不毛の極み

三年半ほど仕事をお休み中の私と
もう何年も前にリタイアした父と
数年間ほぼ雇われてこなかった姉
そして結婚以来専業主婦だった母

仕事の話などしたとしてもきっとたいして意味が無い
そもそも仕事ができる人かお互いに知りもしない訳で
世間知らずばかりが集まり一体何の益になるのだろう

だから昔していた仕事の話を
久しぶりに少しした後に突如
とんでもない疲労感と後悔に
襲われたのも無理ないと思う

ああなんて不毛なことをしたのだろう
時間を無駄にしたばかりか疲れ果てて
床に座り込みベッドにもたれたままで
あとは一ミリも動ける気がしなかった
ああなんて不毛なことをしたのだろう
頭の中でそれだけがぐるぐるしていた

久しぶりにはっきりとした大雨の晩だった
いっそきれいに洗い流してほしいと思った
疲労も後悔もさっき会話したこと自体まで

不毛なことなど消すため泥のように眠ろう
朝になれば空気は洗われ澄んでいるだろう