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西尾維新「人類最強の熱愛」『人類最強の純愛』その10 ステルスリアクション・エクストラ126

(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)

(ご注意・本稿では西尾維新「人類最強の熱愛」『人類最強の純愛』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)

前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。

また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。


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・物事を(色んな意味で)ぶっ壊すのが得意中の得意な生粋のデストロイヤー

これが僕の事だとはあまり思いたくはないんだが、僕に破壊的要素がないとはとても思えないのでもあって、まぁベータロンもあれこれ台無しにしてきてるって点もある事だし、両方揃ってこういう感じ、というところだろうか。

……救いがないな。


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・天才とエリートが何より大っ嫌い

相性、対応、腹積もりが大事なんであって、人から巻き上げる気満々だったら能力関係なく近づきたくはないわなー。

他人が天才だったりエリートだったりする事をいちいち嫌ってらんないし。


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・同業者は商売敵ではなく天敵

いつの間にやらそんな状況ですよ。望んでそうなった訳じゃあ決してないのになぁ。


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・センスが合致するなら存命の内に会ってあげて欲しかった

生きるの死ぬのって話、まだ正直ピンときてないんだよねー、西尾さんはアニメ化作品多くなって「死ねなくなる(スタッフの生活がかかってるから)」みたいな事を言ってたと思うんだけど、僕、死んだらその後の事まで責任取るつもりないもん、今のところ(だってホントに責任取るような立場じゃないし)。

他人の、それも歴史寓話作家が存命の内に仕事をしておく事が将来的に重要だ、とは思ってるけど、それは他人の死だからなぁ。


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・そんな風に相手のことを知った風に語るあたりが

ベータロンと共通しているんだとして、当たっているのかいないのかはしっかり判別して頂きたいポイントですね、はい。


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・自信たっぷりに断言

どれのどんな事か限定しなければ、このくらいならやる人は沢山いるよなぁ(前後関係忘れた)。


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・仕事を達成してもらったあとで、もう一度言ってみようか

状況が変わった後なら返事もまた違うかもしれない、ってのはありそうな事ではあるんだけど、好転するような変化ばかりとも限らないんだよなー。その点は変わんない、って事もあるし。


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・世界を揺るがす、人間の価値観を揺るがす研究を無数に発信していた
・常識がひっくり返った
・わたし達には、これが常識だったけれど

歴史寓話は、知ってる人達には(慣れ過ぎてるので)無意識レベルまで浸透している人もいるくらいには自覚的だけれども、知らない人達には荒唐無稽な絵空事レベルに扱われるんだろうねえ、やっぱり。

その辺をくるんっ、と転がしてみせるのが1つの目標で、その手際が腕の見せ所でもあるかな。

まぁでも、慣れてる人達にとってもエキサイティングなものに仕上げられればなぁ、とは思っとりますよ一応(どう、どのくらいに理解されているのか読みにくいトコはしゃーないけど)。


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・『貧者の一灯』
・人間以外の生命の創造
・進化の系統図をまったく無視した命の作りかた
(JF論は少し違うが)

最強シリーズがSFをどうやら核にしているらしいと分かってはきているものの、既存の批評体系と歴史寓話を別系統のように扱うのはちょっとどうかという気がするなぁ。言明してないとはいえ、江藤淳、蓮實重彦、大塚英志なんかが一冊書いてきた系譜はない訳じゃないし、歴史寓話の理論化は実際には(漫画評論であったような)構造分析を再興する形でやってるしね。

構造分析は昔一回流行ったんだけど、普通に読んで分かるような事を表にしたりして遠回しに書いてるだけ、って批判されて(当時の記録を見ると確かにその通りだったりする)廃れて、今世紀に入ってもずーっと日陰だったんだけど、その復活というか、ちゃんとした可能性が見えてきてるって提示になると思ってるし、でも理論の作り方自体が色んなものの組み合わせになっちゃってるから新造したように見えちゃうかもね。オーウェルにバルト、シクロフスキーにリーパ、パノフスキーも参考にしてるしヤウスに拠るところも大きい、でも本来そんなに難しいものでもなくてもっと単純なはずなんだよねぇ……。

まぁ、そういうところも含めてこれから。




(続く)

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関連リンク

西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

西尾維新篇

第1話「ゼロ年代の終わりに」(約1,600文字)

第2話「西尾維新からの応答」(約3,200文字)

ニンジャスレイヤー篇

第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(約2,600文字)

策謀篇

第6話「過渡期の人」(約1,900文字)

第7話「茶番の始まり」(約1,800文字)

第8話「違和感の塊のような」(約2,100文字)

第9話「地雷と第二次性徴」(約2,200文字)

第10話「アメリカンなジェスチャー」(約3,500文字)

第11話「俺に合わせろ」(約2,900文字)

第12話「物語の終わり」(約1,800文字)

第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(約3,200文字)

昇華篇

第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(約1,700文字)

批評篇

第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(約2,300文字)

第16話「『やめろ!俺の頭から出て行きやがれ!狂気め!』」(約2,800文字)

第17話「『消えろ』‘彼を呼ぶのだ!’『消えてくれ』」(約2,400文字)

第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(約3,400文字)

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#批評 #コラム #ステルスリアクション #小説 #西尾維新

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