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頭の中のストーリー

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物語、小説、散文、自由詩
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#短編小説

カウンター側からの景色

そんなメッセージをカウンター内でそっと送って、ちょっと胸をなでおろす。 しかし、なんで俺…

二人になりたい一人客

火曜日か木曜日。 週末は混み合っていてあまり話せるような雰囲気じゃないし、月曜日は定休。 …

一人で好きでいた方が...

「マスター!もう一杯ください!」 「え〜、大丈夫?結構酔ってるんじゃない?」 「酔いたく…

冬の匂い、バイクの音、君のポケット。

冬の気配を感じる肌寒い風と共に、ガソリンの匂いを嗅ぐと、あの頃の夜を思い出す。 3回だけ…

月と夢と、言葉遊びじいちゃん

ぼくは毎朝、町をパトロールしてる。 それで、途中でいつも角の家に寄り道する。 毎朝縁側に座…

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【コインランドリー】2. 廻る。  -全3編-

やっぱりそうだ。そうだった。 去っていく青年の後ろ姿を見ながら、僕は身震いした。 かすか…

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【コインランドリー】1. 回る。  -全3編-

今日は4限の講義が急になくなり、僕はいつもより早く大学を出た。 最寄り駅に降り、見慣れた街を歩く。 ちょうど下校の時間なのか、いつもはあまり見ない小学生たちがきゃあきゃあと騒ぎながら縦横無尽に道を歩いている。 元気なのはいいがちょっと邪魔だななんて思って僕は脇道に入り、住宅街の静かな道の方を選んで歩いた。 道の先には一人、とぼとぼ歩くひょろっとした小学生がいたが、うるさくないのでまぁいいだろう。時々立ち止まったり、しゃがんで何かを見ているその少年を、僕はすたすたと追い越そうと

代々木公園のベンチで、また一緒に。

妻が出て行って2週間が過ぎた。 小さいメモのような手紙が置かれたダイニングテーブルは、その…

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