西尾維新「かれんオウガ」『業物語』その4 ステルスリアクション・エクストラ096
(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)
(ご注意・本稿では西尾維新「かれんオウガ」『業物語』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)
前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。
また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。
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・道はなくともあたしの道を自分の意志で前に進む
実際には僕の行く経路に全く何もないって事はなくて、先人の残したものが一応はあるから、活かせる限りで活かしていきたいんだけど、まだまだちょっと使いづらいんだよねー。
わざと使いづらくしてあるから、自分で加工しないといけないし、その手際も先人の遺産を使い切ったら使いようのない技術になっちゃいそうだし……(その辺はちょっぴり複雑)。
しかしいつまでも続けたい事でも続けられる事でもないよ、うん。
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・どんなひどい状況でも「ベストコンディション」
そんな馬鹿な。
……まあ相対的なものでもあるし勝ち目さえあれば対応は取れる。フーリンカザン。
だから「勝ち」や目標をどこに設定するかっていうのは重要だよね。妨害に弱くないか、とか。
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・どんな激流もあたしの炎を消せないぜ!
そんなテンションで乗り切れるだけのパワーとスタミナがあればなぁ!
現実はあれこれ細かく工夫してどうにかこのレベルを捻り出してるから。
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・引っ付かれる消耗
役に立つんならまだしもただただめんどくさいし時間取られるしで付け狙われても良い事はない。
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・バーベル
筋トレ。でもまだ僕はお世話になってないなあ、残念だけど。
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・後払いとかにするからそういうことになる
後払いするかもあやしかったと思うよベータロンは。投資やコストをかけるっていうリスクをとにかく嫌うみたいだから。
それ以前に「先払いか後払いか」を含む交渉の場を設けないで済まそうって発想が論外。
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・霧の中を切り抜けた
言葉遊びをするかどうかも重要なんだけど、道なき道どころか前さえ見えないっていうのはシビアだなぁ。自信か運か、とにかく普通では無理っぽいもん。
ああ、超視力、みたいなのもあるか……。
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・一人になんてなかなかなれっこない
・独りのときこそ特に
悪い意味で1人にさせてもらえない、ってのもあるけど、別の意味で「あー、全く孤独って訳でもないんだよなー」っていうのもある。
期待をかけてもらう、期待に応えるっていうのはそういう関係で、問題があるとすれば「買って貰えない」って事。そのためには売らなくてはいけないくて、売るためには……。
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・色んな自分と末永く付き合っていかんとな
歴史寓話における重合性とステルスリアクションにおける合成・配合の指摘。
色んなところで色んな風にアレンジされてキャラクター化しているのを見ていると「興味の範囲が広過ぎて色んなものを色んな風に楽しめる一方で1つの専門領域を掘り下げて強みにするっていうのがやりにくいから困るなー」と感じていた自分の多面性も「こういう活かし方があるのかー」と思える(俺の得になってない)。
まぁだから、抽象的で応用が効きやすい理論とか、幅広く適用できる根拠や前提、妥当性や正当性の判別、つまりは批評が僕にとっては特別便利なのかもしれない。
(続く)
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関連リンク
西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
西尾維新篇
第1話「ゼロ年代の終わりに」(約1,600文字)
第2話「西尾維新からの応答」(約3,200文字)
☆
ニンジャスレイヤー篇
第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(約2,600文字)
☆
策謀篇
第6話「過渡期の人」(約1,900文字)
第7話「茶番の始まり」(約1,800文字)
第8話「違和感の塊のような」(約2,100文字)
第9話「地雷と第二次性徴」(約2,200文字)
第10話「アメリカンなジェスチャー」(約3,500文字)
第11話「俺に合わせろ」(約2,900文字)
第12話「物語の終わり」(約1,800文字)
第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(約3,200文字)
☆
昇華篇
第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(約1,700文字)
☆
批評篇
第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(約2,300文字)
第16話「『やめろ!俺の頭から出て行きやがれ!狂気め!』」(約2,800文字)
第17話「『消えろ』‘彼を呼ぶのだ!’『消えてくれ』」(約2,400文字)
第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(約3,400文字)
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