名前によって貴族にも芸人にもなれる
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名前によって貴族にも芸人にもなれる


林さんのこの記事を読んで、確かに名前って「みんなのもの」だし、名前って面白いな、と思いました。


4つ名前のある私

私の名前は「陽菜ひよ子」といいます。当然ペンネームです(職業はイラストレーター&文筆家)。

ほとんどの人が一つか二つの名前で生涯を過ごす中、私にはペンネームと本名合わせて4つの名前があります。割とレアケースです。

本名は公開してないし、今後も公にするつもりはないのですが、うちの場合、オットの宮田が本名でカメラマンとして活動しているので、芋づる的に本名の名字は宮田なんだな、とバレます。


自分自身では、すでにペンネームの方が本名よりずっとしっくり来ていることも事実です。私が宮田姓になったのは2008年ですが、陽菜ひよ子と名乗り始めたのは2005年で、ペンネームの方が歴が長いのです。

普段は、プライベートでも本名を名乗ることはほとんどなくて、今周りにいる人のほとんどは、私の本名を知りません。本名を呼ぶのは、親戚と学生時代の友人と役所や病院の人くらい。

オットですら私を「ひよこちゃん」と呼ぶのです。もはや本名なんて忘れそう。。。たまに本名で呼ばれると、一瞬自分のことだと気づかないほどなのです。


夫婦で名字が違う「事情」?


私は最近まで、普通に夫婦が「宮田です」「陽菜です」と名乗ったら、「ああ、本名は宮田さんで、奥さんの方はペンネームなんだな」と理解してもらえると思っていました。

でも、そういうわけでもないのですね!

昨年、オットとの共著で本を出版したのですが、印税は二人別で受け取ることに決まりまして。その際に担当編集さんから、もじもじとしたメールが届きました。

「大変お聞きづらいことをお尋ねしますが、ご夫婦で名字が違うのは、何かご事情があってのことでしょうか?」

・・・・・
・・・

ええーと。

まさかそう来るとは、思いませんでした。

少し考えて
「陽菜ひよ子はペンネームです。本名は宮田〇〇です。宮田雄平の方は本名です。特に事情はありません」
とごくごくシンプルに返答。

まさか「陽菜ひよ子」なんて名前が本名だと思われるとは、想像もしませんでした。世の中いろんな人がいるなぁ。。。

きっと、どう聞こうか、迷った末にメールくださったのかなぁと想像すると、面白すぎる。。。


名前だけなら貴族にもなれる


さて、ここまでは現在の本名とペンネームについて書きましたが、残り二つのうち、ひとつは生まれた時の名前、ではもうひとつは?というと。。。察しのいい人はお気づきでしょうが、私はバツイチなんですね。

私が「陽菜ひよ子」という名前をペンネームに決めた時には、まだ前の相手と結婚していました。その相手の名字は、とても珍しいものでした。

電話で名前を告げると、必ず何度か聞き返され、漢字を説明するにも時間がかかり「珍しい名前って大変なものなんだ」ということを実感。

その名字、珍しいだけでなく、すごく品があったのです。いわゆる貴族っぽい名字と言われる「綾小路」や「西園寺」「伊集院」のような感じですね。なので、当時は名乗るだけで「どこかいいところの奥様なんじゃ?」という目で見られ、丁重に扱われていました。

名前だけですごく得をしていたことになります。この頃、名前の持つ印象って大事なんだな、ということもしみじみ感じました。

つまり結婚した相手の名字を通じて、2つのことを学んだのです。

・珍しい名前は苦労する
・名字の品がいいと家柄が良いと勝手に誤解される


その結婚生活の最後の方に、私は出版を目指す講座で学びます。講座の仲間からは「こんなにいい名前なら、ペンネームいらないね」と言われました。

そんな中で私が「陽菜ひよ子」と名乗り始めたら、周りはそりゃ、驚きますよね。「そんな(変な)名前、やめたほうがいいんじゃ」と反対もされました。しかし、自分自身はすでに離婚することを決めていたので、迷いはなかったです。


名前の変化には本人より周りの方が戸惑う


昨今「夫婦別姓」が話題になっていますが、現状では、結婚においてどちらかが名字が変わることを経験しています。結婚したり離婚したりして、名字が変わることに本人が慣れても、周りの方が慣れないような気がしませんか?

20代の頃のバイト仲間がデザイン会社を経営していて、今も仲良くしているのですが、彼女はいまだに私を旧姓(宮田でも綾小路(仮・笑)でもなく、生まれた時の苗字)で呼ぶんですね。

前の結婚生活をしていた頃の知人は、今も心の中では前の夫の苗字で私を呼んでいるでしょうし。(私の前では気遣って今の名前で呼びますが)

数年前まで私は、デザインやライティングの仕事で会社勤めをしていたのですが、契約上本名で仕事していたので、当時の同僚は未だに私を「宮田さん」と呼びます。

微妙にペンネームで出入りする場でも会うので、いや、本名で呼ぶの勘弁してほしいな、と思うんですけど、彼ら彼女らの中では私は「宮田さん」なのです。

周りの人たちの中で、私はいつまで経っても最初に知り合った時の名前のまま。これを読んでいる既婚者の中にも、学生時代の友人からは未だに旧姓で呼ばれる、という人は多いのではないでしょうか。

また、最近では本名よりハンドルネームなどのネット上の名前の方が有名な方も増えてきていますね。はあちゅうさんとか、本名でも活動されていますけど、今でもやっぱり、はあちゅうさんの方が通じやすいですよね。

ハンドルネームはペンネームや芸名に近い感じでしょう。一昔前なら、芸能人や作家などを除いて別名をつけることはなかったのに、今は誰でも別の名前を名乗れる時代。

ハンドルネームは気軽にコロコロ変えられるものですが、あまり変えると周りの方が戸惑います。

自分がその名前に慣れても、周りの方が慣れないってことなんですよね。これがつまり「名前はみんなのもの」だということです。

名前って面白いですね。


夫婦別姓について思う事


せっかく少し話が出たので、夫婦別姓について、自分の思うところを書いておきます。

最初に結論を言うと、私は「選択的夫婦別姓制度(選択的夫婦別氏制度)」が良いと考えています。

自分のことでいえば、私は最初の結婚当時には何のキャリアもなく、夫の姓になることに、何の戸惑いも違和感もありませんでした。

さえない独身生活を送ってきた自分にとって、キラキラした名字になることには、新しい自分に生まれ変われるようなワクワク感があった程。

私自身は名前が変わるごとに環境が変化しています。二度目の結婚に関しては、仕事上ペンネームを使用しており、何の不都合もありませんでした。それで、すんなりとオットの戸籍に入ることができたのです。

私のような人にとっては、現行の制度は合っているのだと思います。けれど、私みたいなケースはとってもレアです。

結婚して専業主婦になる人が少数派であり、女性でも腰掛ではなく、ある程度の仕事を任され、キャリアアップを図ることが望めるようになった昨今。急に名前が変わることで不利益をこうむったり、違和感を抱かせたりといったことは容易に想像できます。

そのような人のために別姓を選べるようであって欲しい。

でも中には、どんなに面倒でも不利益があっても、夫と同じ名字になりたい、という人もいるかもしれません。

だから、選択性がいいと思うのです。

よく言われる「家族の絆云々」も、名字の違いで変わることはないと思います。

私は普段、自分が「宮田」であることを忘れて生活していますが、ずっと専業主婦をして「綾小路(仮)」と名乗っていたころと比べて、今の方が「夫婦の絆」が弱いなんてことはまったくありません。

困るのはせいぜい、冠婚葬祭の時にちょっと面倒かな、という程度ではないでしょうか。

子どもの姓はどうするのか?といった問題も、最初はひとまずどちらかの姓に入れておき、ある時点で子ども自身が選ぶことができるようにしたらいいのではないかと。国籍などと同じですね。


4つの名前を得て思うこと


上にも書きましたが、私自身は、名前が変わるごとに生活もステージも変わって、どんどん良くなってきた感があります。だから自分自身は、名前が変わって良かったと思っています。

何より、「綾小路(仮)」という名前で貴族のようにも見られたり、ペンネームである「陽菜ひよ子」という名前で、今度は芸人のように見られたりといった経験は楽しかったです。

名前によって人はこんなに扱いが違うのか、という事が知れたのは、私にとっては収穫だったと思います。

「陽菜ひよ子」という名前は、きれいな名前ではありませんし、ライター講座でもイラストスクールでも「もっと別の名前がいいんじゃ」と言われました。頑固な私は、若干傷つきながらもこの名前を変えようとは思わなかったんですよね。

この名前のお陰で、あまり忘れられた経験はなく。SNSなどで名前を見かけただけで、覚えていてくれる人もいるのはありがたいです。

「覚えてもらうこと」が何より大切なこの仕事にとっては、良い名前だったのではないか、と自負しています。


おまけ・5つ目の名前


今はネット上もペンネームで活動していますが、イラストの仕事を始める前は、私もハンドルネームを使っていました。

「ぴぴ」というなまえです。

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ネットを始めて3年後くらいからは漫画を描き始めて、その主人公の名前が「ぴぴちゃん」でした。なので、いまだに私をぴぴちゃんと呼ぶ人も周りに数名います。(GIFは2009年頃の私とぴぴちゃんを元に、ブログ仲間が作ってくれたもの)

そういえば、ぴぴちゃんと名乗り、オフ会などもしていなかったころには、私はすごく小柄な女性に見られていたようです。確かに「ひよこ似のぴぴちゃん」は140センチくらいしかなさそうです。

その後、実は身長164センチであることをカミングアウトすると、ついたあだ名が「怪鳥ロプロス」。

ふっ、ネーミングセンスあるじゃん!

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陽菜ひよ子 / イラストレーター&漫画家&まちづくりジャーナリスト

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陽菜ひよ子 / イラストレーター&漫画家&まちづくりジャーナリスト
著書「ナゴヤ愛 」(秀和システム)好評発売中。2006年ダイヤモンド社・2015年PHPより出版。中日新聞広報誌にて取材+コラム連載中。代表的なイラストのお仕事はNHK Eテレ「すイエんサー」。インタビューとひよことプリンとネコが好き。http://www.hiyoko.tv/