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【じーじは見た!】後編:今年も環境白書を見てみた⁉️

心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉️

さて、今年も環境白書に注目してみました。「令和5年版環境白書」を題材に内容を確認しています。

本編は後編です。前編から読んでいただけると嬉しいです。


✅サーキュラーエコノミー!

第2章の「持続可能な経済社会システムの実現に向けた取組」の第2節「循環経済(サーキュラーエコノミー)」を詳しくみていきましょう。

じーじは、サーキュラーエコノミーを「使い捨てない経済」と読み替えてくださいと前編で書きました。

使い捨て大量消費経済の象徴が「プラスチック」です。きっとカーボンニュートラルで目の敵にされた「石炭」のように、今年あたりから「プラスチック」を使い捨てづらい雰囲気になっていくと思いますよ。

第2節の項目をピックアップしてみましょう。

1)循環経済(サーキュラーエコノミー)の移行に向けて
2)プラスチック資源循環の促進
3)廃棄物処理基本方針の変更及び廃棄物処理施設整備計画の策定について

サーキュラーエコノミーで使い捨てを止めるよと言っても直ぐにはできません。移行期間というものが必要です。

環境白書より抜粋①

2050年にサーキュラーエコノミー(使い捨てしない経済)とカーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)を達成するためのマイルストンとして2030年に次の3点の目標が示されています。

①プラ回収量倍増へ
②食品ロスを400万トン以下へ
③金属リサイクル原料処理量倍増へ

結構具体的なターゲットがあるでしょ。

中でも世界の潮流は「プラスチックを使い捨てしない」に移っていますので①は回収だけでなく、再利用の目標設定を世界から求められるようになっていきますよ。きっと。

2022年2月から3月にかけて開催された国連環境総会において、海洋環境等におけるプラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)の策定に向けた政府間交渉委員会を立ち上げる決議が採択され、2022年11月から12月にはウルグアイにおいて第1回政府間交渉委員会が開催され、正式に条約交渉が開始されました。

政府間交渉委員会は2024年末までの作業完了を目指して5回開催されることになっていて、プラスチックを使い捨てない競争が世界で始まります。

日本の場合、可燃ごみとしてプラスチックをどれだけ燃やしていることか?燃やしているから海洋プラゴミにはなっていないでしょと、埋め立て主流の諸外国よりも環境にいいことをしていると主張してきました。

しかし、他国がプラをリサイクルして再利用するようになってくるとちょっと立場が悪くなります。

まるで再エネに出遅れて、原発にも依存できずに、石炭頼りになって世界の潮流から取り残された状況とよく似てきています。

サーキュラーエコノミーも前途多難です。

✅ネイチャーポジティブ!

「ネチャーポジティブ」も今年のバズワードになっていきますから覚えておいてくださいね。

環境白書では自然再興と訳しています。

環境白書より抜粋②

ネイチャーポジティブにおけるSDGs的な世界の枠組みとして「昆明・モントリオール枠組み」があります。この枠組みに沿って生物多様性保全に力を合わせていこうとしています。

何故でしょうか? 

実は生物種の絶滅速度が加速してきているのです。

環境白書より抜粋③
環境白書より抜粋④

豊かな生物多様性に支えられた生態系は、人間が生存するために欠かせない安全な水や食料の供給にも寄与しています。しかし、上記のとおり種の絶滅速度が凄いということは食料危機にもつながるのです。

生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)が2019年に公表した「生物多様性と生態系サービスに関する地球規模評価報告書」では、人間活動の影響により、過去50年間の地球上の種の絶滅は、過去1,000万年平均の少なくとも数十倍、あるいは数百倍の速度で進んでおり、適切な対策を講じなければ、今後更に加速すると指摘しています。

環境白書より引用

そこで種の絶滅速度を止めて反転させようというのが、昆明・モントリオール枠組みです。

カーボンニュートラルは「石炭」を目の敵にして再生可能エネルギー(太陽光や風力)の価値を高めてきました。

サーキュラーエコノミーは「プラスチック」を目の敵にして資源を循環させる使い捨てないライフスタイルの変革を迫っています。

そしてネイチャーポジティブが世界の目標となることで、生物多様性にとって「森林」の重要性という森林の持つ多様な機能と価値が見直されていくのではないかとじーじは思っています。

日本の里山文化を世界に広げていくチャンスです。

✅プラネタリー・バウンダリー!

ここまで第2章の各節のキーワードである「カーボンニュートラル」「サーキュラーエコノミー」「ネイチャーポジティブ」というサステナビリティの3つのキーワードについて見てきました。

最後は「地球の限界」と訳されているプラネタリー・バウンダリーについて考えてみましょう。

人間活動による地球システムへの様々な影響を客観的に評価する方法の一例として、地球の限界(プラネタリー・バウンダリー)という注目すべき研究があります。この研究によれば、地球の変化に関する各項目について、人間が安全に活動できる範囲内にとどまれば人間社会は発展し繁栄できるが、境界を越えることがあれば、人間が依存する自然資源に対して回復不可能な変化が引き起こされるとされています。
(中略)
このプラネタリー・バウンダリーに、水、食料、ヘルスケア、住居、エネルギー、教育へのアクセスなど、人間にとって不可欠な社会的ニーズに関する最低限の基準の充足度を示した社会の境界(ソーシャル・バウンダリー)を加えた研究があり、人間の経済の「安全な活動空間」を定義しています。
(中略)
この領域では、well-beingに焦点を当てた経済が繁栄することができますが、現実には世界中で多くの人々がソーシャル・バウンダリー以下の状況で生活しています。

環境白書より引用

地球誕生から45億年。現在の人類の祖先誕生から20~30万年、産業革命からは僅か300年。

45億年掛けて築いてきた地球環境に対して産業革命から僅か300年の短い間にとんでもない負荷を掛け続け、我々人類は、大量生産大量消費の「使い捨て経済」で発展してきましたが、もはや限界が近づいているようです。

80億年後には惑星としての地球は太陽に飲み込まれてしまい、その一生を終えます。私たち人類が生存できる地球環境もあと数億年で終わります。

でも今私たちは集団自殺するがごとく、人類が住める地球環境を自ら壊していることを自覚しなくてはなりません。

何ができるのか?

環境白書が訴えているように「使い捨てない」社会づくり、包摂的で利他的な行動がとれる社会づくりに「一人ひとりがやれること」から行動することが大切なのではないでしょうか?

☆☆☆
(感謝)

▼きしゃこく先生のしゃかせん「毎昼12時」でじーじの記事を紹介いただきました。きしゃこく先生ありがとうございます。環境省の職員の皆さんが「環境白書」で伝えたかった想いを感じ取りたいと思います。

【じーじは見た!】前編:今年も環境白書を見てみた⁉️

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