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猫の夜語り

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猫の紡ぐ、束の間の物語。
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2020年9月の記事一覧

炉心の曰く

炉心の曰く

 金属と金属が擦れ、ぶつかり合う音が響く。粗末な骨組みと薄い鉄板の壁で作られた巨大な箱の中は薄暗く、様々な機械が並んでいる。その傍では工夫が忙しなく働いていた。
 それぞれの機械から伸び、工夫たちの頭上に張り巡らされた配管の上を走り去る一つの影があった。淡い照明に少年の横顔が一瞬、照らされる。工夫たちの統率を任されている憲兵が、配管を伝う影にさっと視線を走らせた。
「鼠か……?」
 憲兵は怪訝に呟

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