[小説]ギフト ~続くイライラ~
気がつけばあっという間に毎日は過ぎ、6月。もう梅雨を吹っ飛ばして夏が来たのかと思うぐらい暑い。ワイシャツの下の白Tを日に3回くらい着替えたいほどだ。
同じクラスといえど、関わろうとしなければあいつとは何の接点もない。サッカー部でも特に組まされることもないから穏やかに過ぎている。ただ、やっぱり視界に入るだけでイラつく。なんであいつのことがこんなにイラついてしまうのかわからない。ただただイラつく。特に笑ってる顔がムカつく。笑い声が聞こえるのもムカつく。この気持ちの持って行きどころもなくて、なおイライラする。そして、イライラしている自分にさらにイライラするのだ。
でもあと少しで夏休みだ。夏休みにも部活の練習はあるが、とりあえず顔を見なきゃいけない時間は減る。もう少しの我慢だ。
そして迎えた期末テスト。あいつの顔を見ないように、学校にいる時間は勉強にばかり集中していたのでなかなか良い結果だった。あとは夏休みだし、少し清々しさのある開放感を感じていた。
「はーい席ついて〜明日は大掃除なので、どこを掃除するか担当の場所決めをします。美化委員の人、進めてー」
大掃除の担当場所決めが始まった。別におれはどこでも良かった。嫌な場所もなければ、いいと思う場所もない。掃除は掃除だし。そんな感じだった。でもみんなは違うらしい。
「え~やだー」
「マジそこだけは勘弁して」
などの声が聞こえる。全然決まらない。まとまらない。
そんな状態を予測していたのか、くじ引きになった。順番に紙を引いて、そこに書かれた番号のところを掃除するのだ。
なんて無駄な時間なんだ。めんどくせぇ。と思った。でも言われた通りにする。まわりに抗うのもめんどくさいのだ。
結果は最悪。おれはあいつと同じ場所を掃除することになった。
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