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西尾維新「つばさスリーピング」『業物語』その2 ステルスリアクション・エクストラ098

(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)

(ご注意・本稿では西尾維新「つばさスリーピング」『業物語』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)

前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。

また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。


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・初対面の女子

初顔合わせでああまで出来るっていうのはなかなか大したもんだよ。


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・パートナーシップか利用するか

見込みがなけりゃあパートナーにもしないし利用価値がないなら使わないしなぁ。損得もだけど、仕掛けるからにはやり遂げられるかが最重要。


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・余所者を狙う

新参、言わばアウェーで、ベータロンからすればホームだから一気にペース握ろうとしたのかなぁ。

如何にも待遇が悪そうなのにどうしてついてくると思ったのか……。


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・食物連鎖

力づくで殺して食う訳にもいかないんだからさぁ、そこは考えないと。


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・しない方がいいくらいの隠蔽
・とっくに破たん

この時期にはもうそういう認識になってたのかー。っていうかベータロンがあの調子じゃあ崩壊も早かったろうね。その場しのぎのグダグダな隠蔽工作が速攻バレて怒りを買ったりそれ通り越して呆れられたりしてたんだろうか……。


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・意志確認というより訴訟にならないための告知文

予防線の張り方はいくつかあって、ヤバい事は齟齬がないように最初から書いてないけど口頭では匂わされるっていうのが今回頻発した事例。

最悪、コストかけまくった挙句ポシャッても「契約書交わしてないから責任はない」とか言いそうだったからね。


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・信用できるか
・信頼に足るか

当然無理。交渉の余地なしだったもの。

無論これは僕の方に向けられる事も想定できる重要なポイントで、きちんと応えられるようにあれこれやっている最中でもある。


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・城塞都市

閉鎖空間、古めかしい、独特なルールがはびこりやすく、隠蔽しやすい。


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・ハイウエストとローライズ(腰が低い 偉そう)

上辺の態度と内心の強かさってあんまり関係なさそうだよねえ。だから下手に出られたからって絵に描いたように付け上がるのは迂闊過ぎると思うのよ、好きでやってるとか辞められないからとかだったとしてもね。


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・割って入るのが仕事

信頼できる仲介業ならそうなんだけど、ベータロンは「こいつは思い通り動くはず。うまく利用して販路を広げるのに使おう」くらいに思ってたんじゃないの?

流儀と呼ぶには甘過ぎる。


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・ヒロイック

僕にはそういうつもりはないんだけど、ベータロンがそういうノリでも出したの?


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・分の悪い賭けとはいえ勝算を見出すから乗り出す

確実性で判断すれば現状進行してるプランの方が間違いないんだけど、当時は公式ルートみたいなのに沿うアプローチを試してたんだよね。

結果最早道なき道を往くしかなさそうだけども……。


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・ギャンブルは身を滅ぼす

勝算の見極めが怪しいと特にね。自殺に近い、負けるための賭けになるから。本人にそのつもりがなくてもね。


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・途中まではプラン通り

ベータロンはそうだったんだろうねぇ。僕は最初から想定してた撤退戦略の実行になってしまって残念。

理想を追い過ぎてるつもりはないんだけど、でも目がありそうな別の方法があるならそっちだよねぇ。


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・半壊半焼の被害は全壊全焼よりたちが悪い

どうせ使えないんだから残りを解体させられるより全部台無しにされた方が手間がなくていい、んだろうけど、可能不可能とは別で、これもまた正規の契約じゃないからねぇ。

だから信頼のベースが大切ってところかなぁ。


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・囮になって誘い出す

どっちでもいいんだけど、僕が「見え見えの誘いにわざわざ乗ってあげるんだからそれなりの扱いはするはずだよね?」くらいは思ってるっていう想定はしてなかったよねぇ、あの様子だと。

自分ひとり美味しいトコせしめる気だったんでしょうねぇ。

今後もそういうのに振り回されるつもりはないんだけど、どういう対応が正着なのかっていうのはどうも定かでないんだよなぁ……。


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・知識だけで実践向きじゃない

何の知識だろう。まさかネゴシエーションの知識ではあるまい……。

ともあれ成し遂げる力どころかその気もなさそうって感じだったけどな。


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・性別を確定しがたい

これ、僕の外見だと思ってたけど(そんなに中性的でもないんで)、あれだな、「第二次性徴」の方だな。




(続く)

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関連リンク

西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

西尾維新篇

第1話「ゼロ年代の終わりに」(約1,600文字)

第2話「西尾維新からの応答」(約3,200文字)

ニンジャスレイヤー篇

第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(約2,600文字)

策謀篇

第6話「過渡期の人」(約1,900文字)

第7話「茶番の始まり」(約1,800文字)

第8話「違和感の塊のような」(約2,100文字)

第9話「地雷と第二次性徴」(約2,200文字)

第10話「アメリカンなジェスチャー」(約3,500文字)

第11話「俺に合わせろ」(約2,900文字)

第12話「物語の終わり」(約1,800文字)

第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(約3,200文字)

昇華篇

第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(約1,700文字)

批評篇

第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(約2,300文字)

第16話「『やめろ!俺の頭から出て行きやがれ!狂気め!』」(約2,800文字)

第17話「『消えろ』‘彼を呼ぶのだ!’『消えてくれ』」(約2,400文字)

第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(約3,400文字)

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#批評 #コラム #ステルスリアクション #小説 #西尾維新

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