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モンブラン失言 #毎週ショートショートnote+エッセイ

「あんたデザート食べる?ケーキあるよ」

「いやぁケーキはいいかなぁ」

「お盆の和菓子もあるけど」

「餡子嫌いでーす。あっ、モンブランあるじゃん。これなら食べれるかも」

そう言いながらケーキの箱をちらっと覗き込んだ私に母が言った。

「え〜、餡子嫌いならモンブランもやめとけば?」

「…なんで?」

「だってモンブランの上は餡子だよ。嫌いでしょ?」

「えっ…そうなの!?このぐるぐるって餡子だったの?」

「だからやっぱりショートケーキもモンブランもお母さんが食べまーす」


餡子が嫌いだと言ったせいでモンブランを食べる権利まで奪われてしまった私。一瞬本気で信じかけたが、今のは巧妙な罠だったようだ。
スイーツ大好きな母はきっと、そこまで好きでもないくせに気まぐれで食べようとした私から、モンブランを死守したのだろう。
なんだか失言をでっちあげられたような気持ちになった。


ちなみに黒い餡子は苦手だが、白餡や栗、かぼちゃなどの餡は好き。ってことは、小豆が苦手なのかなぁ。
前にもそんな話書いたな。


というわけで、今回のお題を見て、先日帰省した際に母に「モンブランの上のやつ」について騙されかけた話を思い出したので、今週はショートショート風エッセイ。

その日、ちょうど誕生日だった母は自分用にケーキを買ってきていた。
父も私もあまり甘いものを食べないので、兄が家を出てからは誕生日のケーキはホールでは買わず、いつも自分の好きなカットケーキをいくつか買ってくる模様。
それを一つ分けてくれようとしたのだが、どうやら私のスイーツ愛低めの発言によってあげるのが惜しくなったのだろう。
そうだよね、そんな特別な日のショートケーキとモンブラン、生半可な気持ち(?)で食べてほしくないよね。
大変失礼いたしました。思う存分食べてください。
と言いながら、ちゃっかり上のところだけ一口もらったんだけど。

上のところっていうか、私にとってモンブランとはあの上のぐるぐるこそが「モンブラン部分」みたいなイメージがある。あそこは好きだけど、下のスポンジとクリームにはあまり興味がないのだ。
なんて言ったらモンブラン好きのとある人に怒られてしまいそうなので、このへんでやめておこう。餡子と間違えてるし、すでにご立腹かもしれない。


モンブランという甘いスイーツの名前を聞くと、なぜか同時にモツ煮が脳裏によぎるのはきっとnote界のモンブラン王子、もつにこみさんがいるからだろう。
もつにこみさんは今週のショートショートnote、参加されるだろうか。
きっと書くよね。だってお題がモンブランだモン。

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