見出し画像

取材とテープ起こし

9月12日に発売した新刊
「ナゴヤ愛 地元民も知らないスゴイ魅力」(秀和システム)
お陰様で順調な滑り出しです。

名古屋市の中心地・栄にある丸善名古屋本店さんでは
先週の実用書のランキングでなんと2位
同じくイオンタウン千種の丸善さんやらくだ書店さんでは
1位という情報をいただきました。ありがとうございます。

画像1

今回の本、私のイラストレーターという肩書と表紙を見ると
イラストや漫画がタップリの可愛らしい本、に見えると思います。
しかし、実際に読むと、意外と硬派(笑)です。

前半は、データなどを元にナゴヤの暮らしやすさや魅力について
持論を展開し、文化や食・名所について語っています。

後半は、私がナゴヤで出会った、愛にあふれた活動をしている人々に
スポットを当てて
、取材をしています。

数年前から取材をして記事を書く仕事が増えたのですが
その際に迷うのが「録音をするか」「テープ起こしをするか」
ということ。


テープを起こすか起こさないか


本を書いている時に、普段取材をしている側の方とお話したら
「私はテープ撮らないの」とおっしゃって驚きました。

かなりベテランで、多くの一流の媒体でお仕事されてきた方だけど
「それでも別に困ったことってほとんどないわよ。
一回だけ、そんなこと言ってないと怒り出した方がいて
『テープも撮らないでいい加減なこと書いて』
と言われたことがあったけど、それだけよ」

「メモだって、そんなにきちんと取らなくても
言葉の断片を残しておけば、書くときに意外と思い出せるのよ」

それで今回の本は、一度もテープを撮ることはなかったのですが
その方のおっしゃるように、その時の言葉や相手の表情などが
ありありと思い出せて
、ちゃんと私に「書かせて」くれました。

意外にも半分くらいの記事は
取材相手からの修正が、まったくナシでOKだったんです。


今回の本で、我ながら凄いと思ったのは
第6章の伝統芸能のページは、かなり前から取材を始めていて
「都々逸」は2年前、「有松」や「瀬戸」に関しては
何と3年前の取材だったのに、ちゃんと思い出せるものなんですね。

ただそれって、私の場合は、自分が相手に興味を持てる
その記事を絶対に書きたいという想いがあるかどうか、に
かかっているようにも思います。

その点は上記の方も「興味ない相手のことはすぐに忘れちゃう」って
おっしゃってましたしね。


なんてことを思い出して
自分は自分が興味持てる相手のことだけ追求していこう
などと考えていたのですが。。。


東京時代のお友達でライフスタイルジャーナリストの
吉野ユリ子さんが、こんな興味深い記事を書いておられました。


初めて受けた取材

実はユリ子さんには、もう11年も前に
取材を受けたことがあります。

講談社の雑誌『FRaU』の特集「あんな結婚、こんな結婚(だっけな?)」で
「9歳年下の夫と結婚したイラストレーター」として紹介されました。


そのときは、取材を受けるのもプロのカメラマンに写真を撮られるのも
全部が初めての体験で、緊張したし、細かい事はよく覚えていません。

でも、自分たちのささやかな結婚について、記事に残してもらえて
本当にうれしかったことは覚えています。
それって、いい記事だったからなんですよね。


それから10年の月日が流れて
まさか自分が取材をする立場になるとは
当時は予想もしていませんでしたが。。。

あの時我が家で、ユリ子さんが、私の言葉を反芻して
「なるほど、だからそれがそーなって」
「うんうん、そこがそう結びつくのね」
と、つぶやきながら
アタマの中で記事を組み立てていた姿
今も目の奥に焼き付いています。

取材される側って、緊張するし
そんなに理路整然と話せるものではありません。
だから、話したことをそのままダラダラと書いても
本当に伝えたいことを伝えることは難しい。

どう書けば一番言いたいことが伝わるか
取材相手をより魅力的に書くことができるか
キチンと構成を考えて悩んで、組み立てます。

それは、あの時のユリ子さんの姿が
私の中に残っているからなのかもしれない。
最初に取材を受けた相手が、ユリ子さんのような
丁寧に取材する人でよかった。

私も取材相手から
「あなたに取材されてよかった」
といわれるようでありたい。

今回の本、登場する方々は、私の取材した、たった4~5ページくらいでは
収まり切らない素晴らしい方々ですが
彼らの活動や魅力の一部でも、誰かの心に届けることができたなら
及第点と考えていいかな、と思っています。

そうそう本題のテープ起こしについては
ユリ子さんの記事を読んで、私も基本テープ起こしはしないけど
録音は念のためにしておこうかな、と思いました。

もし、この記事を読んで「面白い」「役に立った」と感じたら、ぜひサポートをお願い致します。頂いたご支援は、今後もこのような記事を書くために、大切に使わせていただきます。