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「 てんとう虫 」










あたたかな陽の光

春の訪れと共に
君はまたこの世界に生まれ落ちる

寿命はたったの二ヶ月

あぁ、もどかしい。

君の姿を

君のいのちを

どこかで誰かが見ている
だろうか

小さなその身体

隣を歩いていても
気づかれることなく

でも

私は君を見ている。

必死に歩く姿

太陽に向かって
飛び立つ君を

私は知っている
君の愛くるしさを

だって私は君に出会えて
こんなにも幸せなのだから。

君の名は「天道虫」
幸運を知らせる虫

愛すべき命(いきもの)なのだ。





エピソード①
「てんとう虫の導き」



これは私が転職をして初めての
春を迎えた時のお話です。

そこには沢山のてんとう虫達がいて
その中でも特に気に入っていたのが
ムーアシロホシテントウとキイロ
テントウでした。

廊下や天井、壁、白い所によくいて
彼等を見たり、触れてみたり
彼等とコミュニケーションを
とるのが私の楽しみであり
心地よい大切な時間となりました。

とある大雨の日。

彼等のことが心配になり
よく周りを見渡すと
てんとう虫が水たまりに
溺れていました

慌てて、手ですくい上げると
彼等は無事に生きていました。

あの時はヒヤヒヤしましたが
本当に無事で良かったです。

癒やしをくれる代わりに私は
彼等に水や食料を与えて
いました。彼等にできるだけ
長く生きてほしかったのです。

(てんとう虫は肉食の子もいるので
ユスリカの死骸なども食べたりします)

それから床にいると踏みつぶされ
そうになるので壁に移動させたり

助けたり、助けられたり
そんなてんとう虫との
何気ない日々が続き

夏が過ぎ、秋が来て
冬が近づいてきた頃
彼等に出会う回数も減り

死んでしまった姿を何度も
見るようになり

私はそんな彼等を見るたびにとても
悲しくなりました。

彼等の寿命があまりにも
短すぎて。

そして、とある日。

仕事が終わり、帰宅途中に
何かが飛んできて私の右足に
とまったのです。

見てみると
それは、私の大好きな
ムーアシロホシテントウでした。

今まで沢山のてんとう虫に
出会ってきましたが
身体にとまったことは
一度もなかったので

とても嬉しかったのですが
少々不思議な気持ちになり
調べてみたのです。

すると、足にてんとう虫が
とまるのは自分の進むべき方向が
明確になって行くと言う意味があり

そしてその人にとって
一番願っている幸運が巡ってくる
そうで、それは夢に関する願いや
希望を叶えるチャンスが
与えられるそうなのです。

その当時、芸術の道に進もうかと
悩んでいた私は

てんとう虫が止まった日に

「生き物を愛でる詩」
を書くことを決めました。

そして一番最初に
大好きな彼等のことを
書きたいと思い、今書いたという
訳なのです。

偶然にも、てんとう虫が私を
導いてくれたのです。

彼等に出会っていなければ

この作品も生まれてこなかった
ですし、もしかしたら書くことを
あきらめていたかもしれません。

だから私は自分の道を照らしてくれた
てんとう虫たちに
心から感謝しています。

最後に、詩にも書かれているとおり
てんとう虫は天の道の虫と
書きます。

「お天道様の虫」
という意味を持ち、太陽に向かって
飛んで行く姿から
太陽神の使いの虫であると考え
られたそうです。

海外では聖母マリアの化身とも
言われています。

世界で幸運のシンボルと
なっている天道虫*

もしかしたら、次は貴方に幸運を
運んでくれるかもしれませんね。

どうか、幸せが訪れますように。


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