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【風呂酒日和25-1】 千代の湯(ちよのゆ)

【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。


学芸大学駅の賑やかな駅前を歩く。
東急東横線のこのあたりの駅ってどの駅もちょっと似ている雰囲気を持っている気がする。

今日は居酒屋には困らなそうだとホクホクしながら駅前を歩いていると千代の湯が見えてきた。

外観...すごく綺麗。
新しそうな建てがまえだ。おそらくリニューアルしたのだろう。
高級料亭のような雰囲気が漂う大きなファサード。

玄関を入るとロビー左手に券売機。
突き当たりのカウンターにいる奥さんが、いらっしゃいませと上品そうに答える。購入した入浴券とレンタルタオルの券を渡してタオルをもらい、何の気なしにてけてけと右の方に歩き出すと奥さんが一言。

「左です」

女湯は左だった。
うーん、これだから方向音痴は困る。
最近気づいたのだが、方向音痴は(というか私の場合は)行く先がわからないわけでも地図の見方がわからないわけでもなく、周りを見ず何も考えずに感覚で勝手に歩き出してしまうから迷子になりがちなのではないかと思っている。


脱衣所も程々に広くて真ん中には腰掛けがいくつか並ぶ。
ロッカーには見慣れない漢字。普通の漢数字と、「廿」「拾」「丗」などの漢字が並んで知る。
多分10とか20と書いてあるのかな...となんとなく想像で推察する。
常連さん用の月極めと思われる契約ロッカーの数も多い。

端の方にあった空いているロッカーに荷物を入れる。
そのロッカーの隣は扉がなくのれんがかかっていた。
めくってみるとその向こうにものれん。
おそらくこれは先程の受付に繋がっていて、ドライヤー用の10円が財布に入っていなかったときなどに「すいませーん両替してくださーい」なんてやるのだろう。

ロッカーの中にさりげなく溶け込んで潜んでいるところがなんだか闇の取引みたいでいい。
こういうことを考えるところが小学生男子みたいだなと思いながらも謎に心躍ってしまう私。
でも残念ながら10円玉は十分に持っているので今回は取引不要である。

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