♯37 職業選択と家庭環境|お母さんのようになりたくない
自分で選んだはずの職業でも、実は「家庭環境」に大きな影響を受けている場合があると思います。
私は、理学療法士というリハビリの専門職として10年以上働いています。
理学療法士の資格をとるためには、養成校 (大学または専門学校)を卒業した上で、国家試験に合格しなければなりません。
そのため私は高校生の頃、具体的な志望大学を決める時にはすでに、この職業を志していたことになります。
当時の私は、
「とにかく手に職をつけなければ」
と強く思っていました。
その背景には私の家庭環境があります。
私が子供だった30年程前は「男は仕事、女は家庭」 という価値観が今よりずっと色濃かった時代です。
夫婦喧嘩になると、父はよく専業主婦の母に対して、
「誰が喰わせてやってるんだっ!」
みたいなことを普通に言ってました。
今の時代だったら完全にモラハラ夫です。
※こんな両親ですが、今は割と仲良くやっております。↓↓
でも、父にひどいことを言われても母は、
「誰が毎日ごはんを作ってるんだ」
「誰があなたのパンツを洗ってるんだ」
「誰が子ども達の面倒をみているんだ」
とは言い返さない。
子どもの頃は不思議でなりませんでしたが、高校生くらいになるとその理由が分かってきました。
母は仕事をしておらず、特にスキルなども持っていなかったから、父に見放されたら子ども達を抱えて路頭に迷うことになります。
・・・なんで? 確かにお父さんが仕事をしているから、こうして暮らしていける。でも、同じように、お母さんが家のことをしてくれるから、こうして生活が回っていくのに。なんで「誰が喰わせてやってるんだっ」なんて、偉そうにされなきゃいけないの?
ここから当時の私が導きだした結論。
「お母さんみたいに、悔しい思いはしたくない」
そのためには、
「手に職を付けて、男性と同じくらい稼げるようになるっ!」
社会的な「男性」に対する対抗心や反骨心が相当に強かったと思います。
よって、職業選択では
手に職を=なんらかの資格をとりたい
男女間での賃金格差のない業界に勤めたい
同年代の男性の平均年収くらいは稼ぎたい
夜勤がなく子どもが産まれても続けやすい
といった条件の下、最終的にリハビリの専門職を選びました。
お気づきかもしれませんが、ここに自分の
「適性」「好き」「志」
は一切ありません。(笑)
幸いにも、人のお世話をすることが嫌いではなかったので、資格をとってから「全然自分に合わない」と後悔することはありませんでした。
こちらとしては、プロとして与えられた役割を果たしているだけなのに、患者さんから
「本当にありがとうございます」
「ひなたさんのおかげで、歩けるようになりました」
と言ってもらい、恐縮してしまうこともしばしばです。
ですが、最近ふとこう思うことがあります。
もし、亭主関白の家庭で育たなかったら、私のこの職業選択は、あり得たか?・・・と。
あなたの今の職業、勤めている会社に「親」や「家庭」の影響はないでしょうか?
考えるみると、面白いかもしれません。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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