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西尾維新『悲亡伝』その8 ステルスリアクション・エクストラ038

(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)

(ご注意・本稿では西尾維新『悲亡伝』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)

前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。

また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。

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・敗戦処理

この辺は僕のいないところでの話かなー。事故時のダメージは最小に抑える対策は万全なのに予防策がガバガバなベータロンの。


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・被害を最小に収める

やっぱり。とはいえ最近は目先の利益に飛びつくあまり傷口を広げそうな感じがするけどなぁ。


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・論破できない奴らって苦手

どんなタイプにでもそれなりに対応できるような応用力ぐらい身につけておかないと大変な事になるとよく分かった(当然僕がベータロンに合わせてあげる筋合いはないけどさ)。


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・部下に全員裏切られても

ほんっとにみんな離れてったの? 全員ったって表向きのメンバーじゃないにしろ。


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・昔の縁で何とか食ってる

正しい現状の判断かと。新しい縁だってそこまで強力なカードはないだろうから、結構限界が見えてるカンジで辛いかもね。


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・唯一の戦犯が何の裁きもうけてない

刑罰の場合は時効もあるけど、それこそ不手際無責任や怨恨となると心情的なものが絡んでむしろ利子がつく事もあるから、誤魔化して逃げ切るのも難しいんじゃないの。

誰がどんなやり方で制裁を加えるつもりかは知らないけどさぁ。


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・『食べられないから』罪深い

「食えない奴」とかそういう流れからだっけこれ。そうは言っても、使いようがないわけでもないだろうから、どうにかする事は出来るんじゃないの。

いや、素晴らしく劇的な効果があるような使い道はないとは思うけど、そこそこというか、廃物利用にしてはまあまあ、ってくらいなら。


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・他人任せにしない

この辺から僕の方に移るのかな。まぁ、責任取ってくれるんなら任せる部分があっていいし、任せないとやってられなくなると思うんだけど。


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・乗っ取り

人聞きの悪い。乗っ取られかかったのはこっちだよ。


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・ダイナミックな力の行使

ただ会わないようにしただけなのと、主戦場をネットに移したのをあまりダイナミックとは受け取れないなぁ。個々の印象やインパクトはどうか知らんけども。


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・目の当たりにすると迫力が違う

これはコンテンポラリーアートの事? 実物を見ると違う、っていうのは凄い作品程その傾向が顕著だから経験して損はないと思う(まぁこれも人によるか)。


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・ノーライフ(KNOW LIE IF もしも嘘だと知っていたら)

そんな事今更言っても遅い遅い。あるいは「もう生きてない」のか。

こうしたダブルミーニングが異なる意味の折り込みを読み解く事へと読者を導く。


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・ビー・オネスト

最早セルフブランディングはそこにしかなくて、ブランドを良く見せたければ良くなるしか、魅力的に見せたいなら魅力的になるしかないんだよ。

大体、前提になる速度と総量の大きさからして緻密で重厚な大戦略なんてまずうまくいかないし、誰もが必ず思いがけない失敗をする世界になってしまったんだから、もうそれを認めて正直に誠実になるしかない。


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・とぼけたりごまかしたりしないのは話が早くて助かる

そんな事してても間に合わないしね。スピードを追求すると自然誠実・正直にならざるを得ない。そしてそれのみが有効で時代の要点を押さえたブランディングでしょう。




(続く)

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関連リンク

第1話「ゼロ年代の終わりに」(西尾維新篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

からの「西尾維新篇」。

第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(ニンジャスレイヤー篇・3) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

第6話「過渡期の人」(策謀篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

から

第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(策謀篇・8) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

までの「策謀篇」。

第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(昇華篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(批評篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

から

第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(批評篇・4) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

までの「批評篇」。

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#批評 #小説 #コラム #ステルスリアクション #西尾維新

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