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【風呂酒日和137-1】 さかえ湯

【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。


こんな大都会に…なんて素晴らしい。
渋谷駅から徒歩10分ほど。この辺りを通るたびに気になっていた看板が見えてきた。今日は前々からチェックしていたさかえ湯に行ってみることに。

年季が入った建て構え。これが渋谷にあるというのがまた粋な気がしてそそられていたのだ。ちょっと怖いくらいの雰囲気を醸し出す奥まった入口に向かう。
突き当たりには資材が置かれていてその奥にはマンションのドアが見える。
なるほど、この上はマンションなのか。手前には洗濯機が7台、乾燥機が2台。そして左手に銭湯の入口。
真ん中に傘入れがある。けど、縦横10cmくらいの小さな扉だ。ってことは…この傘入れは奥に長いってこと?面白い形。


入口で男女の靴箱が分かれている。なるほど、ということは番台スタイル。右側の女湯の方に靴をしまって中へ。

「はい、いらっしゃいませ」

「こんばんは。えーと、タオルは借りれますか?」

今日は勢いで来てしまったのでタオルもアメニティも何にも持ってない。

「小さいタオルは無料でお貸ししてますよ。バスタオルと小さいタオルのレンタルセットは50円」

や、安い!バスタオル付きで50円は破格では?
しかし私はいつも手ぬぐいの民なのでありがたく無料の小さいタオルのみ借りることに。大きなバスタオルにくるまるのはサウナセットの時の楽しみにしている。(なんかすごいみみっちい楽しみだな...)
脱衣室はこじんまりとしているものの小さなソファが2つ置いてあって休憩所も兼ねている。


お、浴室の入口の前にさまざまなボトルが。やった、アメニティも完備だ。うれしい。
お風呂屋さんでよく見るいわゆる業務用シャンプーではなく市販のシャンプーやコンディショナー類が並んでいて、よくよく見ると洗顔もある。化粧水、ボディミルク、日焼け止めまである。あらすごい。

これは定期的に買っているものもあるだろうけど、もしかしてその横にある「お忘れ物」から保管期限が過ぎたものがどんどん「みんなの」として仲間になるシステムではないだろうか。これ、中には嫌がる人もいるかもしれないが、私はとてもいいアイデアだと思う。だって銭湯側からすると取りに来なかったらずっと置いとかなきゃだし、捨てるのも手間だ。どうせシャンプーならばみんなで使えばいいと思う。地球にも優しいじゃんね。


浴室の中を見ると、洗い場にカゴに入ったシャンプー類があったのでとりあえず洗顔だけお借りして中へ。

おぉーいいねぇ。好き。
銭湯というよりはめちゃくちゃ贅沢なでかい家風呂という感じ。浴槽は2つ、富士山のペンキ絵もない至ってシンプルなお風呂だ。

まずは洗い場に桶と椅子を持って行き、体を洗っ…あー!
お姉さんがアメニティのカゴを持って帰ってしまった。そうか、そういうあれね。
入口に空いているカゴがなくてわからなかったが、どうやらここはアメニティがずらりと置いてあるところから、カゴに自分の使いたいものを入れ、浴室に向かうというルールのようだった。
お姉さんが返却したカゴを借りてシャンプー、コンディショナー、ボディソープを入れ、再度浴室へ。


体を洗って浴槽に向かう。
大きな右側の浴槽と、若干小さめのぼこぼこ波打っている左側。温度計を見ると左の浴槽の方が熱めだったので左側から入ってみることに。

おーちょうどよい!気持ちいい。
くぅ〜これなんだよなぁ。
なんかこの辺に住みたくなってきたかも。ここがあれば家にお風呂いらない気もする。でも毎日銭湯に通うのもなかなかのコストよね...。
しかもここは渋谷。うーん、銭湯代のために安い風呂無し物件に住むとか?なんか、本末転倒な妄想になってしまった。
普通は家にお風呂がない→銭湯に行こうの流れだよね。


謎の渋谷暮らしを想像しながらひとしきり浸かって浴槽を出る。髪を洗って次は右側の浴槽へ。うん、やっぱりこっちのがぬるめ。これもこれでちょうどいい。バイブラもいいけど、波打ってない穏やかなお風呂、すき。落ち着く〜。

お客さんは3.4人くらい。
おばちゃんもいるし、若いお姉さんもいる。銭湯ラン(銭湯に荷物を預けて周辺をランニングし、お風呂に入って帰る)の人もいたりするのかしら。


ふぅ。ゆっくり満喫できて、とっても満足。
浴槽を出て脱衣室へ。男湯との境目に置いてある半分だけ見えるテレビを眺めながらお着替え。
お、冷蔵庫に...ラス1のアサヒのジョッキ缶があるではないか。

えー、どうする?いっちゃいます?ロビールならぬ脱衣室ビール。2秒悩んですぐ購入。
ジョッキ缶、生ビールのような泡が楽しめるというのが売りの商品だが、開ける前にてんてんと数回缶をデコピンしてからゆっくりと開ける。
これをやらないで開けて、勢いよく泡が溢れて大惨事になったことが数回ある。
あら、缶を弾きすぎたのかノー泡。なんかせっかくのジョッキ缶なのにごめん。でも泡があんまりラブじゃない私にはとてもちょうどよい。
脱衣室でちょっとだけ飲んで、やっぱり携帯を見たくなってしまったのと、外の風に当たりたくて「ありがとうございましたー」と言って外へ。


うん、ここが特等席かも。銭湯を出たランドリースペースのところにテーブルと椅子があるの、実はチェックしてたのよね。予想通りちょうどよく夜風が入ってきて最高な気温。
ゴウンゴウンと音を立てる洗濯機からは色々な洗剤の匂いが混ざって、不思議な香りがする。なんだろう。外国のスーパーとか、ドラッグストアみたいなにおい。
なんか異国感あっていいなぁ。めちゃくちゃ渋谷のど真ん中だけど。
冷たいビールといい風でお風呂上がりの熱さが引いてさっぱり。

うん、いいところだった。渋谷のオアシスだな、ここ。

【さかえ湯】
住所: 〒150-0011 東京都渋谷区東1-31-19
電話:03-3407-1207
アクセス: 山手線「渋谷」駅下車、徒歩8分
定休日:金曜日


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