そういうものをイメージする人が多いような気がします。酒造りは make from だけど、工芸は make of もアリ。細かいけど、こういうニュアンスの違いがあります。
なので、私の中では brew と craft は同居しません。結局、海外向けの資料も表現を変えて craft man は使いませんでした。
新ジャンルはクラフトなのか
話を戻します。
そういう意味でクラフトサケ(craft sake)という言葉自体には、たしかに私も違和感があります。そもそも、直訳すると「手作りの日本酒」ですから、新ジャンルを表す言葉としても、用が足りていません。
でも、新ジャンルがどういう製法でつくられた酒かを知っていれば、妙に腹に落ちる感覚があるのもまた、不思議な現象です。
日本酒の製造技術を基本として、お米を主原料としている。これは「サケ(日本酒)」ですよね。
フルーツやハーブなどの副原料をフレーバーとして取り入れ、新しい味わいのお酒を実現する
…これはたしかに、クラフトかもしれない。
make of だ。
ちなみに便宜上そう表現する時もありますが、日本酒は本来の「米の味」や「米の香り」はしません。発酵過程で別なものになります。これが、私の brew の解釈のコアで、それこそ、よくフルーツに喩えられますよね。酒に原料を感じるものは残らない。
しかしこの新ジャンルは、お酒の香味として発酵の過程で副原料を取り込んでいるのです。最終的なお酒に素材感があるということ。
ヒライのサケはクラフトか
これから日詰平井邸の醸造所を復活させる道のりは、現在の酒税法上、この新ジャンルにとても近いものになります。じゃあ日詰平井邸はクラフトサケブリュワリーなんですかというと、そう呼ばれても良いし、呼ばれなくても良い。
ヒライの個人的な話をさせていただくと、私は craft man よりも artist でいたいです。(またややこしい)たくさん同じものをつくる、というよりも一つ一つの酒との出会いを楽しみたい。そして醸造家だから brew の精神は大切にしたいですね。
仲間がいるんだなって思わされた心強いニュースに触れて、いろいろ考えたことをまとめてみました。クラウドファンディングは今月一杯募集するみたいなので、興味があるかたはぜひ応援してみてください。
このnoteは日詰平井邸 醸造所復活に向けた宣言であり、その過程をまとめるものです。ぜひ ♡ で応援いただけますと幸いです。
■日詰平井邸 醸造所復活へのミッション
□ 酒類製造免許を取得せよ
□ 原料を確保せよ
□ 作品と製法を確立せよ
□ パートナー酒販店を集めよ
□ 設備を整備せよ
□ お金を集めなさい
▼日詰平井邸 公式サイト
https://www.hiraroku.com/
▼日詰平井邸 インスタグラム
https://www.instagram.com/hiraitei1921/
▼日詰平井邸 サポーター登録
https://lin.ee/GtmZoQH
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