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お茶代

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僕が文学サークル「お茶代」の課題として作成した記事および、「お茶代」に関する批評のまとめです。
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#評論

文学サークル「お茶代」について メモ

文学サークル「お茶代」について メモ

 脱輪さんが行われている文学サークル「お茶代」の運動は、政治に対する独特の距離感から察するに、「全共闘以後」の文化運動の系譜に位置づけられるべきもののように思われる。

 ご本人はフェミニズム等にも一定の理解を示しておられるが、その「究極の保守反動をバネにした生活のアナキズム」(脱輪さん)は、仲正昌樹氏を参照して外山恒一氏が指摘した「ポストモダンの右旋回」ではないか。

詩的なものと僕

詩的なものと僕

 大阪のとある病院の一室で生を享けた僕は、物心つく頃には既に奈良へ移り住んでいた。その後も家族の仕事の都合上、週に一回、当時住んでいたはずのかの地を訪れていた。けれども小学校の三年以降、塾に通い始めるのと時を同じくして大阪へ行くことはなくなり、思い返すことも次第に少なくなっていった。
 その「第二の故郷」——故くした郷という字面に従うならば唯一の、と言うべきなのかもしれない——を再び訪れたのは昨年

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