日常

今年はバレンタインデーに便乗して
ほんの気持ち程度のお菓子を女性に
よくおしゃべりに付き合ってくれて
ありがとうということで渡していた
もちろんほんの気持ち程度のもので
小さなお菓子を詰め合わせただけの
お返しなど気にしなくていいように
それくらいのつもりでいたのだけど

ホワイトデー翌日に会うと食い気味に
昨日来てなかったよねと確認があって
お返しを持ってきてソワソワしていた
けど昨日渡せなくて週末かなと思って
今日は持ってきてないのだと言われた
今度会えた時に絶対渡しますからとも

期待していなかったお返しだったから
話の展開に一瞬ついていけなかったが
理解してああそんないいのにと応えた
返してもらうほどたいしたものでなく
気を使わせて逆に申し訳ないくらいの
でも素直に嬉しく思い安心感もあった

気持ちが少し重たくなっている日だった
いろんな情報が目に入ってきてしまって
引きずりだされた記憶があったりもした
この先の展開によってはもっと揺らいで
自身に直接影響が及ぶことも有り得るし
そもそも現状から複雑すぎる立ち位置だ

だけどやるせなさを上回るほどの
嬉しさや優しさをもらったりして
不確かで何ものでもない自分すら
受け入れられている感覚があって

行ったり来たりを繰り返しながら
今日も変わらず世界は巡っている
今日も変わらず世界は動いている

週末なら会えるかもと思ってと聞いて
会えるかなと思いながらのこのこ週末
出かけていくくらいには単純で安易で
手のひらで転がされている自分を笑う

今日も変わらず世界は巡っている
今日も変わらず世界は動いている
何もかもが思い通りにならずとも
先が見えない不安が募っていても
今日も変わらず日常がここにある