西尾維新「人類最強の求愛」『人類最強の純愛』その1 ステルスリアクション・エクストラ132
(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)
(ご注意・本稿では西尾維新「人類最強の求愛」『人類最強の純愛』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)
前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。
また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。
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「人類最強の求愛」 初出「メフィスト 2015 VOL.1」 (講談社ノベルス)2015年4月発行。
・あんまり歳を取らないタイプ
「長い付き合い」って言うほどの付き合いがあるのか分からないけど(長いは長い)、あんまり変わってないように見えるのかなあ。
経年で変わってきてる部分はあるよ、尻好きになってきたり(30過ぎると好きになってくると聞いてはいたんだがマジだった)。
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・成熟
するんだったかしてないんだったか忘れたけど、僕が目指してるもんとは違うからなー(単に歴史寓話的な提示かもしれないけど)。
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・十年来の友人と相性が悪いってのは、なかなか凹む
これはまぁ大体見当がつく事ではあるんだけど、さてさてどこまで書いてよいやら。
慶弔共に避けられぬと言いますか、何と言うか。
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・小唄とイリアを会わせてやりたかった
本当に誰かに引き合わされたんだったらもうちょっと違ったのかもしれないなーとは思うけど、実際には形式上「僕が勝手に会いに行っただけ」だからなあ。
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・難破、漂流
暗礁に乗り上げた、って比喩にはならんのよね。動いてるからね。
と言って救助を待つだけでは芸がないし。
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・キャッチフレーズの自走と本人のあり方
・いつまで最強でいられるものか
単なる印象付けと実証はまた別なんだけど、いつまでそう思ってもらえるのか、信頼がどのくらい続くものなのか、っていうのはすっごく気にしてる。
例えば「力がある」ってイメージがそのまま事実ならいつでも力を見せればいい、って事ではあるんだけど、見せればパクられる、隠し続けると信用が下がりネタの鮮度も下がる、となるとパクられても見せ続けるしかなくなる。
まぁ、出さないと伸びないのもあるけど……。
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・挫折する姿は見られそうにない
諦めずに戦い続けてる姿そのものに一種のエンターテインメント性があるよね実際。それはそれで大変ではあるけど、姿勢は見せてかないと離れてっちゃう人もいると思うんで……。
せめてステージが変わればもうちょっと楽になるんだけど……。
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・ここぞとばかりに互いに責任をなすりつけあうことに躍起になって(楽しい)
えー。
いや、これ仲良かったらの話か。でも本当に深刻なトラブルでこうなったらそれは修羅場で地獄絵図になるのでは? そんなにほのぼのしては居られないでしょう、と言うまでもなくそういう展開があった事にも言及したんだったか。
まだまだ牧歌的だなあ、こういうの。
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・次回予告
終わって次、新番組、みたいな流れだったかなぁ。そうはならないんだけど、じゃあどうなるの、っていう。
そりゃ続くしかない。
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・あいつ、あたしの期待に応えたことがねーな
ベータロンってそういう相手だ、って気付くのを遅らせるオプションが幾つかあるからね、補正がかかっちゃうんだけど、欠点の修正にはならないから早いか遅いかなんだよなあ。
生きてる間だけ甘い汁を吸うつもりだったらどれだけ遅らせられるかの勝負でいいんだろうけど……。
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・脆弱性
2015年の4月だと「魔法の力」より早いから、これはステルスリアクションではないだろうね。
時期のチェックは面倒だけど、作品丸ごと分析するとなるとあんまり早く出し過ぎるのも権利的にどうかってのもあるしなー。引用が多くなるとね、やっぱり。
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・迷惑なファン
僕が何かそういうもののように見えたり思われたり、って事例となると、「どうしてもご相談したい事があるので……」の件をベータロン経由で耳にしてたのかなぁ。
まぁこれも「やらされた」感じだけどさ。しかしどうしてこうも責任問題になった時の言い訳作りに周到なのかねぇ、自分の努力で成功させる気ならリスク負った方がいいし、相手の力が必要なら相手をよく知るところからだろうにねぇ。ノーリスクで明瞭な攻略法以外使う気がないのかしら(柔軟性がなさ過ぎる)。
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・代理戦争
この語は2010年5月「国際情勢と身近な社会状況の反映、とその変遷『昭和ライダー』『平成ライダー』『仮面ライダーDCD』」で僕が使用し、宇野常寛が『リトル・ピープルの時代』でパクったもの(第二章の章末の図、「戦争」の軸。ハードカバー版では p.362)。
多分年内に『母性のディストピア』の単行本化があるんだろうと踏んでるんだけど、連載の書きっぷりがリトピー本よりずっと酷くなってて「まーた内容薄いのを誤魔化す為だけの分厚い本が出るのか……」というウンザリ感と同時に、この著者は期待感ゼロだしなーという諦念があるみたいな。やれやれですよまったく。
(続く)
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関連リンク
西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
西尾維新篇
第1話「ゼロ年代の終わりに」(約1,600文字)
第2話「西尾維新からの応答」(約3,200文字)
☆
ニンジャスレイヤー篇
第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(約2,600文字)
☆
策謀篇
第6話「過渡期の人」(約1,900文字)
第7話「茶番の始まり」(約1,800文字)
第8話「違和感の塊のような」(約2,100文字)
第9話「地雷と第二次性徴」(約2,200文字)
第10話「アメリカンなジェスチャー」(約3,500文字)
第11話「俺に合わせろ」(約2,900文字)
第12話「物語の終わり」(約1,800文字)
第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(約3,200文字)
☆
昇華篇
第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(約1,700文字)
☆
批評篇
第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(約2,300文字)
第16話「『やめろ!俺の頭から出て行きやがれ!狂気め!』」(約2,800文字)
第17話「『消えろ』‘彼を呼ぶのだ!’『消えてくれ』」(約2,400文字)
第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(約3,400文字)
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