日向白猫

つれづれなるままにものかき。投げ銭やらしてくれると嬉しい。
  • 静かに風を浴びながら――。あるいは、帰途の列車に揺られながら――。あるいは、暗いベッドの上で――。夜語りを一つ、如何です
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固定されたノート

宿り

真っ黒な棺の中には、色とりどりの花が鏤められていた。クレアもその中に、自分の持っていた一輪の花をそっと置いた。彼女のすぐ後ろにはクローディアが立っていた。彼女は...

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蝦蟇口を覗けば

その日の雨は、夏の陽射しに温められていたのか、妙に温かった。太一は昇降口の下で立ち尽くし、もりもりと膨れ上がった雨雲を見上げていた。溜息を吐こうと大きく鼻から空...

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絶唱

日本の都市部はいつになったら、朝の通勤ラッシュの解消に本腰を入れるのだろうか。狭い車内で人という名のお荷物に圧し潰されそうになりながら、俺は深い溜息を吐いた。 ...

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系譜の少女

強烈な昼下がりの陽射しが、地下鉄の暗がりに慣れた私の目を刺した。眩しい、というよりも些か痛みすら感じる目を光に目を細めて、足早に駅から離れる。  行き交う人々を...

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水底の姫

深い、深い、海の底――冷たい海水に晒されながら、彼女は待っていた。自分と添い遂げるべき相手を。  水面は激しい波に白んでいたが、海中深くは穏やかであった。海流に...

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慈愛

「殺してあげよっか?」  何とも穏やかな笑顔で彼は言った。私は顔を上げて、その穏やかで優しい笑みを見た。湯を一杯に張った浴槽に浸かりながら、言葉とは裏腹ないけ好...

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