年間Max300本ペースでライブをやってきたジャズベーシストが「ライブ自粛」世論下で探るアフターコロナの音楽業界ー有料配信の方法・各メリット/デメリット等
こんにちは、程嶋日奈子です。東京でJazz Live Houseを主な活動場所として演奏活動をしているベーシストです。
この記事では今回の新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)騒動が本格化した2020年3月に入ってから今迄の3週間と少しで私が試したことと、今後の見通しなどを書いていきます。いろいろとお財布事情もばらしてしまいますよ。少し経ってしまいましたが前回の続きも書きたいと思います。
前回少しネガティブにふってしまったのを後悔したので、ライブ配信で少しお話した通り、ちょっとモードを変えて書いていきたいと思います。
3月1週目:精神的なケアに走った1週目
大阪のライブハウスでクラスターが発生してしまい、ライブハウスを名指しで悪者扱いされることが増え、諸々公演がなくなり大手音楽教室も休校という状況から「まず手の届く人の気持ちから救いたい」と思って1週目の活動をしていました。私もまだ仕事は影響なかったし(笑)
具体的にはライブ関係の友達から「ライブハウスばかりが悪者と言われるのは嫌だからなんとかして」という連絡を受けてライブハウスの取り組みを動画にさせていただいたり。
ミュージシャンと「まずは集まって動画をとってみよう」といろいろな取り組みを始めました。
こちらのnoteは500人以上の方に観ていただきました。無料動画も公開2日目には100回以上の再生がありました。これからあと2本プロモーション用の動画をあげていきます。「何もなくなってしまったので、せめてプラスに変えよう」くらいの気持ちでしたが結果的にたくさんの学びもありました。
この時期はライブがなくなった大御所ミュージシャンの皆様も「こんな時だから」と、今後につながるようにyoutubeをこぞって始めた時期でした。どちらにしろミュージシャンにとっては5GとxRの技術で動画配信は今後避けて通れないので私もいいきっかけでした。
合わせてJasracと包括契約をしているWebサービスなども調べました。電話もしました。結構親切にご対応いただけるので、みなさん迷ったらお電話で聞いてみるといいですよ。
Jasracからも公式に先週お知らせが出ていますね。
権利周りは正しくお付き合いしたいところです。
3月2週目:「動画のリンクを販売する」ことを本格化
2週目に入ると私も若干収入減が見込まれるようになったので、動画販売の方法を模索しました。
私の場合一番お手軽だったのがコロんでも・・・の記事にあるような有料noteの販売。元々noteは記事を販売したり、クリエイターの活動に投げ銭を得られるシステムがあるので、これを活用いたしました。方法はいたって簡単。有料部分に限定公開のyoutubeのリンクを張るだけです。
1本目の有料動画のご購入は20日間で12人x500=6000円。スタジオ代とみんなの交通費くらいしかまだカバーできていませんが後に書く通り販売方法等工夫していきたいなと思っています。
2本目の記事はちょっと高くしたこともあって
現在売上は1000x3=3000円。少ない。。。アクセスが150ほどあったのですがやはり1000円を超えると購入率が落ちるのかもしれませんね。3月末まで購入できるのでよかったら買ってね!
因みに、他に動画を売る方法としては
①youtubeなどのリンクを何かにつけて物理的に販売する
②決済システムをどこかで作ってyoutubeなどのリンクを販売する
③その他の既存の動画販売システムを使う
などもありますが、
①Jasrac包括契約の範囲と細かいルールは守れるか(海外曲かつ団体アカウントからのUPは管轄がJasrac外、、とかいろいろ細かいです)
②決済システムや配信システムにお客様のITリテラシーが追い付くか
③一度youtubeのリンクを知った人が拡散してしまわないか(悪意が無い場合もある)
といった注意点があります。
ちなみに①はカバー曲の場合、編曲について出版元に問い合わせをする必要もあるため、厳密に言うとちょっと販売動画にカバー曲を使うのはなんだかんだ怖いな、と言うのが私の感想です。コロンでも・・・のほうは念には念を、でPDの曲を使っています。程嶋バンドとEMiKOさんのほうはすでにご本人がCD化されているアレンジです。ケチがついたらせっかくやってる活動も気持ちがしぼんでしまいますからね。いろいろと気を付けていきたいです。因みにクラウドファウンディングで間接的に有料動画を作成する活動をしている人たちもいますので、応援していきたいです。
そして、そもそも動画の撮影ですが、コロんでも・・・のほうは下田君の一眼レフカメラでばっちり照明もつけて撮影して、音声も別の録音用マイクとPCで録音、マスタリングもしていただいているのでとても画質・音質がよいです。程嶋バンドは単なるXPERIA SO-01L というSonyのAndroidの動画撮影ですが、元々のトナリテのPAが劇的にちゃんとしているので綺麗にとれました。同じ時期に上げてるこちらもAndroid一発どりです。これを録った後にXPERIAも4K録画ができることが判明・・・。今度使ってみよう。
その後別のライブハウスで携帯一発どりに挑みましたがなかなか難しかったので、ここでZoomをQ2n-4K購入。初の設備投資でした。先日テストしましたがさすがにきれいにとれますね。Zoomは実はWEBカメラとしても使えるのでよさそう!
3月3週目:ここでやっと生配信にも着手
ここまでも「生配信」という手段もあったのですがどうしても
①配信だと音質・画質が保障できず編集もできない
②すべて無料で放映してしまっていいのか・・・
という問題があり、なんだかなと言う感じでした。ただ、方法はいろいろあったので試してみました。
①Facebookの動画配信機能を使う
②youtubeの動画配信機能を使う
③ShowRoomやツイキャスなどを使う(有料配信可能)
今のところJazz(ミュージシャンがやってみる場合には、ですが)③はもともと収益化ができるようにできているものの、やはりwebサービスとして見る側がハードルがない①②がまだまだいいような気がしています。
②はモバイル配信は1000人以上チャンネル登録が無いとできないのでpcやwebカメラを使ってくださいね。
で、①②の場合の多くのミュージシャンが「投げ銭」を集める方法をとっている。印象です。主な方法としてはpaypayとかね。他にもチケット販売サイト等を使う方法もありますね。
私はこんなのを売ってます。
皆様に1000円で投げビール券をご購入いただくとそのお金で私たちミュージシャンがライブ終了後、ライブハウスで打ち上げができて、ライブハウスにも売上が残るという形です。普段私はリーダーライブを行う時にはお客様からごちそうになる以外のミュージシャンのドリンク代をある程度まで私が持っていまして、ここの補てんにあてたり、場合によっては終演後ぐいぐいのんだりしようかと思っています。
実はこのビール券、当初500円で販売して公開初日に7杯売れたのですが、6杯買っていただいたお客様が「今夜僕が行くライブで使って―」というリクエストで購入をされておりまして。こちらのライブハウスではミュージシャンドリンクの仕組みがそもそもないので、直接返金をさせていただきました。また、baseの無形serviceは実行後証明書を記録が残る形で送らないといけないので、送料手数料合わせて一杯1000円として、使うライブも限定させていただいきました。これで混乱ないはず。。。
因みに、家で飲んでいるときに配信のテストをしようとしたら本当に配信が始まってしまってコメントがつきまくり、結局1時間くらいそのまましゃべるという事故もあったので、この週には予告してちゃんとした(?)家でのソロ飲み配信もしました。
3月4週目:次への展開を見始めた4週目
今週は昨日Facebookに投稿したこちらの動画撮影から始まりました。
左からviolin 依田彩さん、タップちゃるちゃん、私、ティンバレスの吉羽一星君、そしてピアノの畠山啓くん。一星君から「ピアノの啓君とDUOでユニットを始めたんだけど、何か一緒に撮ったりできないかなー?」とゆる~くラインをもらってブッキングしたバンド。
私の友達ネットワークを駆使したすごい異ジャンル交流戦でした。面白かったー。こんな時だからこそ、普段ライブハウスのシーンではめぐりあわない人たちで映像作品を作りました。会場はあのCircleさん。
ちょっと前にいつもお仕事をいただいている広告・制作業の友達から
「ひなこーこっちの業界やばいわー?そっちどう?」というお電話をいただいて、ちゃっかり撮影もプロにお願いして。(破格でやっていただきました、本当にありがとう)奇跡のコラボ。
こちらの動画も近日中に有料・無料 双方の公開をさせていただきます。
一星君と啓君はお二人でユニットも始めたということでそのプロモーションにも使ってもらえたらいいな。
世界的な混乱の様子を見ても今後しばらくこのごちゃごちゃは続くのではないかと思っています。何を隠そう私自身も若干のコロナ鬱です。こう見えて結構何も手につかなくて困っています(笑)
でも、この記事は2時間集中してめちゃくちゃ力を入れて書いています。ここまでの3週間を振り返ってトライしたことへの学びをどんどん活かしていかないと・・・。
動画配信などもだんだんあふれてくるようになると思います。
その中で見ていただく意義のあるものを作って行くにはどうしたらいいかを考えていますが。
①録画配信するならちゃんと作った面白いもの
②ライブ配信するなら臨場感があるものをちゃんとした音で
という当然の前提を守りつつ、ライブハウスをはじめとした関連業種や他のミュージシャンの御手伝い。オンラインLessonなども視野に入れています。
というわけで4週目はここからは②に関連してリーダーライブの配信と①で4月に向けた仕込みをいたします。4月の話は後日。
そして今月残り一本のリーダーライブ。
こちら。
私のFacebookのアカウントから2ndステージの一部を配信してみます。(21:30くらいかな・・・)気に入った方は投げビールをぜひ。ミュージシャンもライブハウスもとても喜びます。
とはいえ元気な方はApple Jumpに来てください。きっちり換気して、
がっつり元気になる音楽を聴いて下さい。そして一緒に飲みましょう!!
そんなに混まないはずだから大丈夫。20人くらいのキャパのお店なので。超小規模イベントです。
たくさん書きましたがやっぱり生のライブにかなうものは今のところないです。一刻も元気に皆様でまたお会いしたいです。
怖いのは生配信など無料のものが当たり前になってしまって有料のライブに人が集まらなくなるとか、そもそも演奏家やライブハウス自体がこの騒動でどこまで生き残れるのかというところですね。
間違いなく業界の地殻変動が起きると思います。
ただ、そもそもJazz Live Houseってそんなに将来に明るい見通しがあったわけではないので、、これを機に始まったみんなの努力が実を結べばな。と。私はこの騒動の後、無駄ではなかったといろいろな学びを残したいと思っています。先日Facebookに書きましたが、こんな時だからこそ、信頼を築きあげられるか、ボロボロになってしまうのか、明暗が分かれると思います。
それでは、今日はこの辺で。
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