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「働く」を支援する仕事

こんにちは。Hinaです。
最近は保育士の勉強をしながら、障害者の雇用を支援するジョブコーチについて調べています。
今日はそれについてお話しします。


私がジョブコーチに関心を持ったきっかけについては、この記事でお話ししています。


ジョブコーチの仕事を考えるにあたり
①支援を必要とする人
②今の支援状況
③今後の求められるであろう支援のあり方

について深めてみます。
今回の記事では①に着目します。

①支援を必要とする人は誰なのか

まず、支援の対象となる「障害者」と、その障害者を雇う「雇用者」が挙げられます。
また、働くことに難しさを感じている障害者の「家族」とその「支援者」も、広く捉えれば”雇用に関する支援”を必要としている人になります。

◇働く障害者の数について

各区分における障害者数の概数は
身体障害者/児 436万人
知的障害者/児 109万4千人
精神障害者   614万8千人

https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r05hakusho/zenbun/pdf/ref.pdf

まず障害者の全体的な数をおさらいしておきます。

上記のデータをもとにすると、
日本国民の9.2%がなんらかの障害を持っているという計算になります。

(知的障害と精神障害、身体障害と精神障害など障害を複数合わせ持つ人も多いため単純計算で正確な数はできませんが)

また、発達障害の傾向があるが受診していない/病識がない(障害を認識していない)人など、この統計に含まれていないけれど障害を持っている人もいます。
それらも合わせると10%を超えるとも言われています。

では、働く上で支援が必要な人はどれくらいいるのでしょうか。
障害者雇用率から見てみます。

<民間企業>
61 万 3,958.0 人(実雇用率2.25%)
<公的機関>
・ 国 : 9,703.0 人(2.85%)
・都 道 府 県: 1万 409.0 人(2.86%)
・市 町 村:3万4,535.5人(2.57%)
・教育委員会: 1万 6,501.0 人(2.27%)
<独立行政法人など>
1万 2,420.5 人(2.72%)

https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/001027391.pdf

日本には一定数障害者を雇わなければならないという法定雇用率の制度もあり、従業員に占める障害者の割合は2〜3%程度になります。

既に働いている障害者に対する支援”という市場で見ればこの層+現在就労訓練等を行なっている人が買い手です。

◇”能力的には働けるが就業していない人”


能力的だけ見れば働けるが、働く上でなんらかの障害特性や症状が原因で仕事が続かない人”も買い手になり得る層です。

そのような層は現在働いていないため障害者雇用数のデータには上がってきませんので、まずは働いてもいない通学もしていない、いわゆるニートのデータを出してみます。

非労働力人口のうち
若年無業者数は、2022 年平均で 57 万人
35~44 歳無業者数は、2022 年平均で 36 万人

https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index.pdf#page=17

非労働力人口と労働力人口について簡単に説明すると
・労働力人口とは「働きたい若しくは働いている人」
・非労働力人口は「働きたくもないし、働いてもない」(と見なされる若しくは働く予定がない)人といった感じです。

15歳以上を対象に区別しているため、非労働力人口全体には「今はまだ働かない」という学生や「もう働かない」という高齢者も含まれます。

上記に挙げた無業者という対象者は、その非労働力人口の中で「学校にも行っていないし家事もしていない」という人=ニートという扱いでデータを抽出されています。

現在働いていない理由に何らかの障害による症状や特性があるのだとすれば、それはジョブコーチの支援が入ることで働ける層かもしれません。

◇一般雇用層


もう一つ、ジョブコーチの買い手として考えられる層があります。
それは、現在一般雇用の中で働いているが、実は困り感を持っている層です。

こちらは未受診または病識が全くない層になるので、正確な数は上がってきません。

しかし”知的にレベルが高く働くことはできるが、コミュニケーション能力が低く困難さを抱えている”という人はたくさんいます。

これに関しては先日ちょうど研修に参加してきたので、また別の記事でまとめます。

特性は人それぞれ十人十色なので一概には言えませんが、例えば。

IQは120を超えているのに、相手が考えていることを理解するのが難しいため仕事がうまくできない人
→表情や声色から感情を読み取るのが難しいという感じの人がいます。
記憶力や計算する力は高くても働くのが難しかったりするのです。

例えば、皆さんは「今何時かわかりますか?」と聞かれたらなんと答えますか?
多くの人は”時間を知りたいんだな”と読みとり、「今は17時5分です」など答えると思います。
しかし彼らは「はい、わかります」と答えます。
会話の中に隠れている暗黙の了解がわからないため、聞かれたことに答えるので精一杯なのです。

すると、「仕事に問題はないんだけれど、この人とはなんだか合わない」といつの間にか周りから距離を置かれてしまいます。

このようにして、働くことはできているし仕事に問題はないけど、コミュニケーションで困り感を感じている人というのが一定数います。

今は働けていますが、何かのきっかけでうつ病や精神疾患を患って仕事ができなくなる可能性が高い層だと思っています。
このような人たちに対しても、ジョブコーチは支援介入することができるのです。

まとめ


今回の記事では「ジョブコーチを必要とする人は誰なのか?」についてまとめました。
また次回以降の記事で、今の支援状況や今後の在り方について考えていきたいと思います。
少しニッチな世界になると思いますが、新しい世界に触れるきっかけづくりになれば嬉しいです。

では、また🌻


そのほか、社会福祉士の視点から色々と考えたことを綴っています。
よければ読んでみてください🌷


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